
本誌公式ディスコードにて、読者の方から質問をいただきました。
そこで今回は、本誌解説員で美音倶楽部の創始者でもあられる海原先生にお越しいただき、初心者がマイク選びで気をつけるべきポイントを紹介していただきます。
「オススメのマイクと言っても、これがなかなか奥深く難しい。音質の良さを追求すれば高価なスタジオ用ガンマイクなども選択肢に入るが、一般家庭でそれを使ってしまっては単に周囲の騒音を拾うだけの下卑た味わいになってしまうだろう。かと言ってホームセンターにあるような安物では……」
「先生、もうすこしわかりやすくお願いします」
【基本】 まずはマイクの置き方を考えましょう

マイクを購入するときに最初に考えるべきなのは「マイクをどう設置するか?」という点だろう。
パソコンを購入するとき、ノートとデスクトップのどちらにするか考えるのと同じく、性能よりも先に「置き方」をイメージしなければならない。
ちなみに、今どきは中型マイク+アームスタンドという形態がスタンダードになっている。
振動対策はもちろんのこと、顔との距離を一定に保つためにも、可能であるならばアームスタンドを使うのが今どきの常識になる。
アームスタンドで目の前にマイクをぶら下げるのがイヤな人は、卓上型マイクという選択肢も悪くはない。
ただし、アームスタンドと比べてゲームのプレイ中に生じるノイズを拾いやすい弱点があるので注意が必要だ。
具体的には「机の振動」「キーボードの打鍵音」「コントローラーのカチャカチャ音」などの対策が求められるぞ。
まずは卓上型マイクを検討し、ストリーマーとしての腕を磨いてからアームスタンドに切り替えると良いだろう。
単純に利便性だけを考えれば「ヘッドセット型マイク」が最有力候補に挙げられるものの、どんなに設定を調整しても音質には限界がある。
私も実際に13000円ほどの高級ヘッドセットを試してみたこともあるが、マイク自体の性能は値段に見合ったものとは言い難い。
ボイスチャットで使うだけならば十分な音質に達しているものの、YouTubeやTwitchで不特定多数に向けて発信するにはまだまだ不十分だと言わざるを得ないだろう。
大衆食堂ではなく料亭クラスの放送をしたいのであれば、ヘッドセットは選択肢から真っ先に外すべきだ。素人はごまかせても我々プロストリーマーは瞬時に音の違いがわかります。まじで。
PCで使うなら「HyperX Quadcast」が最もおすすめ
プロ仕様のレベルまで音質を向上させたいのであれば、2020年7月時点においては「HyperX Quadcast」というマイクが至高であり究極の一品だろう。
防振・耐衝撃に対応した卓上スタンドが付属しているし、息がかからないようにポップフィルターも内蔵されているし、ヘッドホンを差すための端子も搭載されている。
他にもワンタッチでマイクミュートできる機能や、手動で音量を調整できるダイヤルなど、直感的な操作に対応した工夫が盛り込まれているのでスキがない。
海外のツイッチ配信者にも人気の製品なので、迷ったらこれを買っておけばまず間違いないであろう。
市場価格は13000~16000円ということで素人は手を出しづらいかもしれないが、動画/ライブ用途では至って平均的な価格です。
カネはあるけど知識のない人間にはぴったりの製品だ。
PS4でマイクを使うならコスパ最優先で選べばOK
実はあまり知られていないが、ゲーム機にマイクを接続して使う場合は音質に限界がある。
どんなに高級マイクを使ったとしても、ハード側が対応していない音域まで集音しても無意味なので、プレステ4等にマイクを接続するつもりなら多少ケチっても問題なかろう。
PS4用に実況用マイクを使いたいならば、中国製の安いマイクが最近は性能も高くておすすめしたいところだ。
数年前まではやはり「安かろう悪かろう」という印象を拭えなかったものの、ここ最近の中国製品はいずれもYouTubeでも十分通用するレベルに達している。
昨今のテレワーク需要に応える形で、高音質でノイズカットにも対応している製品が充実してきているぞ。
いやはや。中国の方々の知恵には恐れ入りますな。
特におすすめなのは中国では評価の高い成賢音響さんの製品ですな。(リンクはこちら)
防振対応の三脚スタンド、さらにはポップガードまで付属して2980円という驚きのプライス。
日本ではコスパを売りにしている製品でも、こうした必須級の付属品が一切ついておらず、粗悪なノイズを国内に巻き散らかしているパンデミック状態が続いている。
コスパを重視するなら中国製品以外を買ってはいけません。
いやはや。中国の方々の知恵には恐れ入りますな。
唯一注意が必要なのは、中国の皆さんは限定クーポンがお好きなようなので、amazonで購入する際は必ずチェックしなければならない。
また、日中親善のために不自然な日本語レビューで埋め尽くされている場合もあるため、そこはしっかりと見極めていく必要があるだろう。
心無い一部の日本人はこうした中国の方々の行動を疑問視しているようだが、あくまでアジアの平和を守るための行動なので、過度に怪しんだりしてはいけません。
いやはや。中国の方々の知恵には恐れ入りますな。
見た目や騒音対策にもこだわるとカネがかかる
もしも顔を映しながら撮影するのであれば、こうしたLEDディスプレイ付きのマイクも選択肢に入るだろう。
他にも複数人のグループで撮影をするならば、より広範囲の集音が可能なマイクを選択しなければならない。
つまり、一言に「マイク選び」といっても用途や環境に合わせた無限の選択肢が存在するわけで、それこそ10本20本とマイクを買い替え続けている人も多い。(例:瀬戸こうじ氏)
マイクの集音性能が高まれば高まるほど騒音対策も求められるようになり、場合によってはマイクだけでなくソフトウェアの力も借りる必要がある。
最近だとPCに搭載しているグラフィックボードがノイズ処理をしてくれるので、騒音で悩まされている人は利用を検討するべきだろう。
隣近所の掃除機の音まで聞こえてくる環境にいる筆者は、いくつかプロ仕様の音響編集ソフトを駆使してなんとか視聴に耐えうる音を作り出している。
ちなみに1本8万円とかのソフトで音の処理をしています。これでも安いほうだろう。
「私ぐらいのプロストリーマーになると、izotopeやwaveといったvstプラグインプロバイダーの新製品情報は常に見ているし、未だネットでは曖昧なままになっているラウドネス基準についても勉強を続けている。さらに集団ストーカーに解析されないようにパケットのカプセル化が…」
「先生、おつかれさまでした。2980円の中国製マイクにします。」