神戸大、紫外光照射機器を開発 低コストで殺菌効果高く
滋賀県のメーカーなどと共同で

新型コロナ
関西
兵庫
2020/7/22 19:45

低コストで機器の設計の自由度が高く、レジの釣り銭の消毒など様々な利用方法を提案する(22日、神戸大)

低コストで機器の設計の自由度が高く、レジの釣り銭の消毒など様々な利用方法を提案する(22日、神戸大)

神戸大学は22日、照明機器メーカーの日本エコ照明(滋賀県草津市)などと共同で、低コストで殺菌効果の高い紫外光(UVC)の照射装置を開発したと発表した。医療現場や飲食店、保育園など様々な場所で、釣り銭やスマートフォン、手指などの消毒に幅広く生かせるとしている。日本エコ照明は今秋をめどに販売を始めるとしている。

冷陰極蛍光管というサインボードや室内照明に一般的に普及している技術を用いており、殺菌効果の高い紫外光を照射する性能を引き出すための構造を開発した。紫外光源に発光ダイオード(LED)を用いる場合に比べてコストが大幅に安い。機器の形状の自由度が高く、大面積の照射にも適しているという。

外部の機関に殺菌効果の検証を依頼したところ、黄色ブドウ球菌と大腸菌は1センチメートルの距離で2秒照射すればほぼ死滅した。開発に携わった神戸大の喜多隆教授は「大腸菌の結果などを踏まえると、新型コロナウイルスも1分以内の照射で99%殺菌できると予測している」と話す。

アルコールなどを使う代わりに、棒状にした照射機器をモノや人体にかざすことで消毒したり、レジの上に置いた箱形の照射機器にお金を通して消毒したり、様々な利用法を考えている。日本エコ照明の桂慶全社長は「まず顧客のニーズに応じてカスタマイズした商品を提供したい」と話す。

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