ma34 さん作の「沼男は誰だ?」を自分が回し易いようにイベントやNPC等を付け加えたもの。
割とシナリオ本体の情報量が少ないのでこれから回す人の参考用。
下記リンクはシナリオ作者様の動画とシナリオ本体へのリンクです。描写等も動画を参考にさせていただいている部分があります。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm19247241
推奨技能:多分ない。強いて言うなら回避
推奨人数:3~4人
難易度:ロスト率べらぼうに高し 。半分生き残れたら万々歳
さようなら「」、ありがとう。私はこの瞬間を、永遠に忘れないだろう
残酷な現実に直面したあなたが選ぶ選択は、一体どちらなのだろうか
<以下シナリオ本体>
「沼男は誰だ?」自分用
推奨技能:多分ない。強いて言うなら回避
推奨人数:3~4人
難易度:ロスト率べらぼうに高し
★特殊ルール
継続探索者も居るため、スワンプマンとの1:1接触によるスワンプマン化、スワンプマン化による蘇生ルール、母体能力の継承を採用
・スワンプマン化
PCはスワンプマンと二人きりで接触した場合、スワンプマンになる。PCはそれに気づくことはできない
スワンプマン化の際は秘話でぼやけた描写をする(一瞬意識が暗転した気がした、など)
スワンプマン化した探索者は二度と人間に戻ることはできない。探索者としては実質ロストした扱いとする。もちろん人間の探索者と二人きりになれば本能的にその探索者を捕食することになる。
※スワンプマン化させられるスワンプマンにAやYは含まれない。AやYは探索者を捕食しない
※探索者が単独行動を行った場合、d100ロール判定や、F処理により無自覚なスワンプマンと接触する可能性がある。
※スワンプマン接触時にはd100ロールによる判定を入れるといいかもしれない。50以下で非接触50以上で接触。
※導入の過程でどうしても単独行動を余儀なくされる探索者が出てくるかもしれない。公平を保ちたい場合はスワンプマンと接触する可能性は「導入以降」にするべきだろう
・スワンプマン化による蘇生
死後ゲーム内時間で一時間内にYと接触することができれば、その探索者はスワンプマンとしてシナリオに復帰することができる(捕食してもらうことによるスワンプマン化)。もともとスワンプマンの探索者はこの方法で蘇生出来ない。※スワンプマンは共食いが出来ないため。キーワード項目参照 スワンプマン化による一時的な蘇生であるため、この時点で探索者としてはロスト。また母体を殺すことでもただの肉塊となりロスト。
・「母体」能力の継承
あまりにFを連発するようならこの処理を行ってもいいかもしれない。既にスワンプマン化したPCに母体の能力、すなわちスワンプマンの捕食と増殖を無意識に指示する能力を継承させる。これにより母体を殺したとしてもそのPCを殺さなければスワンプマンの増殖は止まらない。この情報は母体やナイア、白峰藤Sの口から語らせてあげること。
★SANCについて
特に記述していない部分が多くある。KPは、探索者が真相に近づくたびに、冒涜的な物品を発見するたびに、また、失敗作である肉塊やティンダロスの猟犬対峙する度にSANCを入れる。減少量や慣れの適用、頻度などは探索者の状態によって調節する。なるべく、最後まで到達させ真相にたどり着けるようにすること。
★導入 (探索者達が合流後、共通して遭遇する事件)
①医者、臨床心理士、探偵、ディレッタント、教授、弁護士、芸術家など
探索者のひとりの元に白峰藤という人物が訪れる。彼女は探索者の(旧友、知り合い、依頼者)である白峰一護の妻を名乗り、自分の屋敷へ誘い出す。知り合いの探索者なら<アイデア>で白峰一護について次のような人物だということを思い出せる
・白峰一護はお金持ちのボンボンで、屋敷のような大きな家に住んでいる
・絵や美術品を集めたり絵を描くことが趣味で時折個展を開いたりしている
・ここ数年ほど連絡が取れない
白峰藤は小柄で大変美しい容姿をした女性だ。肩のあたりまである銀色の美しい髪が揺れている。表情の変化に乏しく冷静沈着な印象を受ける。道中、白峰一護についての話が聞けるだろう。
・夫である白峰一護は心優しい人物で、大学時代に出会って以来、ずっと自分のことを大切にしてくれていた。
・しかし、最近どうも様子がおかしいところがある。ぶつぶつとつぶやいたり何かに怯えるようなそぶりを見せたり、指先を噛みちぎったり
・私にも話しかけてくれなくなってしまった。時々ゴミ捨てや掃除などを言いつけられるくらい。探索者と話すことで少しでも気持ちが楽になるといい
・絵を描いたり個展を開いたりすることもなくなり、部屋に引きこもっていることが増えた
<心理学>を求められれば彼女が心から夫である白峰一護を心配していることが分かる。失敗すると表情に乏しいためか何を考えているのかいまいちわからない。ファンブルすれば何かを隠しているように見えるかもしれない。クリティカルで夫の様子がまるで普通ではないこと、まるで何かにとりつかれているようだと思っていることが分かるかもしれない
※屋敷に呼ばれる理由
・白峰一護の様子がおかしいから診に来てくれ(医者、臨床心理士PCなど)
・白峰一護がどうしても探索者に頼みたいことがあるらしい(探偵PC、弁護士PCなど)
・白峰一護が新しい美術品、紅茶などを手に入れたからぜひ鑑賞、賞味してほしいとのことだ(ディレッタント、芸術家など)
②警察、探偵、ジャーナリストなど
探索者は現在とある事件を追っている。それは「血の池事件」という不可思議な事件だ。それは数か月前から起こっている怪異である。ひと月に四回か五回程度と頻度は多くないが、街中で突然、血だまりができる。不思議なことに血だまりが発生する瞬間を見たものは誰もいない。<オカルト><図書館><コンピュータ><知識1/2>ロールなどを求められれば<資料① とある掲示板の書き込み>を出す。警察関係者であれば警察の資料をあさったりすれば<資料② 警察捜査資料「血の池事件」>が手に入る。事件を追う過程で探索者は池尾公園に向かうことになるだろう。池尾公園は各種遊具、公共トイレ、ベンチ、ポスト、ゴミ箱などが設置されている普通の公園だ。池尾公園ではゴミ箱の中、あるいはポストの横から「白峰家宛の手紙」を見つけることができる。中には便箋が一枚入っている。内容はしばらく連絡が取れない白峰一護を心配するもののようだ。関係ある職業であれば<知識1/4><アイデア1/4><法律*2>、白峰一護について調べると宣言された場合は<図書館1/2+幸運><図書館+コンピュータ>などで白峰一護という名前が人身売買の買い手として手配されている男の名前と同じであることに気が付く。手紙には住所が書かれている。探索者をその住所の場所へと向かわせること。
③その他の職業
探索者は街を歩いている、もしくは車や自転車で走行している。すると探索者の目の前に突然女性が飛び出してくる。車や自転車に乗っていた探索者は驚いて乗り物を止めるだろうし、歩いていた探索者は突然飛び出してきた相手に驚くことだろう。女性は白いワンピースを着た小柄な女性だ。容姿は大変美しく、銀色の髪を肩のあたりまで伸ばしている。彼女は無表情に、しかしひどく焦った様子で探索者たちに話しかけてくる。
・ここはどこ、なんで私はこんなところにいるんだ
・早く家に帰らなければ。早く帰って、探さなければ
・お願いだ、私を家まで連れて行ってくれ
・礼ならいくらでもする。今はどうしても家に帰らないといけないんだ
<心理学>で彼女がひどく焦っていることが分かる。<目星>をすれば屋外にもかかわらず靴を履いていないことに気付くだろう。そのことを問い詰めてもわからない、気づいたらここにいた、と明確な答えが返ってくることはない。彼女は探索者に白峰一護という男の屋敷へと連れて行ってくれと頼み込んでくる。断っても探索者がOKするまでひたすらに頼み込んでくるだろう。探索者は彼女に頼まれるがままに伝えられた住所の場所へと向かうことになる。
★白峰家屋敷
招待された屋敷で、①導入の探索者は白峰一護と接触する。白峰一護は魔術によりその探索者にマーキングを施す。そのマーキングを追ってきた、正体不明の化け物《ティンダロスの猟犬》に、探索者は襲われることになる(イベント①)。
同刻。②、または③導入の探索者と共に白峰藤とまったく同じ姿をしたスワンプマン(白峰藤S)が屋敷を訪れる。彼女は、すさまじい怪力を行使し、白峰藤を殺害する(イベント②)。
各探索者がここでうまく合流するように調整すること
★屋敷内共通の情報
屋敷は洋風の作りをしていて、靴のまま上がって良いタイプの家だ。
<目星>か<アイデア>に成功すると室内の部屋の角や棚の上などに芳香剤やハーブがおいてあることに気がつく。
また、屋敷に足を踏み入れると、屋敷内になんともいえない悪臭が漂っていることに気づく。腐臭に近いような、非常に不快な臭いだ。
①導入の探索者
探索者は屋敷に到着すると、まずは客間へと通される。客間にはテーブルとソファ、棚がいくつかあるくらいの小さな部屋だ。棚の上には男女が写った写真が飾られている。白峰藤は探索者をそこで待たせて夫の様子を見に行った後、アトリエで待つ白峰一護の元へと探索者を案内する。
屋敷内に<目星>か<アイデア>で絵画の収集が趣味であったにもかかわらず、室内に一切絵画や美術品が飾られていないことに気がつく。そのことについて白峰藤に問えば、急にお金が必要になり全て売り払ってしまったのだと教えてくれる。
(※スワンプマンの研究のための資料を集める費用を捻出していた)
☆イベント① 白峰 一護との接触、ティンダロスの猟犬との邂逅
「…夫はこの部屋の中で待っている。どうか、よろしく頼む。」
彼女は悲痛な面持ちでそう言うと、あなたに向かってぺこりと頭を下げた。その表情には妻である自分の力が及ばないことへの悔しさや悲しみのようなものが垣間見えた気がした。あなたはそんな彼女に見送られ、目の前の扉を開けて中へと入る。
…そこは、普通の洋館の一室のようだった。しかしあなたはそれが部屋だと認識するまでに、少し時間がかかることだろう。それもそのはずだ、その部屋はまるで「角」という概念が消失してしまったかのように全てが曲線でできていたのだから。部屋の中には曲線でできた暖炉、曲線でできた壁、そして曲線でできた椅子に座った、一人の男がいた。男の前には、丸いキャンバスが置かれ、そこには布がかけられている。男は曲線でできた絵筆を手の中で弄びながら顔を上げ、濁った瞳であなたの方を見た。
「…ようこそ私の屋敷へ。お待ちしていました。…ああ、驚かせてしまいましたか。すみません。少し事情がありまして、このような様相になっているのです」
「…ところで(探索者)さん。あなたは命について、考えたことはありますか?」
「命とは儚いものですな。ずっとそばにいてくれると、信じて疑わなかったはずなのに…それはある日突然花のように散ってしまう」
「どんなに愛し合っていても、離れないと誓っていても…ずっと一緒にいたいと願っていても」
「それはこちらに予想すらさせない、覚悟すらする暇もなく訪れるものなのです」
「考えたことはありますか…?突然失われる喪失感と絶望と…そして、」
「再びそれを自らの手で復活させる方法を見つけた時のこの高揚感を…!」
「タブーや倫理感なんて、そんなものは些細なことなのです!もう一度触れることができる、会話をすることができる。…その尊さに比べれば…!!」
彼は、椅子から腰を浮かせながら濁った瞳を興奮で瞬かせる。あなたの言葉など届いていないかのように一方的にまくし立てると、再び椅子に腰を下ろした。
「…私は藤をもう一度この世に復活させる方法を探し回りました。幸いなことに時間と金はいくらでも用意することができましたので」
「禁忌と呼ばれるような知識も書物も、そしてその儀式に必要な技術も道具も。すべて手に入れることができました」
「そして私はついに見つけたのです。藤を、もう一度この世に復活させるための方法を」
「今はまだ失敗作しか作れませんが…きっとこの屋敷の外に出てもっともっと知識を、技術をまかなえば」
「何度も何度も試行錯誤を繰り返せば、きっと完璧な藤を…藤をこの世によみがえらせることができるはずなのです…!」
「…失ったものも多々ありますが、それもまた些細なものですな」
「ああ、すみません。前置きが長くなってしまいましたな。本題に入りましょう」
「あなたには是非、私のお手伝いをして頂きたくて…ここにお呼びしたのです」
そう言うと、彼はゆっくりと立ち上がり口からぼそぼそと言葉をこぼす。それは、あなたが今まで聞いたことのないような言葉の羅列だった。どこの国の言事も一致しないような不快な旋律。彼はぼそぼそとつぶやきながら、キャンバスにかかっていた布を取り去った。そこには何が描かれていたのだろう、それを認識するより前に、あなたの左手の甲に焼け付くような激痛が走った。見てみればあなたの手の甲には見たことのない模様がタトゥーのように刻まれていた。それは円がいくつか重なった、まるで戦闘機の照準のような模様だ。
「藤を復活させる過程で怪しい本をさんざん読みまわっていたら、妙な生き物に追われてしまいまして、困っていたのです」
「そこで、あなたをお呼びしました。私の代わりに、その生き物に追われるようマーキングを施すために」
「運が悪かったですね。私の代わりになる人間なんて誰でも良かったのに、優しいあなたはこうして私の前へと来てくれました。」
「ありがとうございます(探索者)さん!精々、私の代わりに頑張って逃げ回ってください。ご武運をお祈りしております」
「あははははハハハははハハハハハハ!!!!!!!!」
彼はそう言い残すと、布が取り去られたキャンバスをおもいっきり蹴り飛ばして、部屋を駆け足で出て行った。
壁にたたきつけられたキャンバスはあっけなく破壊される。そのキャンバスの破片は、床に散らばりシュウシュウという音を立てた。それとともにあなたはとてつもなく嫌な予感を感じる。やがてその破片の鋭角から不浄の生物が姿を表した。同時にまるで死体安置所のような強烈な腐臭があなたの鼻腔を刺激する。長い舌のような器官を伸ばし、青くどろどろとした液体を滴らせながらそれはあなたの方を見た。そこにあるのは明らかな敵意。その不浄の生物の姿はゆらゆらと揺らめき、あなたの目に明確に映ることはない。ただただあなたの脳内を占めるのはそれから逃げなければ、という本能的な恐怖のみだ。SANC 1d3/1d20
※発狂した場合は固定でパニック状態で逃げ出すにするとよいかも
※扉から出るまでに1Rかかる。その間にティンダロスの猟犬は前脚か舌で一度だけ攻撃してくる
ティンダロスの猟犬
STR:18 CON:30 DEX:14 SIZ:11 POW:17 INT:16
HP:21 DB:1d6
攻撃→1d6を振り1-4なら前脚、5-6なら舌で攻撃してくる
前脚:90% 1d6+db+POT10との対抗失敗で1d6のダメージ
舌:90% 1Rに1d3のPOWを吸収
☆マーキングを施された探索者が白峰藤Sと共に居ない場合、場所を移動するごとに出現する。もしくはF処理。
無事逃げ出せた探索者は導入②③の探索者と合流する
②導入の探索者
探索者は手紙の住所を見てこの屋敷へとやってくる。屋敷は住宅街から離れたところにあり周囲は非常に静かだ。外観は綺麗に手入れされているように見える。玄関にはインターホンがある。何度かインターホンを押すと、パタパタと足音が聞こえて扉が開けられる。そこに立っていたのは美しい容姿をした一人の女性だった。彼女はあなたを見るとコテンと不思議そうに首を傾げる。探索者が手紙を見せれば、彼女は届けてくれたことに礼を言う。事前に白峰一護の正体について情報を掴んでいた探索者がそのことについて問い詰めても何のことだと首をひねるばかりだ。彼女はとりあえず家に上がってくれと探索者を客間へと通す。
「…?今日は来客の予定なんてあったか?…どちら様だろうか」
「何の話だ?白峰一護はたしかに私の夫だが…」
「立ち話も何だ、とりあえず上がってくれ。紅茶と茶菓子くらいなら出す。」
「…いま主人は取り込み中なんだ。話をするならあちらの用が終わるまで少し待ってはくれないか」
客間につくと彼女は紅茶と茶菓子を出してくれる。白峰一護について聞きこみをすれば導入①の時と同じように彼の話をしてくれるだろう。しばらくすると、再びピンポーン、とインターホンが鳴る。(導入③の探索者と白峰藤S達がやってくる)
彼女は「今日はやけに来客が多いな…」とぼやきながらも玄関へと向かうだろう。探索者は追いかけても追いかけなくてもいい。追いかけた場合はイベント②が発生する。
③導入の探索者
探索者は彼女に言われるがままに告げられた住所に向かう。車でも公共交通機関でも。
その間に彼女と話をすれば色々と聞くことができるだろう。探している人の名前や屋敷の住所なども教えれば話してくれるが、自身の生い立ちについては話したがらない。
<心理学>
生い立ちについて聞かれた彼女の中に悲しみが見えることがわかる。何を探しているのか聞かれている時は、彼女の中に強い決意があるように思う。どうしても諦められない何かがあるのではないかと感じる。
Q:名前は?
A:「白峰藤…藤、という名前だ」
Q:なんで裸足でいたのか、どこから来たのか
A:「わからない。気づいたらあそこにいて、あなた達なら助けてくれると思った。だから飛び出した」
Q:何を探しているのか
A:「私の大切な人だ。早く探して話をしないといけないんだ」
Q:お礼に何をしてくれるのか
A:「ああ、そうだな。私のお願いを聞いてくれたなら、出せるものはすべて出す」
到着すると、そこは大きめの屋敷だった。住宅街から離れたところにあり周囲は非常に静かだ。外観は綺麗に手入れされているように見える。玄関にはインターホンがある。何度かインターホンを押すと、パタパタと足音が聞こえて扉が開けられる。そこに立っていたのは美しい容姿をした一人の女性だった。
白峰藤と接触したことによりイベント②が発生する。
☆イベント②白峰藤Sの襲来
玄関の扉が開き、そこにいた二人が対面する。まるで鏡のように、そこには同じ顔の人物がいた。二人が全く違う表情を浮かべていることから、君たちはそれが鏡に映ったものなどではないことを知るだろう。
「…え、…え?」
「…やっぱりここにいたのか。ただいま。」
扉を開けた体勢のまま固まっている「白峰藤」に、『白峰藤』はにっこりと微笑みそう告げた。すると、とたん彼女に変化が現れる。扉の外にいる『白峰藤』の手が、みるみるうちに膨らみ巨大な臙脂色の肉塊へと変質していく。内臓をより集めたかのようなそれはみちみちと粘着質な音を立てながら集合し、巨大な「槌」のような形状へと変化する。彼女はそれを、全く重さを感じさせない動作で振り上げると、そのまま目の前の「白峰藤」に向かって振り下ろし…叩き潰した。彼女は巨大な肉塊にあっけなく押し潰される。周囲は彼女からはじけ飛んだ血液と臓物で真っ赤に染まった。あなた達は押しつぶされた彼女からすさまじい激臭がすることに気づくだろう。(屋敷に一度でも入った探索者はそれが屋敷の中に漂う悪臭と同質の臭いであることに気がつく。また、潰された白峰藤と距離が近かった場合押しつぶされた彼女の肉片を被ってしまうかもしれない。その場合、付着した肉片からすさまじい悪臭がすることに気づく)とてもいま殺されたばかりの死体とは思えないような臭いだ。そして、押しつぶされた「白峰藤」は、それでもなお蠢いていることに気づく。押しつぶされた際に体外に飛び出た臓物を周囲へとまるで助けを求めるかのように伸ばす。まるで生きているかのように脈動し、蠢く「白峰藤」だった肉塊。
「…ごめんな。見つけるのが遅れてしまった。もっと早くこうしていれば、悲しませることはなかったはずだったんだが。」
「イ…ちご…いチ…ゴぉ…」
「…もういいんだ。お前は「白峰藤」じゃない。ゆっくり休んでくれ」
彼女はそう言うと、目の前の彼女に向かってもう一度巨大な肉塊を振りかざした。
<シークレットでその場に居る全員の目星>に成功した探索者には以下の描写
あなたは再びそれが振り下ろされる瞬間、「白峰藤」だったそれがまるで声帯と口のような器官を即行で作り出し、白峰一護の名前を呼んでいることに気づく。しかし、その名前が発声されようとする前に彼女は再び叩き潰された。
叩き潰された「白峰藤」だったそれは、未だ脈動しその臓物を周囲に伸ばすように蠢くと、その動きを止める。臓物が完全に沈黙したことを確認した白峰藤の右手はみるみるうちに元の人間の手へと戻っていった。周囲には悪臭が漂い、目の前の潰れた臓物が非日常へ足を踏み入れてしまったことを無理矢理にでも認識させることだろう。SANC 1d3 /1d10
彼女は扉の向こうの白峰藤を叩き潰すと、探索者に向かって声をかける。
逃げようとする探索者がいる場合はDEX11との対抗
もし一人で逃げ出してしまえば、無自覚なスワンプマンと出会ってしまうかもしれない。
「…さて、すまない。あまり気持ちよくない光景を見せてしまったな。」
「お願いばかりで申し訳ないんだが…私の話を聞いてはもらえないだろうか。」
「すまない、乱暴をしたくはないのだが…逃げられると力を込めてしまうかもしれない。」
協力を拒んだ場合、白峰藤Sはそれを不快に思い、探索者たちを殺そうとする。壁ドン、何かを破壊する、触手を見せるなどして脅すといいかも。それでも拒む場合は探索者に向かって触手の塊を振り下ろす。<回避>に成功しなければ潰されて死んでしまうだろう。
彼女は探索者を連れてリビングへと向かう。そこで探索者たちに白峰一護の行方を知らないかと尋ねる。導入①の探索者が逃げたことを伝えても、彼の行方など知らないと嘘をついてもいい。とにかく白峰一護がこの屋敷から逃げたことを知った白峰藤Sは探索者たちに彼を探す手伝いをしてくれとお願いしてくる。この後は各自自由行動となる。探索箇所としては白峰一護の屋敷、またそこから得た情報で、ブローカー宅やナイアへの連絡を試みるかもしれない。進行が止まるようなら時を見計らってナイアと接触させること。
※マーキング持ちや単独行動、スワンプマン化している探索者の行動に注意しティンダロスの猟犬との接触、スワンプマン化ルールを忘れずに行うこと
白峰藤Sは探索者の指示がなければ自由行動を取る。その際、倉庫から灯油とチャッカマンを持ち出し地下の肉塊を焼き尽くそうとするかもしれないし、それが済めば探索者たちに料理を振る舞ってくれるかもしれない。
白峰藤S
STR:62 CON:30 DEX:11 SIZ: POW:17 INT:18 APP:18 EDU:6
HP:21 DB:1d6 アイデア 90幸運 50知識 30SAN 50
技能
人体改造/99
聞き耳/50 製作(料理)/40 値切り/26 クトゥルフ神話/25
再生/死亡しない限り1Rにつき2P回復※ただし、燃焼によって与えられたダメージは回復
※彼女の行動理念
①白峰一護に会って自分の存在を認めてもらう
これこそが彼女の一番の目的であり行動理念である。彼に会って認めてもらう為ならどんな手段でも厭わない。また、本能的にとは言えある程度理性を持ったスワンプマンであるためスワンプマンと人間とを見分けることができる。白峰一護と接触した時点で彼がスワンプマンであることに気づいており、探索者が母体を殺そうとしたり、彼を殴ろうとした場合は必死になって止めようとする。彼女を納得させるような答えを出したりすればまた別かも知れない。
彼女自身心の何処かでスワンプマンとなった自分が本当の白峰藤にはなれないということに気づいているのかもしれない。失敗作として彼に捨てられてもなおこうして人の形を作り彼に認めてもらうことを求めて探索者を巻き込み一途に探し続けるのだ。
☆タイミングを見て、彼女の口から沼男の思考実験について語らせるといいかもしれない。思考実験については最終項を参照。
☆彼女に対して存在を否定するような発言、白峰藤ではないなどの発言をした場合、激昂する。精神分析などで落ち着かせないかぎり、会話すらできないほどに取り乱す。
☆彼女に優しく接している探索者がいる場合、時期を見て下記のようなイベント?もどきを突っ込んでもいいかもしれない
「…私は、なんのために生まれてきたのだろうか。」
「始めはただの肉塊だった。白峰藤の代わりとして作られたこともわかっている。私が本物の彼女ではないことも。」
「…出来損ない、として生まれた私は…このまま生きていてもいいのだろうか」
「すまない、変な話をしてしまった。忘れてくれ」
☆探索者たちが優しい言葉をかけてくれるなら、彼女は軽く目を見開いた後、うっすらと笑顔をみせてくれるかもしれない。彼女は善意には善意で返す性格をしているため、今後探索者に有利になるような働きかけをするかもしれない。
②自分以外の白峰藤の形をしたスワンプマンを殺す
導入①の探索者が出会った白峰藤を始めとした、地下の人の形を取れない失敗作たちに至るまで殺しつくそうとする。その根底には自分は確かに完璧な白峰藤であるという考えがある。その他の白峰藤たちは実験の過程で生まれた本物の白峰藤になることが出来なかった哀れなスワンプマンだと思っている。彼女はそれらを殺戮し尽くすことで自分のみが白峰藤であろうとするとともに、無自覚に失敗作として生まれてきてしまった他の白峰藤をこの世から開放しようとする。
★施設の情報
○白峰一護の屋敷
二階建てで屋根裏部屋と地下室がある。
<2階>
・白峰一護の部屋
ベッドと机が置いてある。本棚には大量の本がぎっしりと詰められている。
☆本棚
<図書館>や<目星>で美術関係の本に混じって自己啓発本や宗教関係の本が入っていることがわかる。
☆机
机の上には何も乗っていない。引き出しを開けると一冊の日記帳を見つける。
資料③ 白峰一護の日記を参照
日記帳を読んだ場合、一番最後のページに材料調達(ブローカー連絡先)という言葉とともに住所が書かれていることが分かる。
☆ベッド
シンプルなベッドだが長らく使われていないような印象を受ける
・白峰藤の部屋
綺麗に片付けられている。部屋の大きさとしては白峰一護の部屋と同じくらいだろう
・資料室
大量の本と紙やよくわからない物品で溢れかえっている。ここを調べるには骨が折れそうだ。
<図書館>
様々な国の言語で書かれた本がある。その中で比較的読みこまれているドイツ語と中国語の本を見つける。
※無名祭祀書、フサンの謎の七書を見つける事ができる。
「無名祭祀書」
<ドイツ語>でタイトルや中身を読むことができる。
恐ろしい挿絵が入っている。完全に読むためには52週間を必要とする。
半日かけて斜め読みすれば生命の復活や、様々な神と接触する方法が書かれていることが分かる。斜め読みをした場合は1d4/2d4のSANを消失するとともに<クトゥルフ神話技能>に+1%
52週間かけて完全に理解した場合各種呪文と<クトゥルフ神話技能>+14%を得るとともに1d8/2d8のSANを消失する。
「フサンの謎の七書」
<中国語>でタイトルや中身を読むことができる。
七巻の巻物になっていて完全に読むためには40週間を必要とする。
半日かけて斜め読みすれば生命の復活や、不浄の獣についての記述が見られることがわかる。斜め読みをした場合は1d2/1d4+1のSANを消失するとともに<クトゥルフ神話技能>に+1%
40週間かけて完全に理解した場合各種呪文と<クトゥルフ神話技能>+7%を得るとともに1d4/1d8のSANを消失する。
<目星>
絵が落ちているのを見つける。何が描かれているのかはよくわからない、あまり見ていたくないと感じるだろう。更に<目星>で絵の隅に「pickman」と署名がされていることに気づく。
また、円筒状の容器を見つけるかもしれない。金属のような素材で出来ていて、中には何かの液体が入っているようだと感じる。無理やり開けてみると粘っこい液体が入っている事がわかる。消火液の代わりになる。
◎地下室
ひとの形になれなかったスワンプマンの肉塊が、絶えず白峰一護の名前を呼んで蠢いている。
それは天井に、壁に、床に肉塊の手を伸ばし、這いずりまわっている。顔どころか人としての形など取っていないそれらは、地下の扉を開けられると即興でまるで声帯のような器官を構築し「イ…ちゴ…いちゴ…いチご…」と白峰一護の名前を呼びながらあなたの方へと肉塊を伸ばしてくる。助けを求めるかのようにそれらは白峰一護の名前を呼びながら蠢いている。姿を確認しようとしたのだろうか、それらは声帯のみならず目のような器官までもを作りだしあなたの姿をとらえた。
SANC 1d3/1d10
地下室の肉塊たちは、白峰藤Sを自由行動とした場合彼女によって焼き払われる。彼女は意識も記憶もあるのに肉塊のまま存在するのはあまりにも残酷だと知っているので、そこから開放するために行う行為である。
◎屋根裏
血だまりがある。白峰一護が捕食の下手な白峰藤型スワンプマンに捕食された跡
明らかに致死量の血液量だ。SANC 0/1
アイデアでまるで血の池事件の現場のようだと思うかもしれない。
血液鑑定等を行った場合は白峰一護のものと一致する。
それ以外の部屋には特にシナリオに関係のあるものはないが状況に応じていろいろ出現させること。
○ブローカー宅
古びたアパート。とてもヒューマンショップを経営しているとは思えない寂れた出で立ち。
インターホンを押せばドアチェーンが付けられた状態で中から女性が顔を出す。彼女はとても警戒心が強く、相応のRPや言いくるめ1/2に成功しなければ中に入ることすら出来ない。無理矢理押し入ろうものなら戦闘になる。
部屋の中にはPCがあり、そこにはヒューマンショップの顧客名簿が入っている。顧客名簿は<コンピュータ>に成功することで取り出すことができる。彼女の意識をそらすか、倒すか、気絶させるかでもしないかぎりPCには近づくことすらできない。
顧客名簿には「白峰一護」の名前と、過去に何人かの女性を売買した記録が残されている。また、電話番号や住所に混じって「PASS:234256」と書かれているのを見つける。
※白峰一護の潜伏先である井戸の奥にある扉を開けるためのパスワード。
22^4(し(4)らみね ふじ(22))特に深い意味は無い
また、彼女に尋問すれば白峰一護が井戸の地下に潜伏していることがわかる。彼女は比較的常識的な思考をしている。相応のRPや適切な技能で潜伏先の情報を開示すること。
○白峰一護の潜伏先
白峰一護の屋敷の庭にある井戸の中に存在する。地下室より深い位置に存在する大きな広間。壁や床、天蓋を蠢く肉塊が覆っている。そして、部屋の中心には透明なキューブが白峰藤の頭を浮かべて鎮座していた。部屋の奥にはさらに下へ階段が続いている。
○母体の部屋
階段を降りた先にある、蛍光灯で照らされた小さな部屋。中央には椅子が置かれ、そこに大変美しい女性が一糸まとわない状態で座っている。
★事件の真相、結末。
当然、探索者はスワンプマンの存在を知れば、それを脅威とみなすだろう。しかし、手帳の情報やナイアの話から彼らの増殖を止めるには、母体を殺し彼らを滅ぼす以外の方法がないことを知る。スワンプマンの中には、探索者の家族や友人や知人が含まれているかもしれない(幸運ロールで決定してもいいかもしれない)。行動によっては探索者自身がスワンプマンであるということもあり得る。スワンプマン化していた場合、母体の前に来た段階で、あるいは白峰藤S自身の口からタイミングを見計らって語らせる。スワンプマン化した探索者と共に行動した探索者もスワンプマン化するため、KPは現時点で誰がスワンプマンと化しているのかを把握しておくこと。
☆イベント③ブローカーとの一悶着
白峰一護の部屋にあるブローカー宅の住所を元に訪れると発生する。
あなた達がそのボロアパートのインターホンを押せば、しばらく沈黙が続いた後ガチャリ、と扉が開かれる。ドアチェーンが付けられた扉越しに顔を出したのは、比較的美しい顔をした一人の女性だった。彼女は意志の強そうな瞳であなた達を見ると、怪訝そうに声をかける。
「…誰だ。客か?」
「違う?なら何の用だ。」
彼女は訝しげにあなた達を見る。あなた達の事をかなり警戒していることがすぐに分かるだろう。
※白峰藤Sとともにいる場合
「…その女は?いや、まさか…」
彼女は白峰藤を見ると、目を見開き何事か考えこみ始める。しばらく思考を巡らせた後、あなた達の方へと向き直る。
「…いや、だとしたら……面白い。…なあ、君たち。取引をしないか」
「その女を渡してくれ。その代わり、君たちが望む情報は何でも渡そうじゃないか」
「おや?知らないのか?その女…白峰藤は既に死んでいる。数年前だったか、事故にあったと聞いているよ」
「死んだというのに全く同じ顔をした女がそこに存在しているんだ。実に面白いじゃないか」
「それにその女は見た目も美しい。きっといい商品になると思うんだ。」
「ふむ…どうしても嫌だというなら仕方ない。力づくで渡してもらうしか無いな。」
彼女はそう言うと、あなた達の方へと笑みを浮かべながら襲いかかってくる。
☆イベント④ナイアとの接触
時期を見て接触させる。屋敷に尋ねさせてもいいし、街を歩いている時に接触させてもいい。白峰藤Sと一緒に居ない時に発生させると楽かも
探索者の前に、ふらりと一人の男性が現れた。彼はニヤニヤと底の知れない笑顔を浮かべながら君たちに声をかけてくる。
「…やぁ。こんにちは。…嫌だな、そんなに警戒しないでくれ。危害を加えるつもりはない」
「僕はナイア。怪しい者じゃないから安心してくれ。」
「君たち、面白いものを連れているじゃないか。是非それについて話がしたくてね」
「迷っているんじゃないか?そのスワンプマンをどうするのか。」
「スワンプマンかい?おや、聞かされてないのか。スワンプマンは白峰一護が作った化物だよ」
「彼はスワンプマンを作り出して、それを元に白峰藤を蘇らせようとしたんだ。まあ、そのための知識を与えたのはこの僕だけどね」
「なぜかって?そりゃあ楽しかったからだよ。彼が足掻いて、精神を削られて狂っていく様を見るのがね。」
「この星にいる限り、同じ人間を生き返らせるなんて、どんな術を用いろうと不可能だというのに。」
「馬鹿みたいに足掻く姿は実に滑稽で面白かったよ」
「この星は回転している。すごい速さで。宇宙全体が1秒後には違う位置に存在しているんだ。」
「肉体から解き放たれた魂は、その座標に取り残され、二度と星に追い付くことはない」
「だから不可能なんだよ。死者をよみがえらせるなんてね。どれだけ医術が発達しても、禁忌を犯そうとも」
そう言うと、彼は心底楽しそうにクスクスと笑う。そして、探索者達の方へと向き直った。
「さて、僕は君たちにお願いがあってここまで来たんだ。そのスワンプマン、白峰藤の出来損ないを渡してもらおうかな」
「その出来損ないは他のスワンプマンとは違うんだ。実に面白いじゃないか、最初はただの肉塊だったっていうのに」
「ああ、彼女は白峰一護が作った最初の『白峰藤』だよ。まあ見事に失敗してただの泥みたいな内臓の塊になってたけどね。」
「一護は相当ショックだったんだろうなぁ。その泥を僕に押し付けてひたすらに研究を繰り返していたよ。」
「ああ、押し付けられた泥?確か山奥に捨てに行ったよ。まさか、それがいま完璧に人の形をとっているなんてなぁ…なんだか感動してしまうよ」
「よっぽど白峰一護のことを思っていたんだろうね。ただの肉塊があそこまで人の形に変質するなんて思わなかったよ」
「そういう生い立ちのせいか彼女は他のスワンプマンと違って化け物としての自分の力を行使できるみたいだね。」
「普通スワンプマンはもとになった人間以上の能力を発揮できないはずなんだけどなぁ」
「だからスワンプマンになってるなんて誰も気づかない。おかげで今やこの町の半分の人間がスワンプマンになっているよ。」
「おや?聞いてなかったのかい?一護が一匹外に逃がしたおかげでこんなことになっているんだ」
「…もしかしたら、君たちの中にもすでにスワンプマンになっている人がいるかもしれないね、なーんて」
彼はおどけたふうにそう言うと再び底の知れない笑みを見せた。そして再び、彼女を渡すよう交渉してくる。
「もちろんタダで、とは言わない。君のその手の甲にあるマーキング…それを消してあげようじゃないか」
「悪い条件じゃないと思うよ?それがあるかぎりあの猟犬はどこまででも君を追って、殺しにかかってくるだろうからね」
☆探索者たちが断る
「…おや、断られてしまったか。まあいいや、気が向いたら連絡してくれ。ここが僕の連絡先だから。」
彼はそう言うと、手帳を取り出しそこに電話番号を書いて探索者たちに渡す。
「いつでも連絡してくれて構わないよ。精々、アレの相手を頑張ってくれ。」
そう言うと彼はどこかへと去っていく。
しばらくすると、彼から電話がかかってくるor探索者が彼に連絡を取る
「‥やあ。待っていたよ。渡してくれる気になったかな。」
→渡す
「うん、懸命な判断だ。じゃあ彼女と別れの挨拶でも済ませたらまた連絡をくれ。」
「夜になったら迎えに行く。あの化物を説得しておいてくれるかい?」
「一護が待ってるって言えばすぐ来るはずだからさ。じゃあよろしく頼むよ。」
→EX2、END2へ
→渡さない
「ああ、残念だ。なら、こちらから訪ねようかな。」
「素直に渡しておけばよかったのに。まったく愚かな人たちだね」
屋敷にいようと、別の場所にいようと白峰藤Sを奪いにやってくる。それでも渡さなければ戦闘に入る。
彼は怪しい笑みを一つ浮かべると、ボソリと何事か呟いた。その言葉はあなた達の知るどのような言語とも一致しない不思議な響き。その瞬間、彼を中心に網膜を焼きつくすような閃光が走ったような気がした。すると、白峰藤(と、既にスワンプマン化しているPC)は突然その場に崩れ落ちる。苦しげに呼吸を繰り返し、真っ青な顔をしたまま耐えるようにギュッと目を閉じていた。<医学>で医学的には異常がないことが分かる。思い当たるとすれば、先ほど彼がボソリとつぶやいた謎の言語。
「…ふふ、驚いたかい?これはね、『スワンプマン』だけに効く呪文なんだ」
「これを唱えるとその場に居るスワンプマンの力を抑えつける。そして、体調に異常をきたすんだ。」
「…そこにいる出来損ないのようにね。」
彼はそう言うとクスクスと笑いながら、探索者に襲い掛かってくる。
彼自身はそう強くはないので戦闘には苦労せず勝利することができるだろう。
気絶したナイアに近づこうとすると、少しだけ白峰藤が苦痛に顔を歪めながら引き止めてくる。
「…っ、だ、だめだ…そいつに、近づくな…」
次の瞬間、倒れ伏したナイアから臙脂色の冒涜的な肉塊が飛び出した。それは巨大な肉槌となって、あなたの方へと勢い良く振り下ろされる。
振り下ろされた一撃は、探索者の体ごと地面にたたきつけられる。探索者は呆気無く、地面と平らに潰された。周囲には探索者の一部であった肉片や血液が散らばっている。肉塊は探索者を叩き潰した後、そのまま力を失い沈黙した。調べずとも、理解してしまうだろう。あなた達の目の前で、その人だったものはただの肉塊へと変わってしまった。もう確実に生きてはいないだろう。
<白峰藤Sに優しく接していた場合>
絶望に、あるいは現実を受け入れられずに呆然とするあなた達に、白峰藤が苦しげに言葉をかける
「…大丈夫、だ…まだ助かる…助かる、から……少しここをでていてくれないか?」
「必ず助けるから、信じてくれ。たのむ。」
彼女はそう言うとあなたたちに絶対に覗かないように、と念押しした。しばらくすると、元気になった潰された探索者と白峰藤が現れる。(スワンプマン化による蘇生ルール)
☆白峰藤Sを引き渡す
「うん、懸命な判断だ。じゃあ彼女と別れの挨拶でも済ませたらここに連絡をくれ。」
彼はそう言うと、手帳を取り出しそこに電話番号を書いて探索者たちに渡す。
「ああ、別れの挨拶と言っても、事情は話さずそれとなくだよ?逃げられたら面倒だからね」
「一護が待ってるって言えば一発で連れ出せるはずだから。じゃあ、よろしく頼むよ」
彼はそう言うと上機嫌にどこかへと去っていく
→EX2、END2へ
☆ナイアの手帳について
付箋やメモがたくさん付いていることが分かる。何が書いてあるんだと聞かれれば、読みたければ白峰藤Sを寄越せと交渉してくる。彼女を引き渡すか、彼を倒すことで手に入れることができる。
ブローカーやナイアから潜伏先とパスワードの情報を吐かせれば、白峰一護の潜伏先が明らかになる。それは、屋敷の裏手にある井戸の中だという。井戸を覗きこめば水などはなく枯れ井戸だということがわかるだろう。屋敷の倉庫にあるロープや縄梯子を使えば安全に降りることができる。降りた先には暗い横穴があった。携帯のライトや懐中電灯で照らさなければ足元すら見えないだろう。横穴を進んでいくとやがて、穴の中にはあまりにも不釣り合いな鉄の扉が現れる。それは電子ロックで締められているようだ。ナイアやブローカーから得たパスワードを使えば開けることができる。鉄の扉を開けると、更に地下へと潜る石造りの階段が現れる。先は真っ暗で、闇に包まれている。先に進むならイベント⑤が発生する。
イベント⑤二択
石造りの階段を照らすのは、あなた達の所持している光源のみ。暗がりの中一歩一歩慎重に階段を降りていく。
…薄明かりが見えた。しかし、その光はどこか歪で、湿気を纏っているようなぼやけた青色だ。階段を降りた先は、大きな広間になっていた。どこからともなく風も流れてくる。
青色の光源は、部屋の中心にある透明な塊だった。あなた達はそれをガラスだと直感した。しかし、君たちの知っているガラスとは大きく異なる点が一つ。そのガラスは宙に浮かんでいた。そして、それは不規則な方向にゆっくりと回転していた。
その中心には、人の頭が浮かんでいる。
毒々しい青色を部屋中に拡散しながら、そのガラスの塊は存在している。
しかし、そんな異形をあなた達は気にも留めない。それ以上の違和感が、床一面に広がっているのだから
―――床一面に広がる肉のじゅうたんは、脈動している。蠢き、青い光を賛美する。肉の触手を手のように象って、中心にあるガラスの塊を仰いでいる。
そして肉塊は例外なく口の様な器官を携えていた。その口は絶えず何か言葉を発しようと蠢いている。残念ながら、それは言葉にならず、擦り切れたオルゴールのような細い悲鳴をこぼすだけだ。
中央の青いガラスと、その頭に寄り添うように1人の男性が立っていた。---見間違えようもない白峰一護だ。そこであなた達は気づく。床を這う肉塊たちは、彼を仰いでいたのだということに。
「…やぁ、こんなところまでやってくるとは。驚きました。あなたたち、母体を殺しに来たのですか?」
「止めようとなんてしていませんよ。もう、私には必要のないものなのですから。殺すなら殺していただいて構いません。」
「…やはり、不可能だと悟ったのです。だから私は藤と永遠に共にいると決めたのですよ。」
「なぁ、そうだろう。藤。今まであまり構ってやれなくてすまなかった。これからは、ずっとずっと一緒だよ。」
彼は、愛しげな表情を浮かべると、ガラスへと額をつける。そんな彼を地を這う肉塊たちは言葉にならない声を発して賛美した。
「…母体はこの部屋の更に地下にあります。そこの階段を降りたところです」
「行くなら、早くした方がいい。この場所はもうすぐ消滅します。あなた達を巻き込むのは本意ではありません」
※マーキングされていた探索者が「人間のまま」そこに居た場合
「ああ…そういえばあなたには猟犬を押し付けてしまっていましたね。本当に申し訳ありませんでした。」
彼はそう言うと探索者に向かって頭を下げて謝罪する。そして、何事がブツブツと口の中で唱え始めた。すると、探索者はマーキングの施された左手の甲に熱を感じる。見てみれば、そこに刻印されていた忌々しい模様は跡形もなく消え去っていた。
「これで、もうあの犬に追われることもありません。危険な目にあわせてしまい本当に申し訳なく思っています」
「…私ですか?私はもう襲われることはありません。」
「…なぜかって?それは、私は白峰一護ではないからです」
「私はスワンプマン。白峰一護のスワンプマンです。…まあ、これはついさっき思い出したことなのですが」
「笑えるでしょう?記憶も知識も経験も、身体の細胞までそっくり同じものなのに、奴らはそれを同一の存在だと知覚しないんです」
「私を偽物だって、わかってるんですよ、あいつらには」
「私とは一体何なのでしょうか。不思議なものですな。こんな状況になって初めて、自分自身と向き合うなど」
※白峰藤Sと一緒に来ていた場合
白峰藤は、白峰一護の姿を目に止めると必死に声をかける。
「一護!私だ!ちゃんと、お前のもとに戻ってきたんだ。会いたい一心で、ずっとずっと、」
「………」
「どうして何も言ってくれないんだ…本当の『白峰藤』は私だ!お前がそう望んだんじゃないか。だから私は、」
「………」
「一護…認めてくれないのか?私が、私が本物の白峰藤なんだ。わたしが…わたしは、『それ』とは違う…」
白峰藤は、周囲を這う肉塊を見ながら震える声で言葉を吐き出す。
※心理学持ちのPCが居ればKPがシークレットで振ってもいい。成功すればその探索者には「声がひどく震えていて、怯えや絶望の感情が垣間見える。ほんとうはずっと前から自分の正体がわかっているのにそれを認めたくないのではないか」と感じる。
彼女はどこまでも一途だ。認めてもらえなくとも、一護の傍を離れようとしない。
<説得><言いくるめ><RP>などで促せば、彼は口を開くかもしれない。
「…そんなこと、できるわけがない」
ふと、ボソリと彼がつぶやく。そのか細い声は、周囲の肉塊が奏でる声にかき消されそうなほどだ。彼は顔を上げて白峰藤の方を見る。その顔は、この世の絶望を濃縮したようなそんな悲壮な表情を浮かべていた。
「…お前を、お前を認めてしまったら…ここにいる肉塊も認めなければならなくなる…」
「そんな、これが藤だなんて私は認めたくない…!許されない、絶対に…!」
「ただ、ただもう一度会いたかっただけなんだ!優しい声を、聞きたかっただけなんだ。それなのに、」
「私はこれまでに何人の『藤』を殺してしまったんだろう。一番愛していたはずなのに、一番彼女を苦しめていたのは、」
「…この、私だ。」
「すまない、『藤』…。」
彼は、白峰藤を見てそう、ポソリと呟いた。彼の言葉に、白峰藤は目を見開く。
「すまない、すまない…藤…もう、もう離れない…ずっと一緒にいるから…」
白峰一護は中央のガラスに寄り添うと、そっと目を閉じる。そんな彼に、白峰藤はそっと近づいた。
「…私は、私だ。白峰藤。白峰一護の、妻だ。どんな形であろうと、私の中にはその記憶が強く残っている。」
「私は、ここに残るよ。今まで迷惑をかけた。本当にありがとう。ありがとう。」
「お前たちが居なかったら、私はこうして一護に出会うことは出来なかった。」
「名前を、やっと名前を呼んでもらえたんだ。それだけで…産まれてきてよかった、と初めて思えたんだ。」
「…さあ、早く下に行って、母体を殺せ。そして、地上に戻るんだ。ここが崩れ落ちる前に。」
更に地下「母体の部屋」へ
母体へと続く階段は暗く、湿気ている。上のフロアから続く、床や天蓋を覆う肉塊は薄まることなく、むしろ下へ向かうほどその質量は増えているように感じる。
ある程度進んだところで、あなた達の足が止まった。前へと進もうと動かそうとしても動かない。まるで擦り切れた精神が身体を縛り付けているかのようだ。
※1d100(POW×5)でロール。成功すれば、身体を縛り付ける恐怖心を克服できる。
→成功
あなたはなんとか自分を落ち着かせ、再度足を踏み出すことができた
→失敗
あなたの震えは止まらない。どうしようもない恐怖があなたをガッチリと押さえつけているかのようだ。
1d3のSANを消費し進むことができる。
探索者は狂ったように跳ねる自分の動悸を無理やり抑え付け、足を進める。
階段を出ると、四畳くらいの小部屋に出た。四方真っ白で、あなた達はミルクの海に叩き込まれたような錯覚に陥ることだろう。そして君の目の前に…それは存在していた。部屋の中央にある椅子の上。そこには、一糸まとわぬ裸体の女性が居た。いや、女性なのだろうと思ったそれは、男性なのかもしれない。ひどく曖昧な概念をまとった「ヒト」がそこに居た。それは、あなた達をみると口を開く。
「…こんなところに来るなんて、一体何の用なのでしょうか」
「私を殺しに来たのですか?」
「抵抗などしません。それが、あなた達の望みであるのなら。」
それは美しく微笑む。このような状況にもかかわらず、それすら一瞬忘れかけてしまうほどの美しい笑み。
「ここまでたどり着いた褒美に、良いことを教えてさし上げましょう。」
「私をを殺せば、私の子ども達は増えるのをやめます。ですが、同時に人に擬態することもやめてしまいます。」
「私の声を失った子どもたちは、もとの肉塊(どろ)の姿へと還るのです。」
「子どもたちは、この星に適応できないのです。程なくして、全て死に絶えることでしょう。」
「子どもたち…スワンプマンの中には、あなた達の家族、友人も居るかもしれません。私にはわかります。二万三千六百五十一の子どもたちの声が、私のところには届いているのです。」
「私を殺すということは、それらの命を奪うことと同義。」
「しかし、二万三千六百五十一の命と、その他六十億の命。重い方を救うというなら、あなたは十分正しい選択をしたといえるでしょう。」
探索者の中にスワンプマンが居た場合、そのことも教えてくれる。
母体は、体はただの人間であるため、殺そうと思えばあっさりと殺すことができる。抵抗はしない。
☆母体を殺す
あなたが命を奪った母体は、穏やかな笑顔をしていた。
瞬間、母体の身体がぐずぐずと溶けはじめる。赤黒い血肉に変化した次の時には、泥に変化していた。真白な部屋の中心に、あなた達と、赤黒い泥の山だけが残っている。
やがて、部屋全体がぐらぐらと揺らぎ始める。真白な部屋の壁にひびが入り、空間が崩壊を始める。あなた達は震える足を叱咤しながら、白い空間を飛び出した。
→END1
☆母体を殺さない
あなたが殺さない、と宣言した後も母体は終始穏やかな笑みを浮かべる。
「よいのですか?あなたはこの偽物の世界を許容して生きていくと、そうなのですね?」
「どちらが幸せかなど、私にはわかりません。あなたが選んだ選択に、従うまでです。」
「あなたは二万三千六百五十一の命を選んだのです。なにも、後悔することなどありません」
「…それが、あなた自身の選択なのですから」
「さぁ、ここも時期に崩れます。あなたたちも早くここを出なさい」
あなた達は、母体に背を押され、真白な部屋を出た。
→END3
★考えられる展開
EX1:マーキングされた箇所を切り落とす
猟犬はそれだけで探索者を追えなくなり、白峰一護の追跡を再開する。マーキングされた探索者は猟犬の追跡を逃れられる。白峰藤Sと一緒にいなくても安全に行動することができるが、単独行動は無自覚なスワンプマンと接触する可能性が増す。
EX2:イベント④「ナイアの接触」で白峰藤Sを騙してナイアに引き渡す
白峰藤Sを使い、ショゴスとしての異能を備えたスワンプマンが1d5+3体生まれる。しかし、それらは知性を持たなかった。化け物は生みの親であるナイアを叩き潰し、その場にいた探索者達に襲いかかる。化物との戦闘に入る。逃げ出すには全ての化物とのDEX対抗に成功する必要がある。DEXは3d6のシークレットダイスでその場で決定する。逃走に失敗した場合はすさまじい怪力でめちゃくちゃに叩き潰されてしまう。
無事逃げ出せたとしても白峰藤Sが居なくなったことによりマーキングされていた探索者はマーキングを解除するか、マーキングされた左手の甲を切り落とさないかぎりティンダロスの猟犬に狙われ続けることになる。また、ナイアから手帳を奪っていなければ、もしくは屋敷で研究メモを見つけていなければ探索者たちが母体の情報を知ることはない。そのままスワンプマンは増殖し続け探索者もいずれはスワンプマンと化すだろう。
EX3:猟犬を殺してしまう
マーキングされていた探索者は猟犬の追跡から逃れることができる。もはや白峰一護を追う理由を失くすかもしれない。その場合白峰藤Sから逃げ出そうとするかもしれないが、その場合彼女は全力で引き止めてくるし帰るなどと言おうものならその怪力を遺憾なく発揮することだろう。また、それでも彼女を振りきって逃げてしまった場合、単独なら無自覚なスワンプマンと接触してしまうかもしれない。母体を殺さなければスワンプマンは増殖し続け、探索者もいずれスワンプマンになってしまうだろう。
★ENDING
END1
条件:母体の元へとたどり着き彼女を殺す。
母体の体が、まるで泥のような肉塊へと変化した瞬間。
(スワンプマン化した探索者がいる場合)あなたの隣に立っていた、ずっと一緒に行動していたはずのその人の体もまた、崩壊を始める。やがて、母体と同じように泥のような肉塊へと変化していく。(任意値でSANCをいれてもいい。)わかっていても、受け入れられないかもしれない。嘆き、悲しむかもしれない。しかし、そんなあなたをあざ笑うかのように地下は崩壊を始めた。上の部屋に戻ると、中央のガラスに寄り添うようにして肉塊と化しながら崩れ落ちる白峰一護と、さらにそれに寄り添う白峰藤の姿。いくら説得しても、彼女は肉の泥と化した白峰一護のそばを離れないだろう。
☆母体を殺す前の葛藤や、肉体の崩壊前にRPを挟む場合は、存分にやってもらうこと。
スワンプマンと化していた探索者を含め、街の住人の半分が肉塊へと還る。生き残った探索者は何を思うのだろう。連日、ニュースや新聞で街の半分の人口が消えたニュースが報道される。その事件の真実を知るのは、あの『怪異』に巻き込まれたあなた達だけだ。時間が少しずつあなた達の心を癒していくのだろうか。ゆるやかに訪れた「日常」は、そんなあなた達を優しく包み込んでいく。
END2
条件:白峰藤Sを殺してしまう、ブローカーに引き渡す
探索者達は、スワンプマンの存在に気づかず、日々を過ごして行くことになる。やがて、全ての人類がスワンプマンと化すだろう。
→もう二度と人間として生きていくことは出来ない。全員ロスト
END3
あなたたちは、この偽物の世界を許容することを選んだ。あなたの隣にいるスワンプマンも、あなたの家族に紛れたスワンプマンも、やがてあなたや他の人々を喰らい、「人間」は「沼男」へと置き換わった。しかし、何も変わることはない。記憶も、細胞もそのままに、そっくり入れ替わっただけのあなた達は、何を考えることもなく日常を謳歌すれば良いだけなのだから。
→もう二度と人間として生きていくことは出来ない。全員ロスト
★クリア報酬
☆SAN報酬
生還:1d10
ナイアを倒した:1d3
ブローカーを倒した:1d3
白峰藤を白峰一護に会わせた:1d3
白峰一護を説得した:1d3
母体を殺した:1d10
全員生還:1d20+POWに+1
☆技能報酬
シナリオ内で使用した技能のうち好きな技能3つに1d10の成長
★エネミーデータ
☆ティンダロスの猟犬
STR:18 CON:30 DEX:14 SIZ:11 POW:17 INT:16
HP:21 DB:1d6
攻撃→1d6を振り1-4なら前脚、5-6なら舌で攻撃してくる
前脚:90% 1d6+db+POT10との対抗失敗で1d6のダメージ
舌:90% 1Rに1d3のPOWを吸収
☆白峰藤S
STR:62 CON:30 DEX:11 SIZ: POW:17 INT:18 APP:18 EDU:6
HP:21 DB:1d6 アイデア 90幸運 50知識 30SAN 50
技能
人体改造/99 触手/99
聞き耳/50 製作(料理)/40 値切り/26 クトゥルフ神話/25
再生/死亡しない限り1Rにつき2P回復※ただし、燃焼によって与えられたダメージは回復
他のスワンプマンと同様に火に弱い。炎に焼かれれば毎ラウンド1d10のダメージを与える。
☆ブローカー
STR:16 CON:16 DEX:17 SIZ:12 POW:16 INT:18 APP:15 EDU:20
HP:14 DB:1d4 アイデア:90 幸運:80 知識:99 SAN:80
技能
聞き耳/89 目星/89 コンピュータ/65 心理学/89 マーシャルアーツ/85 キック/70 組みつき/80 回避/89
☆ナイア
STR:7 CON:5 DEX:7 SIZ:9 POW:10 INT:14 APP:14 EDU:16
HP:8 DB:なし アイデア:70 幸運:50 知識:80 SAN:0
技能
クトゥルフ神話/70 聞き耳/60 図書館/50 目星/60 心理学/80 こぶし/60
魔術
ラーの鏡
その場にいるスワンプマンの体調を崩す呪文(頭痛、眩暈、吐き気等々)。発動すると、白峰藤Sの動きを封じることが出来る。同時に、これにより、誰がスワンプマンなのかをPCに匂わせることが出来る。ナイアから奪った手帳に呪文の内容が書かれている。<母国語>に成功すればPCも習得することができる。発動に必要なリスクは1d6のMP消費のみ
彼も自覚はないがスワンプマンであるため他のスワンプマンと同様に火に弱い。炎に焼かれれば毎ラウンド1d10のダメージを与える。
☆化物
STR:66 CON:42 DEX:3d6 SIZ:25 POW:10 INT:7
HP:33 DB:5d6
技能
触手で締め上げる:99% 1d10+db
組み付き:99%
他のスワンプマンと同様に火に弱い。炎に焼かれれば毎ラウンド1d10のダメージを与える。
★提示資料集
資料① とある掲示板の書き込み
ななしさん@ふたぐん:助けてくれ、俺はとんでもないものを見ているのかもしれない
ななしさん@ふたぐん:とんでもないものってなんだよ
ななしさん@ふたぐん:パンツ脱いだ
ななしさん@ふたぐん:寒い早くしろ
ななしさん@ふたぐん:今池尾公園にタバコ吸いに来てるんだけどそこで血の池事件の犯人を見ちまったかもしれない
ななしさん@ふたぐん:血の池事件って今話題になってるやつ?でもあれ発生したところ誰も見たことないんだろ?深夜だし寝ぼけるんじゃないか?
ななしさん@ふたぐん:ほんとなんだって!トイレの裏でグシャッて音がして、よく見たら血が広がってるんだよ、しかも誰かそこにいるんだよ、話してる声聞こえるし間違いない
ななしさん@ふたぐん:おい、マジなら警察に通報した方がいいんじゃないか?
ななしさん@ふたぐん:あ、だれk
ななしさん@ふたぐん:やばそう
ななしさん@ふたぐん:釣りか?
ななしさん@ふたぐん:一時間たっても書き込みないな…南無南無
ななしさん@ふたぐん:釣りならいいんだけどなんだか不気味だな
書き込み時間は深夜2時ごろ。結局釣りだということで話が付いたようだ
資料② 警察捜査資料「血の池事件」
・○月△日 池尾公園内にて「血の池事件」により発生した血だまりについての資料
この血液を分析した結果、組成は血漿タンパク質、糖、ヘモグロビン、血球や血液中に分泌される各種ホルモンなどであり通常の人間と全く変わらないことが判明。量としては明らかに致死量を超えているが不思議なことに遺体は見当たらない。
血液のDNAを鑑定したところ、インフルエンザで通院していたとある患者のものと一致した。(患者の情報はプライバシー保護のため伏せる)
患者の証言によると、そのような血だまりができるほどの大けがをした記憶は全くなく、今現在はインフルエンザも完治しむしろ全くの健康体であるとのこと。念のため医師による精密検査が行われたが特に異常は見られず全くの健康体だということだ。
以下に精密検査時のカルテと結果を示す(名前や住所などは伏せられている)。
今回このようなことが起きた原因は全く不明であるDNA鑑定過程におけるミスなどの可能性も含め再度調査を行う必要がある。また、他の血の池事件による血だまりについても極秘に調査を行う。
資料③ 白峰一護の日記
×月×日
信じられない。私は今日、絶望へと突き落とされた。何も見えない、聞こえない、感じない。生きている意味があるのかすらわからない。私にとって彼女はそういった存在だったのだ。
▽月○日
藤がこの世を去ってから、気づけば数ヶ月もの時が経っていた。なんだかんだで私はこうして生きてしまっている。生きるとは、なんなのだろう。少し外を見れば生きて、呼吸をして、細胞分裂を繰り返して、エネルギーを消費して動いている生命で溢れている。当たり前のようにそれらは生きて動いている。ああ、なぜ、あの無数の生命の中に藤はいないのだろうか。
▽月×日
今日、屋敷に客がやってきた。彼はナイアと名乗った。彼は私にこう持ちかけてきた。あなたの奥さんを蘇らせてみないかと。何を馬鹿なことを言い出すんだ。あまりに腹が立って、思わず怒鳴って追い返してしまった。久しぶりに大声を出したせいか、喉が痛む。
▽月●日
今日も彼はやってきた。何度追い返しても彼は毎日のようにやってきて私に言う。藤を蘇らせたくはないかと。ああ、不可能だとわかっていてもやはり引っかかる。もし、彼女が蘇ったら。それは私が最も望んでいることだ。しかし、死んだものは生き返らない。命を持つものは皆、この流れから脱却することは出来ないのだから。
▽月※日
今日、彼に一冊の本を手渡された。ここに私が望む情報が書かれているという。その本はずっしりと重くて、普通の本とは違うような、何やら異様な雰囲気を感じた。思わず受け取ってしまったがどうやら中は日本語以外の言語で書かれているようだ。少し骨が折れるが読めないことはないだろう。幸い、時間だけはたっぷりあるのだから。
■月●日
ああ!なんて素晴らしいのだろうか!この方法を使えば確実に藤を蘇らせることができる!世界に色が戻ったようだ!早速、藤の死体を使って試して見ようと思う。地下室を使えば、外に漏れることも早々無いだろう。
■月◎日
初めての実験は失敗だった。妻だった肉体は悍ましいただの肉塊へと変わってしまった。それはナイアに頼んで処理してもらった。何が足りないのだろうか。更に研究を重ねる必要があるだろう。ナイアから更に様々な資料を買い取った。彼は実に様々な資料を保有していた。もっと早くから彼の言うことを聞いていればと反省した。
※月×日
材料が足りない。鮮度が落ちた死体からではうまく合成できないのか。ナイアに相談したら人身売買のブローカーを紹介された。彼女から藤とできるだけ特徴が似通った女性を買って実験に使うことにした。
◎月◇日
くそっ、いったいなんなんだ!!買った女を使って別の呪文を試していたら、急に変な犬のような怪物に襲われた。どうやら奴は角から出現するらしい。集めた資料に書かれていた呪文を使って結界を張ったがいつまで持つのだろうか。それにしてもこれでは屋敷から出ることが出来ない。なんとか出る方法を考えなければ。
一番最後のページに材料調達(ブローカー連絡先)という言葉とともに住所が書かれている
資料④
○ナイアの手帳の記述
『「スワンプマン」とは白峰一護が妻を復活させようと画策する過程で産みだした、捕食した人間になりきる怪物だ。見た目、知識、経験、人体の構造…全てにおいて捕食された人間と見分けがつかず、厄介なことに本人にも自分が化け物であるという自覚がない。ただ、本能的に増殖を繰り返すようだ。スワンプマンは『他の人間と二人きりの時に』、痕跡を残さず素早く捕食し、増殖する。しかし、中には捕食の下手な個体もいて、そいつが捕食を行った場合は血痕が残ることもあるようだ。そしてスワンプマン同士が共食いをすることはない。スワンプマンと人間を、何らかの基準で本能的に見分けているようだ』
『スワンプマンを看破する方法はいくつかあるが、一番簡単な方法はその身を以って彼らに二人きりで接触することだ。もっとも、それを近くしないうちにあなたはすでに食われているだろう。足元を見ろ。食事のへたくそな個体があなたに宿ったのなら、そこに血だまりができているはずだ。
さて、先刻スワンプマンは人と変わらないと記述した。しかし、増殖し他者を捕食するときだけは例外だ。彼らはその瞬間だけ、おぞましい肉塊の姿に変質するはずなのだ
(表現があいまいなのは、その瞬間を僕が観測したことがないからだ)』
『増殖したスワンプマンたちの中には「母体」となり全てのスワンプマンに増殖と擬態を指示する、最初のスワンプマンがいる。増殖と擬態を指示するために、絶えず電波のようなものを発しているが、これは無意識に発生させているもののようだ。母体の意思ではない。母体は人と同じ姿をしているが<自身がスワンプマンという化け物であることを自覚>しているらしい。母体を殺せば、その無意識下の制御が解除され、全てのスワンプマンの増殖が止まるだろう。母体を殺せば、彼らは人間に戻れるのだ。それを人と解するかどうかという話に関しては、人それぞれだろうが。
だがこれだけは忘れてはいけない。
スワンプマンたちは、どこまでいっても、沼男だ。』
★キーワード
①スワンプマン
ショゴスベースの神話生物。捕食した人間になりきる。見た目、知識、経験、人体の構造etc全てにおいて捕食された人間と見分けがつかず、本人にも自分が化け物であるという自覚はない。ただ、本能的に増殖し<他の人間と二人きりの時に>、痕跡を残さず素早く捕食し、増殖する。
しかし、中には捕食の下手な個体もいて、血痕などが残ることもある。
スワンプマン同士は共食いをしないため、ナイアが白峰藤Sをベースに作った化物はスワンプマン化したPCには襲いかからない
②血の池事件
数か月前から起こっている怪異。ひと月に四回か五回程度と頻度は多くないが、街中で突然、血だまりができる。不思議なことに血だまりが発生する瞬間を見たものは誰もいない。
血だまりの多くは致死量だが被害者は見つからない。
この事件の犯人は捕食の下手なスワンプマン。<被害者はスワンプマンになっているので死体が見つからない>。もちろん、血だまりの血液とそのスワンプマンの血液を比較鑑定すれば、情報は一致する。
③ティンダロスの猟犬
時間の角に潜む不浄な獣。猟犬と称されてはいるが、実際にはどのような姿をしているのか誰にもわからない。このシナリオでは<スワンプマンとそれに捕食された人間とを別の存在として知覚>するためスワンプマンに対して攻撃を仕掛けることはない。白峰藤Sと共に居れば、猟犬が出現した際猟犬を叩き潰して追い払ってくれるかもしれない(好感度が低ければ無視されるかもしれないが)。しかし、その場合潰された猟犬は靄のような形状に変化し再び鋭角に飛び込んで身を隠すだけである。猟犬を倒すことは出来ない。
④ラーの鏡
発動すると、白峰藤Sの動きを封じることが出来る。同時に、<その場にいるスワンプマンの体調を崩す(頭痛、眩暈、吐き気等々)>。これにより、誰がスワンプマンなのかをPCに匂わせることが出来る。この呪文は<ナイアだけが使用>できるが、ナイアの手帳を手に入れることでPCも習得することができる。発動に必要なリスクは1d6のMP消費のみ
⑤母体
全てのスワンプマンに増殖と擬態を指示する、最初のスワンプマン。増殖と擬態を指示するために、絶えず電波のようなものを発しているが、これは無意識に発生させているものである※母体の意思ではない。
母体は人と同じ姿をしているが、<自身がスワンプマンという化け物であることを自覚>している。彼女が死ねば、自力で環境に適応してしまった白峰藤S以外の他のスワンプマンは擬態をやめ、元の肉塊の姿に戻り、ひとり残らず死に絶える。殺す際には一切抵抗を示さない。また、通常の人間と同じように殺すことができる。白峰一護の屋敷にある涸れ井戸の底、更にそこから階段を降りた真っ白な部屋で一人座っている。
⑥継承
母体は自分以外のスワンプマンに自身の能力を分け与えることができる。
この能力に制限はないため、母体に意思があれば全てのスワンプマンに増殖と擬態の指示を自足させられるようになる(実質、スワンプマンを滅ぼす方法がなくなる)
これにより、<能力を継承させられたPCまで殺害>しなければ、スワンプマンをせん滅することができなくなる。
★NPC
白峰一護
お金持ちのボンボン。屋敷にアトリエや展示室などを作り、自分の書いた絵や収集した美術品を展示していた。妻が事故で死んで、ナイアにそそのかされて以来妻を復活させるべく研究を重ねていた。しかし妻の蘇生に関しては、既に諦め気味。そして本人は気づいていないがスワンプマン。
STR10 DEX10 CON6 SIZ11
POW10 APP12 INT13 EDU16
アイデア 65 幸運50 知識80
SAN0
技能 クトゥルフ神話/39
白峰藤
白峰一護が作り出した、唯一白峰一護の妻と同じ姿に固定することができたスワンプマン。意思薄弱で記憶がないため特に自分の考えを持たないが、白峰一護を想う気持ちは本物なので彼には非常に献身的。しかし、白峰一護からの扱いは基本的に使い走り。
STR5 DEX4 CON3 SIZ8
POW5 APP18 INT14 EDU6
アイデア 60 幸運40 知識30
技能 聞き耳/50 製作(料理)/30
白峰藤S
白峰一護が作り出した妻を素体とした最初のスワンプマン。誕生当初はただの肉塊の化け物で、そのおぞましい姿に絶望した白峰一護に捨てられる。
捨てられたにもかかわらず、白峰一護を想う気持ちのあまり、長い時間を掛けて今の人型の身体を形作ることに成功した。そのような生い立ちのため、自身のベースであるショゴスの力の一端を行使できる(怪力や変身能力等)
また、スワンプマンとしての捕食能力を利用して、死後一時間内なら人間を蘇生させることができる(特殊ルール参照)
彼女の行動理念は二つ。白峰一護に自分の存在を認めてもらうことと、自分以外の白峰一護の妻を素体にしたスワンプマンの殺害。
彼女も生前の記憶を持たないので、基本的には世間知らず。善意には善意、悪意には悪意で切り返す分かりやすい性格をしている。シナリオの展開次第で悪魔にも天使にもなる。
STR62 DEX11 CON30 SIZ8
POW10 APP18 INT18 EDU6
アイデア 90 幸運 50 知識 30 SAN 50
技能 人体改造99(自身の身体を好きなように変質させることが出来る。それによりキックや跳躍等々の肉体を使う技能はこの数値を流用する。また、死後一時間以内なら自らの捕食能力により、探索者をスワンプマンとして蘇生できる。)
聞き耳/50 製作(料理)/40 値切り/26 クトゥルフ神話/25
再生/死亡しない限り1Rにつき2P回復※ただし、燃焼によって与えられたダメージは回復しない。
炎に弱く、毎ラウンド1d10の回復不可ダメージを与える
ナイア
狂信者。白峰一護に冒涜的な知識の数々を与えた、ある意味この事件の真の黒幕。ひとの姿に変質することに成功した白峰藤Sに興味を抱いている。探索者達には横暴に、そして不愉快な態度で接する。そして、彼も自覚はないがスワンプマンである。
STR7 DEX7 CON5 SIZ9
POW10 APP14 INT14 EDU16
アイデア70 幸運50 知識80 SAN0
技能 クトゥルフ神話/70 聞き耳/60 図書館/50 目星/60 心理学/80
特殊な所持魔術
ラーの鏡
ブローカー S
ヒューマンショップという人身売買組織を運営する女性。言動がかなりエキセントリックだがその割に、思考は常識的。疑り深く、探索者達に警戒心を解くことはない。
STR16 DEX17 CON16 SIZ12
POW16 APP15 INT18 EDU20
アイデア 90 幸運 70 知識 100 SAN 80
技能 聞き耳/89 目星/89 コンピュータ/65 心理学/89 マーシャルアーツ/85 キック/70 組み伏せ/80 回避/89
★思考実験等
セッション前に入れる用。同一性思考実験を意識させる。
テセウスがアテネの若者と共にクレタ島から帰還した際に乗っていたという木製の船、「テセウスの船」には30本の櫂がついていた。
アテネの人々はこの船を何十何百年もの間保存し続けたという。
そのため、「テセウスの船」の部品は徐々に朽ちていき、その度に新しい木造の部品と取り替えていった。
すべての部品が新しいものと置き換えられた時、はたしてそれは「テセウスの船」であるといえるのだろうか?
--------「テセウスの船」の思考実験 プルタルコス
ケイムズ卿のご意見をお聞かせください。
私の脳がその本来の構造を失い、その何百年か後にその同じ素材で同じ知的なものが制作された場合
その存在は本当に「私」なのでしょうか?
またもし私の脳とまるで同じ構造のものが作られた場合、その「作られたすべて」が「私」なのでしょうか。
--------哲学者トマス・リードからケイムズ卿へ
浅草観音詣でに来た八五郎は、道端に人だかりができているのを見つける。
どうやら昨晩、ここで身元不明の行き倒れが出たようだ。役人が死体の顔を確認するよう通行人に呼びかけている。
八五郎は死人の顔を見て、これが同じ長屋の熊五郎の死体だと確信した。さらに、今朝熊五郎が体の不調を訴えていたことも思い出す。
八五郎は熊五郎に「浅草寺の近くでお前が死んでいたよ」と告げ、熊五郎は訝しがりながらも自分の死体を引き取りに寺へと向かった。
熊五郎は、死体の顔を確認すると「これは間違いなく俺だ」と言う。二人は熊五郎の死体を抱きかかえ寺を後にする。
その道中、熊五郎は言った。
「どうもわからなくなってしまった。今、抱きかかえられている死体は確かに俺だが、抱きかかえている俺は一体誰なのだろう?」
--------古典落語『粗忽長屋』より
かの有名な漫画「ドラえもん」に登場するひみつ道具のひとつ、『どこでもドア』
一説によればそれの原理はドアに入ったものを高エネルギー光線で原子レベルにまで分解し
指定した移動先で再度元通り構築し直すというものらしい。
移動先に出現した、ドアに入ったものと全く同じ構造を持ち、全く同じ記憶を保持したそれは
本当にドアをくぐった人物と同一人物であると言えるのだろうか?
--------「どこでもドア」の思考実験
とある国で、とある男がハイキングに出掛けた。
その男は不幸にもハイキング先の山の中で雷に打たれて死亡してしまう。
それと同時に、倒れた男のすぐ近くにあった沼にも雷が落ちた
なんという偶然だろうか。雷に打たれた沼の汚泥は化学反応を起こし、死んだ男と全く同質の生成物を生み出してしまう。
その生成物は死んだ男と原子レベルで同じ構造をしていた。
見た目も、記憶もそのままに、それは死んだ男の姿でスタスタと街へと帰っていく。
死んだ男がかつて住んでいた家に帰り、死んだ男の家族と会話し、死んだ男のベッドで眠りにつく。
翌朝死んだ男の職場へと出勤していく。周囲の人は、彼が死んだことに気づくことはないだろう。
--------沼男(スワンプマン)の思考実験 ドナルド・デイヴィッドソン
【CoCシナリオの最新記事】
そこで質問なのですが、説明に所々入っている、AやY、Fとはどういった意味なのでしょうか?
無知で申し訳ございません…できればお返事よろしくお願いいたします。
わかりやすいイベントや文に感銘を受けました。こちらをベースに回させていただこうと思います。ありがとうございます。