先日読んだ「ヒトは「いじめ」をやめられない」中野信子(2017)小学館新書の中にあったザ・サードウェーブ実験というのをご存知ですか?
これは、1967年に、アメリカのカリフォルニア州の高校で行われた社会学的な実験です。第二次世界大戦中にドイツ人がナチス政権の政策をどのように受け入れることができたのか説明するため、歴史教師だったロン・ジョーンズ先生によって実施されました。目的は、「集団の持つ力を実感する」ことです。
1日目。ルールは、ジョーンズ先生がリーダーで権威の象徴であり、話を聞く時は、直立不動で敬語を使う、生徒が発言する前には先生の許可を得る、常に姿勢を正す、持ち物を制限する等の軽いルールだっため、反発は起きませんでした。
2日目。ジョーンズ先生は、ヒトラーに似た敬礼を行うことを指示します。この日以降、生徒達は、先生の指示がなくても定めたルールを守り、実行するようになります。
規律を決めることで生徒達がグループに属している意識を強く持ち始め、さらに新たに規則やルールを望む声が増え、いくつもの規則が作られていきました。
3日目。新たにこの授業に参加する生徒が増え、最初の30人から43人にクラスが拡張されていきました。すべての生徒に会員カードが発行され、ロゴマークを作り、お互いの敬礼による挨拶や非会員等の入場停止などの特別な措置を施すようになります。
さらに、ジョーンズ先生は生徒に新しい会員の育成方法を教えると、その日の終わりには200人以上の参加者になっていました。
4日目になると、この活動は、ついにジョーンズ先生にはコントロールができなくなり、暴力事件や喧嘩が多発し、先生は罪の重さを感じ、実験を止めることを考えますが、生徒たちは他の高校にまで活動が及ぶ程この活動にのめり込んでいました。密告や暴力事件も起こります。
5日目。ジョーンズ先生は、「君たちが信じたものの正体を見せよう」とファシズムの象徴、ヒトラーとナチス党員の映像を映しました。
その結果、生徒たちは我に返り、本当の姿に衝撃を受けたという実験です。
こんな短い時間でマインドコントロールができてしまうのです。子ども達が邪悪な集団に変わることは難しいことではないという例の紹介でした。
いじめが集団で行われる時は、いじめている側に正当性を感じていることがあります。
集団によるいじめは、一度攻撃が始まれば、誰もが正義を感じ、快感の中毒になっていくと書いてありました。
新学期が始まり、クラスをまとめるために「団結力」を高めたいところですが、こういう危険性があることも知っておきたいですね。
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野良の三毛猫 (金曜日, 13 3月 2020)
葬式ごっこ事件
NHKのストーリーズで
又注目、
サードウェイブ実験
彼は全体主義の教室に
魂をころされた
それが いじめねの
正体。
私は創価脱会員です、