将来的に水槽設備の拡張やオーバーフロー化を思案している方々は多いのではないかと思いますが、そのすべてを新規購入するとなるとかなりの高額になってしまいます。
その為、この投資コストを軽減する方法論として、自作に踏み切る方も少なくないと思います。
設備一式を自作できるのであれば費用負担のみならず、自分の思想に合わせたシステムを確立させることが出来るなど、利点が多く存在します。
しかしながら、各機材やシステム全体の機能性を熟知していれば良いのですが、知識が不充分なまま見様見真似で自作に踏み切ってしまうと、完成段階で不都合な面が発覚して、コストを抑えるつもりが結局は改良に費用と時間が掛かってしまったということだけは避けなければなりません。
これからGWを迎え、この期間に新規購入で増設やサイズアップするのみならず、上記の様に自作をお考えの方々も少なくないと思われますが、当方が身近に感じる注意点を記しますので、ご参考のひとつにでもなれば幸いです。
自作で陥りやすい点
① 中古水槽を導入したものの、劣化による水漏れが発生
② 衣装ケースを濾過槽への流用
衣装ケースの主材料であるポリプロピレンは、シリコン系のコーキング材には 接合しないので注意が必要です。(硬化直後は接合されている様に見えるが、 劣化と伴に直ぐに剥 離する。)
③ 濾過槽内を複数槽にする為、内部を間仕切りによって区分けを施したものの、水流に対する区分け幅が狭いことによって、循環量のバランスが確保できずオーバーフローしてしまう。
④ ウールボックスの水没化
ウールボックスは濾過槽の水位に触れず、常にドライ形状を維持しないと、不純物を確実にウールマットで濾し取ることが出来ずに濾過槽内へ流れ込み堆積してしまいます。
⑤ ウールボックスの形状が不適切であったり、またウールボックスの容量とポンプ流量とのバランスが不均衡であることによって、ウールマットが浸透しきれず直ぐにオーバーフローしてしまう。
⑥ 給水・OF(中)管のみで外管の無いオーバーフロー管であったり、三重管であっても形状が不適切。OF三重管(外管)は出来るだけ底面に近い位置で吸引させる必要がある。)
⑦ キャビネット内における各機材のレイアウト
キャビネットの柱・梁と濾過槽の配置関係によるピストルからウールボックスへの落水ポイントなど。
⑧ 配管経路の設計及び、接続が不充分による配管部からの漏水。
⑨ 水槽からの戻りに対する濾過槽の水位
特にオーバーフローの吐水口が水槽内へ斜め下向きになっている形状は、ポンプ停止時における濾過槽への戻りの量が多いので、その分を想定する必要がある。
⑩ 吐水方向
水槽内の適切な水流を考えた場合に、吐水口の向きが水槽内に対して斜め下向きに噴出す形状を見掛けますが、これは適切な水流になっている訳ではありません。この形状よりも吐水口から真横方向に噴出させ流れを設けた方が、水流は無駄なく対面に当たり表層面から底面側へと流れ、そこで流れが折り返し水槽底面部ではOF管の対面側からOF管へと向かってくる流れとなる為、効率良くOF管吸引口へ不純物が吸い込まれ、底面部への不純物の堆積を軽減することが可能となります。
デメリット(出来れば避けたい)のある形状
下記項目は三重管仕様との比較論であり、決して形状そのものを否定するものではありませんので、予めご了承下さい。
① コーナーカバー式
カバー内とOF中管との平面積が広い為、吸引後における浮上する流量が低減し、不純物が中管まで浮遊・落水されずにカバー内に沈殿する傾向がある。
② サイフォン式
・ポンプ流量と落水量のバランス維持
・ポンプ停止時における止水対策は絶対条件(ポンプが止まって も、止水が出来ないと濾過槽への落水が継続し溢れ出す。)
・ポンプ停止後、再起動のセッティング
・表層面に浮遊する油膜の除去対策
三重管仕様であれば、上記の懸念される内容のすべてを解決することが可能です。
特にサイフォン式とするメリットが私には分かりませんが、サイフォン式を選定する目的には、コスト的な要因が強いのではないかと思われます。但し、この部分(機能)はコストを抑える為の手法選択には該当するものではありませんので、機能性を最低限確保する為には、それなりの費用負担は考えていた方が良いと思います。