緊急事態宣言の解除後、最多となる32人の新型コロナウイルスへの感染が新たに確認されました。
緊急事態宣言の解除後、最も多い32人の新型コロナウイルス感染が19日に確認されました。
福岡県内では、接待を伴う飲食店や介護施設でいわゆるクラスターが相次ぎ、今後の感染拡大に不安が広がっています。
◆うきは市・高木典雄市長
「うきは市におきまして、新たに7人の新型コロナウイルス感染者が確認された」
19日、緊急の記者会見を開いたのは、うきは市の高木市長です。
市内の介護施設「ひまわりの郷・吉井」で男性職員と60代から90代の利用者、合わせて7人の感染が確認され、感染者の集団=クラスターが発生したとみられると発表しました。
施設では16日に別の利用者の感染が判明していて、17日からサービスを休止していました。
◆うきは市・高木典雄市長
「のどかな田園都市の中で、こういうクラスターが発生したことは、重く受け止めています」
19日、県内では計32人の感染が確認されていて、5月の緊急事態宣言解除後最多となりました。
新型コロナの感染者の数は、16日から連日2ケタを超え、増加傾向にあります。
その要因のひとつとなっているのが、九州最大の繁華街・中洲の接待を伴う飲食店2カ所でのクラスターです。
ひとつの店では従業員のみ8人。
もうひとつの店では、従業員9人に加え、客8人の計17人の感染がこれまでに確認されています。
この現状に、中洲で働く人たちからは今後の影響を懸念する声が上がっています。
◆タクシー運転手
「中洲とタクシーは運命共同体だからもう全然ガラガラ」
「コロナが発生してから、特に日曜日は暇ですけど、今日なんか本当にガラガラ。これからどうしようかどうしたらいいか皆目見当つかない」
◆メンバーズ「雫」正木しょうこさん
「6月の売上で言うと、去年の売上と比べると5割減です。今月もスタートから売上が上がらない。このままの状況でずっとお客様の足が遠のく形で続いていくのかなと」
こう話すのは、中洲で12年スナックを営む正木しょうこさんです。
店では、福岡県の休業要請が解除されたあと、感染対策を徹底してきました。
さらに6月、福岡市が中洲地区の接待を伴う飲食店の従業員を対象にPCR検査を無料で実施した際には、店の全ての従業員が検査を受け、陰性が確認されました。
◆メンバーズ「雫」正木しょうこさん
「お客様も、やっぱりちゃんと受けているんだったら安心だね、っておっしゃってくださる。私たちもPCR検査を受けるにあたって、腹をくくったというか、もう覚悟を決めて、誰か陽性が出たらお店も1カ月くらい休むことになるだろうし、その間に女の子の給料も払う」
福岡市が実施した無料の検査は、中洲地区の約920店が対象でしたが、実際に検査を受けたのは2割に満たない144店舗の450人のみ。
クラスターが発生した2店舗の従業員は無料検査を受けていません。
◆メンバーズ「雫」正木しょうこさん
「みんな全員陰性ですって言われたときには、思わずやったという声が出たくらい結果が出るまではどきどきだったので、受けたくないという方の気持ちは分からなくはない。PCR検査を受けることはマイナスではないと私は思うので安全対策にはつながっていくとは思う。(無料検査を)定期的に1カ月に1回くらい実施してくださったらうれしい」
中洲地区から感染者を出さないため、店側の対策はもちろん、行政側も継続的な取り組みが求められます。