090517 B6-0F 未来と出会った日 京セラドーム
2009.05.18 Monday
0
〔2009年5月17日 京セラドーム B6-0F 2回裏、下山真二選手が先制の
ソロホームランを、レフトスタンドへ放つ〕
自分でも、何か、スゴイ瞬間を撮ってしまったよな……と思う。
◆◆◆
毎日が重苦しい。
そんな9連敗中のチームを、勇気づける一振りだった。
初球高めのスライダーを振りぬいて、
ボールが、一直線にレフトスタンドへ飛んで行く。
2回裏の先頭バッターが下山。その初球。
迷うことなく、スイングした。
ダイヤモンドを一周する間、
彼の体が発する”メッセージ”が、球場全体を覆う。
明確な、勝利への意志
どんな言葉より、説得力をもった、ホームランだった。
◆◆◆
誰かが、ホームランを打った瞬間、
を撮ったのは、初めてではない。
だけど、どの時よりも、強い”予感”を感じていた。
信じがたいハナシかもしれないけれど。
この打席、初球から、
迷うことなく、シャッターを押していた。
正直、この瞬間までの、私の心情を、どう説明したら良いのか。
何から、どう書けばいいのか、わからない。
連敗中のチームのことを、誰よりも”何とかしたい”と思い、
”自分なら、何とかできる”とイチバン信じていたのは、
下山自身かもしれないな。
◆◆◆
この前日、5/16の試合の9回裏に見た、
彼の姿が、試合後も、ずっと頭から離れなかった。
9回裏、スコアは、2-7。簡単にツーアウトとなった後、
坂口選手がヒットで出塁。続く下山、フルカウントからレフト前ヒット。
さらにラロッカにタイムリーが出て、1点を返し、彼が3塁に到達。
ハム3連戦は、ずっと3塁側内野・サードベース後方の席(言わずもがな○○シート!)
に座っていて、ライトの守備位置や、打席は遠かった。
近くに来て、はじめて、わかる。
何なの、下山の発するエネルギー量!
それをオーラというのか、何というのかわからないけれど。
見た瞬間、私は、のけぞった。
気のせい? 意識しすぎるあまり、状態が良く見えるのか。
とにかく、満ちているのだ! 生命力に満ちあふれている。
明日は、かなりの確率で、やられてしまう。
ハムが勝ったことも、一輝選手がノーヒットだったことも、
下山の姿を見てしまったことで、ふっ飛ぶ。
(いや、ちゃんと覚えているのだけれど、それ程に強烈な印象だった)
まいったな。気持ちが、こんなにも、支配されるなんて。
一夜明けて、5/17の朝、5/10以来、見てなかった、
シモヤマンブログを、久しぶりに見る。
「球場に7時に着いちゃいました」
という内容を見て、あの時感じた、
下山のエネルギー量の凄さは、
見間違いではなかったのだ、と確信する。
何が何でも、やってやる! 気持ちなんだ。これは、普段の状態じゃない。
ハムバッテリーは、心してかからないと、大変なことになる。
と、そこまで思った。
(楽観論で、きっとハムは、それ以上に打つ! とも思ってたけれど)
◆◆◆
マイナスの感情を、プラスの結果に転じる。
下山の野球人生は、その繰り返し、なのかもしれない。
近いところでは、5/4(連敗前の最後の勝利)のソフトバンク戦。
4-5、1点ビハインドの場面、二死ランナー三塁で、
直前の打者の、大村選手が、
あからさまな敬遠(キャッチャーが立っての)で、
歩かされる。
これに怒った下山が、逆転のスリーランをかっ飛ばす。
”小学生のときから、チームの中心打者だったから、
前のバッターが敬遠されたことがあまりなくて、
とにかく悔しかった”
これは、ブログのコメント。
ニュースで見て、”そうじゃないよ、下山”なんて、思った。
ソフトバンクのロー投手は、右投げで、大村さんは左打者。
1・3累なら、1塁と2塁はフォースプレーで、守りやすいし、
それで、右打者の下山と勝負するのは、アリでしょう。
でも、前の2打席で凡退した悔しさがあったのだろうな。
周りのファンが思う以上に、
前の打者が敬遠されたことに、燃える下山。
なんか、打席で、涙目になってるんだけど?
”普通の状態じゃない”、
いわゆる、怒りモードのスイッチが入った状態で、
尋常ではない気迫で、打席に立つ。
その気迫が呼び込んだのか、甘い球が、ど真ん中に来た。
それを仕留めるのは、難ないこと。
一発かまして嬉し泣きする、下山。
そういうところ、あるよな……とにかく、アツイ。
ピンチになったとき、ものっすごい感情のエネルギーを放出して、彼は打つ。
打ってしまう。
〔かなり古い写真(笑) 1997年10月、今はなき日生球場のスコアボード
R大の4番に下山、3番に阪神の葛城、投手はオリックスの大久保
近大には、楽天の藤井捕手と二岡さんが〕
ファイターズファンの管理人のブログで、なぜシモヤマン?
と思った、読者の方には、こちらのバックナンバーを。
(キャンプレポート&過去の話のリンクあり)
シモヤマバナシ
二十歳の頃から、私にとって、下山選手は、”凄いバッター”だった。
3年生春のリーグ戦で首位打者に輝く。
”ウチの4番は凄いんだから”と、いつも誇りに思っていた。
彼がレギュラーとなった、ハタチの春。
ものすごい、活躍をして、チームを優勝に導く。
その前年の秋に、お父さんを亡くしている。(私は卒業した後に、その事実を知る)
その悲しみの感情も、
野球を頑張ることに、転化させたのだろうか。
5/17の試合に戻って。ホームランの後の打席、ツーベースを2本。
計3打点の活躍があって、
久しぶりの勝利と、ヒーローインタビュー。
”予感”は、当たった。
野球選手としての下山と、初めて接した、5月の日生球場を思い出す。
人との出会いは、その瞬間だけのことではない。
その人が今まで何をしてきたかという”過去”と、
その先にある”未来”にも、同時に出会っているのだ。
ハタチの春、私は、この未来にも、出会っていたのだ。
これは、本当にスゴイことだ……
ハムとオリックスの対戦、次は、8月までない。
真夏の東京ドーム3連戦。
ビッグ4が戻ってきてることが予想される8月。
よりにもよって、東京ドームか。
”肝試しチケット”(=シーズンシート)が手元にはある。
度胸があれば、観に行くかも?
コメント
コメントする