米、中国11社を禁輸対象に追加 ウイグル族弾圧で

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2020/7/21 5:21 (2020/7/21 9:40更新)

ロス商務長官は中国のウイグル族弾圧を厳しく批判した(写真は3月、ワシントン)=AP

ロス商務長官は中国のウイグル族弾圧を厳しく批判した(写真は3月、ワシントン)=AP

【ワシントン=鳳山太成】米商務省は20日、中国・新疆ウイグル自治区の少数民族弾圧に関わったとして、衣料品や家電などを手掛ける中国企業11社に追加で事実上の禁輸措置を発動すると発表した。米中対立が激しくなるなかで、人権問題で圧力を一段と強める。

ウイグル族の強制労働や遺伝情報の解析に関わったとして、鉄道部品のKTKグループなど計11社を22日付で「エンティティー・リスト(EL)」に加える。

アップルやファーウェイ(華為技術)にスマホ部品を供給する欧菲光集団(オーフィルムテック)、遺伝子解析大手の華大基因(BGI)の各関連会社も指定した。

米国製品を対象企業に輸出する場合は商務省の許可が必要で、企業の申請は原則却下する。

ロス商務長官は声明で「無力な少数派のイスラム教徒に対する中国共産党の卑劣な攻撃に、米国の製品や技術が使われないようにするための措置だ」と強調した。

これまで商務省はウイグル族問題を巡り、2019年10月と20年6月に監視カメラの杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)など計37社・団体をELに加えた。さらに中国の調達先がウイグル族の強制労働に関わっていれば取引を打ち切るよう、米国企業に呼びかけている。

米国は、中国当局者への制裁を可能にする法案が6月に成立するなどウイグル族問題で圧力を強めている。中国は「内政干渉だ」として、米国の議員などに制裁を科すと表明するなど激しく反発している。

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