コーヒーやビール……大人になると「苦い飲み物」が好きになる原因は?

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人間の味覚は、味蕾(みらい)とよばれる口の中のセンサーで感じ取られる。苦味は甘さの千倍も敏感にできているので、生まれつき苦いものに敏感に作られているのだ。これもすべて「毒」を飲まないためなのである。ちなみに、おとなになると味覚が鈍感になるといわれているが、これはいわゆる高齢者で、60歳ぐらいまではあまりかわらない。
つまり、味覚というものは、経験によって豊かになっていくものなのである。

■ストレスが味覚を変える!?
なぜヒトは、苦味の強いコーヒーやビールを好むようになるのだろうか? じつは苦味だけを求めるために飲んでいるわけではない。これらは、初めて飲んだ時には苦いと感じても、飲んだ後に気分が良くなる作用があり、苦かったという記憶を変化させてしまうのである。

さらに、疲れているときやストレスを感じているときには、苦味を感じなくなる仕組みがある。
ストレスのかかる作業をおこなったあとに、かなり苦めのチョコレートを食べるという実験をしたところ、作業後は「おいしい」に変わるというデータが出た。これは作業後の唾液にリン脂質という物質が増えるためで、ストレスが苦味をマイルドにしているのである。

濃いめのコーヒーなど、苦いものが大好きなひとは、気づかないうちにストレスを感じている可能性・大なのでご注意を。
コーヒーやビール……大人になると「苦い飲み物」が好きになる原因は?

■まとめ
 ・人間は本能的に甘・塩・うま味を好む
 ・酸っぱい/苦いは腐敗や毒のシグナルとして、本能的に嫌う
 ・苦いものを継続して食べると、「おいしい」に変化する
 ・ストレスを感じるとだ液中にリン脂質が増え、苦味が感じにくくなる

薬が苦いのには理由がある。用量によっては毒にもなるため、薬として有効な程度のわずかな量でも、人間は「毒」だと敏感に感じ取ってしまうからだ。

さらに、苦味物質は水に溶けにくい疎水(そすい)性という性質を持っている。そしてこの疎水性が強いほど薬理作用が強くなるのだが、同時に苦味も強くなるという傾向があるので、良薬が苦いのもしかたのないことなのである。

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2015年11月3日のライフスタイル記事

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