新型コロナウイルスの影響でより一層の警戒が必要となります。毎年、梅雨明け直後が最も多く発生している熱中症。今年はウイルス対策との両立も必要となりますがどのように向き合ったらよいのでしょうか。

マスクをつけ人々が行き交う広島市内…。

【加藤アナ】

「梅雨入り後すっきりしない天気が続く広島県内、きょうも空を見るとどんよりとした雲が広がっていて空気も少しジメっとしています。そうした中、梅雨が明ける前に準備をしておくべきことがあるんです」

「熱中症対策」【広島大学・長谷川博教授】

「7月中旬~下旬が最も熱中症に気をつけないといけない時期になります。ですので暑さに徐々に慣れさせる体を作るということと、熱中症の対策が非常に重要になってきます」

気温が一番高い8月中旬頃ではなく、梅雨明け直後の7月下旬から8月上旬に多く発生しているという熱中症の死亡事故。その要因は様々ありますが体力が低く、暑さに慣れていない時期であることが大きいといいます。では未然に防ぐために今、どのようなことをすればよいのでしょうか…。

【広島大学・長谷川博教授】

「全く汗をかかない状態だと暑さに慣れることはできないので、汗をかくようなトレーニングをすることが大事で、そのトレーニングで一番効果的なものがやや暑い環境下でややキツイ運動というのが最も効果的といわれている」

例えば、ウォーキングやジョギングを1日30分くらい、5日ほど行い、高齢者のウォーキングでは3分に1回早歩きしてみるのも効果的だといいます。

一方、ウイルス対策と熱中症対策の2つが求められる今年の夏…。これは、長谷川教授が自らマスクをつけ、自転車を40分間こいだ直後のサーモグラフィー画像です。マスクを着けていた部分は3度~5度ほど皮膚の表面温度が高くなっていることがわかります。

【広島大学・長谷川博教授】

「この状態では私も熱がこもっていると実感した。ただマスク内の環境はどうしても潤っていますのでのどの渇きが感じにくい。いつも以上にこまめに水分摂取をしたり、マスク内を一回換気したり、そういったのを整えるのが大事」

こうした中、大手空調機器メーカーダイキン工業は「こまめな換気」が求められる「新たな生活様式」の中でエアコンと換気を上手に両立するアドバイスをHP上に掲載。そもそも家庭で使っているほとんどのエアコンは「部屋の中の空気」を吸い込み冷たくして再び「部屋の中に」戻す仕組みで換気をするには、次のような方法がオススメだといいます。

まず住宅に設置されている換気システムや換気扇をしっかり活用すること。そしてエアコンは電源を入れた時に最も電力を消費するため一般的に推奨されている1時間に5分~10分程度の換気であればエアコンを「つけっぱなし」にしてエアコンから離れた窓を開けることが「省エネ」だといいます。

まもなく訪れる誰も経験したことのない夏…。被害を出さないために今のうちから正しい知識と対策が大切です。