大阪府、21日の新規感染72人 経路不明は6割

新型コロナ
関西
大阪
社会・くらし
2020/7/21 17:12

大阪府は21日、新型コロナウイルスの新たな感染者を72人確認したと発表した。このうち経路不明の感染者は46人で約6割を占めた。府内では19日に緊急事態宣言解除後で最多となる89人の感染が判明するなど感染拡大傾向が続いている。

21日の新規感染者のうち、30代以下の若者は52人で、約7割を占めた。この日はPCR検査などを陰性確認分を除き1516人分実施し、陽性率は4.7%だった。感染状況を判断する府の独自基準「大阪モデル」では10日間連続で黄信号が点灯した。

この日も感染者は若者が多く、ほとんどが軽症か無症状。基礎疾患がある人などを除き、ホテルなどの宿泊施設や自宅で療養することになるため、府は療養用の宿泊施設の整備などを急ぐ。

府は21日時点で宿泊施設を712室確保。同日時点で療養中は154人とまだ部屋数に余裕はあるが、直近1週間で療養者は約110人増えた。府は今春に確保していたホテルについて一部を除き解約する準備を進めていたが、急きょ利用を続けることにした。

大阪市内のホテルを管理する市担当者は「第1波では1日2~3人の患者が入ってきたが、今は1日20人ずつくらい入ってくる」と明かす。若者が多く、療養者同士がけんかしたり、1つの部屋に集まって遊んだりしており、管理に手を焼くこともあるという。

府は療養者がさらに増える事態に備え、最大1015室を確保する計画で、事業者との調整を急いでいる。府担当者は「感染状況を注視し、先回りして部屋を確保したい」と話す。

医療現場も警戒を強めている。重症患者向けの病床の使用率は21日時点で4.3%で余裕はあるが、若者から高齢者へ感染が広がり、入院患者が急増する可能性はある。

現在、府が確保しているコロナ患者向けの病床は重症用で188床、軽症・中等症用は1069床。重症用の109床、軽症・中等症用の512床は一般の患者向けに切り替えているが、それぞれ1週間、2週間でコロナ用に戻せるという。

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