「ばか」でグーグル検索すると出てくるのは……米下院公聴会後に検索急増
画像提供, Getty Images
グーグル画像検索に「idiot」と入力すると、トランプ大統領の写真が表示される
米下院司法委員会で11日に開かれた公聴会で、米グーグルの検索エンジン「Google画像検索」に「idiot(ばか)」と入力するとドナルド・トランプ米大統領の写真が表示されるとの証言があった。この証言を受け、「idiot」は13日現在で100万回以上検索されている。
「idiot」とトランプ大統領の画像との関連は、グーグルのスンダル・ピチャイ最高経営責任者(CEO)に対する厳しい議会質問の中で指摘された。
この結果は、グーグルの検索アルゴリズムにある政治的偏向の一例なのではないかと尋ねられたピチャイ氏は、これを大筋で否定した。
グーグルでの検索回数の推移を示す機能「Google Trends」によると、「idiot」は現在、アメリカで最も検索された単語の1位になっている。
公聴会で民主党のゾーイ・ロフグレン議員は、「idiot」と検索するとなぜ大統領の画像を含む検索結果が表示されるのかと質問した。
「どうしてこんなことが起こるのですか? このような結果が出るのは、どんな検索の仕組みなのですか?」とロフグレン氏は尋ねた。
関連性や人気度を含む200以上の要素でランク付けされた、数十億の単語を元に、グーグル検索の結果は表示されていると、ピチャイ氏は回答した。
回答を受けてロフグレン氏は、「では、何を利用者に表示するか決めるのは、カーテンの後ろに座っている小さい人ではないのですね?」と述べた。
ロフグレン氏に続き、共和党議員たちもピチャイ氏に質問した。スティーヴ・シャボット議員は、共和党の保健医療法案に関するニュースを検索した時、否定的なニュースしか表示されないのはなぜかと尋ねた。
これに対してピチャイ氏は、「グーグル」という単語で検索しても、同じように否定的なニュースが目立つ結果だと答えた。
グーグル爆撃
単語「idiot」とトランプ大統領の画像との結びつきは、今年になって浮上した。7月にトランプ氏がイギリスを訪問した際、米パンクロックバンド・グリーンデイの楽曲「American Idiot(アメリカ人のばか者)」を全英音楽チャート1位に押し上げようと呼びかける抗議行動が起こり、実際に複数チャートで1位を獲得した。このことが、検索結果に関係しているのではとの声もある。
この抗議行動のあと、掲示板サイト「レディット」の複数利用者が、トランプ大統領の写真と「idiot」という言葉を含む記事を投稿した。一連の投稿は検索エンジン・データベースを操作しようとする試みで、「グーグル爆撃」として知られる。
アメリカの大統領が好ましくない標語と関連付けられるのは、今回が初めてではない。
2003年には、「miserable failure(無残な失敗)」という単語の検索結果に、当時のジョージ・W・ブッシュ米大統領が表示された。
今回の公聴会では、下院の一部議員が、テクノロジー業界について非常に基本的な知識しか持ち合わせていないことも明らかになった。
スティーヴ・キング議員(共和党)は、孫娘のiPhoneがなぜ奇妙な挙動を示すのか、ピチャイ氏に説明を求めた。
ピチャイ氏はこれに、iPhoneはグーグル製でないと説明した。