アスペルガーの夫を支え続けた結果 | 大久保三代 オフィシャルブログ「いつみてもSocial Work」 Powered by Ameba

アスペルガーの夫を支え続けた結果

テーマ:夫の逮捕

夫はアスペルガー症候群です。

 

注)すべてのアスペルガー症候群の方が、逮捕されるような

ことをするわけではありません。誤解のないようお願いします。

 

アスペルガーのため、厚生労働省の仕事をつづけられません

でした。その後も転職を短期間で繰り返しました。

 

私が自民党から衆議院選挙に出た理由のうちの一つは

「アスペルガーの夫でも、政策秘書なら、厚労省勤務経験を生かして

やっていけるかも」

という思いからでしたが、0歳児抱えてぼろぼろのどぶ板の

末、議席を得たのに、夫は秘書の仕事をやる約束を破りました。

自民党は家族親族総出で、政党に奉仕しないといけないけど

アスペルガーの夫にはつとまらなかったのです。

 

名取での開業は、医療機械などの高額な投資はせず、

精神科勤務医を続け、土日夜などの副業ではじめる。

開業ではたくさん稼ぐ必要はない。

時間をかけて地域に根差し、子どもが育ちあがったころには

借金の返済も終わる。福祉面の多い医療をやり、患者さん

の話をゆっくりきいて寄り添う仕事なら、アスペルガーでも

やっていけるだろう。

 

お金をかけない選挙を続ければ、じわじわと支持者が

増え、まわりまわって診療所の顧客が増える。焦らず

地道に無理せずやっていこう。何度も何度も、私は

夫に言って聞かせてきました。

 

障害とうまく付き合いながら、やっていけるように私が全力で

サポートしているのに、夫は私に隠れてバイトに行っていました。

夫婦喧嘩の9割は、夫がバイトにいくせいでした。

夫の障害を知っているから、バイト先で何かあったとき

臨機応変に対応なんかできないと思っていました。

我が家は、生活に困っていたわけではありません。

夫がアルバイトにいったことを知るたびに、怒ってきましたが

それでも隠れていっていました。

 

障害のせいで、どこにいても生きづらく、いつも焦っていて

「今ここ」を生きることができなかった夫。いつも死にたい

気持ちを抱え、死にきれなくて。医者の仕事をやめたい

のにやめられなくて。とうとう逮捕されるようなことをした

夫に思うことは

「自分だけ楽になりたかったのね」

です。夫の生きづらさを受け止め寄り添ってきたのに。

私は研究者になる夢も、自民党の議員を続ける夢も

諦めて、夫のペースに合わせて、夫でもできることを

一緒にやって、小さな幸せ築いてきたのにな。

私の結婚生活9年間はなんだったのかと。

 

本当はこのたびの四連休、家族旅行にいく予定でした。

夫が先週もまた、隠れてバイトに行っていたことがわかり

私がキレて、キャンセルしていたのです。実際行けなく

なったので、早めにキャンセルしておいてよかったのでした。

 

残務整理を終えたら、夫とは離婚します。

 

 

 

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バカにつける薬はない

テーマ:夫の逮捕

夫が逮捕に至った理由を、私は報道で知りました。

 

私が国会議員在職中、次女と私の命を懸けて

取り組んだのが

「難病の患者に対する医療等に関する法律」

だったのです。2013年秋、切迫早産で絶対安静

を強いられていた私は、たった一度だけ入院先

の広尾日赤病院に外出許可願いを出したことが

あります。

 

今後このようなお願いは二度としません。一度だけ

二時間、「難病の患者に対する医療等に関する法律」

の詳細を決める大事な会議に出席させて

ください。万が一私や子どもに何かがおきても

一切の責任を貴院に問うことはございません。

 

そして介護タクシーと、リクライニング付き車いすを

手配し、会議に出席しました。そのとき付き添って

くれたのは夫です。私が同法案の成立に懸けた思いは

「治療法を見つけるための予算を確保するとともに

治療法を見つけるために精度の高いデータをあつめ

られるよう、診断基準と診断にあたる医師の要件を

明確化すること」

でした。政治はいろんな利害が絡みますので、

理想を即座に法制化するというわけにはいきま

せんでしたが、亡くなられた金澤一郎先生と

「今、同法案を通さなければ、難病患者さんを支援する

法案を通す機会が失われてしまう。」

という思いをぶつけあい、法制化にこぎつけました。

 

私と次女の命を懸けた難病PT出席に付き添ったのは

一体なんだったのかと、涙も出ません。思いを共有

してたわけではなく、うるさいから付き添っただけだ

ったんだなー。ただただ脱力。

 

ここで吠えても夫に届くことはないのだけど、

書かずにいられないから書きます。

 

安楽死の判断や解釈を決めるのは、国会であり

臨床現場ではありません。

現行の法制度がおかしいと思うなら、まず選挙に

受かって、国会で議論しろや!!!おまえが

選挙に出たいといえば、全力で支えたのに。なんだよ。

 

そもそも

てめえが次女のおむつ替えやミルクを、議員宿舎で

やってれば、私が厚生労働委員会で、働き

続けられたのに。あなたの思いを、国会でぶつ

けたのに。

「俺の晩飯は?子どもの世話は妻の役目でしょ

母親失格だね~」

と議席から引きずり降ろしておいて、何が

法制度の矛盾だよ。

 

てめえが厚生労働技官をやめるときも、

「絶対やめて」

と懇願したのに、辞めたのはお前だよ。官僚の

立場で法案練ることができたのに、今頃

何やってんだ!!!!

 

 

警察の方には

「面会にも差し入れにもいきません。私選弁護人も

たてません。夫が自分でやったことですから、自分で

説明し、責任をとっていただきます。」

と伝えました。

 

ネット上には同情の声なども書かれているようですが

全く値しません。

 

「生きていても仕方がない、殺してほしい」

という気持ちを真正面から受け止め、寄り添い

「辛いよね、苦しいよね。でも今日の風は気持ち

いいよ。太陽の光が素敵だよ。あなたが今日も

生きていることが、私はうれしいよ。」

と伝えつづけ、療養生活が心身ともに少しでも

楽になるようサポートするのが、私達医療・福祉

従事者の務めです。受け止めて寄り添う仕事は

本当に辛いし、無力感にかられるし、大変です。

ですが一番大変なのは患者さんご本人であり

ご家族なのです。そのことを忘れていい気になる

ようでは、医療者として失格だとされても

当然だろうと私は思います。