【シンガポール=中野貴司】マレーシアのイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相は23日、8月1日から公共交通の利用時や混雑した公共空間でのマスク着用を義務づけると発表した。新型コロナウイルスの新規感染者数が再び増加に転じており、規制を強化する。
マレーシアは新型コロナの感染拡大を受け、3月18日に国民の外出や企業活動を厳しく規制する活動制限令を導入した。新規感染者はその後、徐々に減少し、6月下旬以降は1日の新規感染者が1ケタ台にとどまる日が多かった。
ただ、ここ数日は1日の新規感染者数が2ケタ台に戻っており、ムヒディン首相も「状況を軽視すべきではない」と国民に感染予防策の徹底を改めて求めていた。ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保ちにくい混雑した公共空間でのマスク着用を義務づけることで、感染の再拡大に歯止めをかけたい考えだ。
隣国のシンガポールも4月中旬に、外出時のマスク着用を義務づけた。厳しい外出制限も併せて実施したことで新規感染者数は減少傾向にあるが、なお連日3ケタの新規感染者が発生している。