“恋”になりきるのも簡単じゃない
投稿者:
七瀬渚
[2018年 06月 23日 17時 07分]
『礼装の小箱』このタイトルに相応しい空間で生きる令嬢「華夜理」とその従兄弟の「晶」。
華夜理は幼少の頃のある経験で心に深い傷を負い、しかしそれが皮肉にもクラックビー玉のような煌めきを見せているのです。傷までもが光を反射し、近付く者を深みまで引き込んでしまう。悪意の無い魔性と言えるでしょう。
そんな華夜理を晶は独り占めしたいと思うように。華夜理もまた晶を大切に想っているのは明白。従兄弟の枠など超えた感情なのは明白。それでいて容易には認められないのです。
美しいクラックビー玉も割れてしまえば硝子片。危ういからこそ強くは迫れず、だけど若者特有の抑えきれない感情が入り乱れます。
礼装の小箱は本当に時を止めているのか。
目にする世界の多さ=成長ではありません。
一見するとか弱い者の中に存在する強い生命力を感じられることかと思います。
麗しい文章表現と共に是非お楽しみ頂きたいです。