加藤勝信厚生労働相は21日の閣議後の記者会見で、海外との段階的な往来再開に向けて空港検疫の新型コロナウイルスの検査能力を現在の1日2300件から9月中にも同1万件に引き上げると表明した。現在のPCR検査に加え、検査結果がその場で分かる抗原検査も活用して効率化する。
同省によると、8月1日までに同4300人に引き上げ、9月中に同1万件を目指す。
現在は入国者から鼻の奥の粘液を採取し、検疫所内の検査室でPCR検査をしている。結果判明まで1~2日程度かかるケースが多い。最近では実施数が1日2100件に達する日もあるが、検査能力は1日2300件で頭打ちになっている。
そこで新たに認められた唾液を使った抗原検査を導入する。検体採取から30分ほどで結果が判明するため迅速化につながるとみられる。
現在、日本は129カ国・地域を入国拒否の対象とする。外国人の入国は永住者や日本人配偶者などに限られる。政府は経済活動の再開に向けて段階的に渡航制限を緩和する方針で、空港検疫の検査能力増強が課題となっていた。