Patのブログ

プログラミング、英語、科学的学習法、日々の勉強記録

アラフォーからプログラマーに転職して1ヶ月経ったけど、正直な感想書いてみる。

前職から転職して1ヶ月がすぎたので、現時点での個人の感想を記しておく。

以下に該当するような人にはひょっとしたら役立つかもしれない。

  • 30代だけどプログラマーに転職したい。
  • 自社開発企業に転職したい。
  • プログラミングスクールに通うべきか迷っている。   
  • 未経験から転職してついていけるか不安。

前職は何をしていたか

前提として、前職のことについて簡単に書いておく。

前職は中学の教員だった。

専任教員だったので、担任も持っていたし、生徒指導もしていたし、部活動も担当していた。

そう書くとブラックなイメージがあるかもしれないが、私立進学校だったのでそれほどハードでもなかった。

生徒は荒れているどころかおとなしすぎるくらいだし、部活も18時までには終わっていた。

朝は8時からなので早いが、それでも頑張れば9時間労働で帰ることもできた。*1

夏休みは1ヶ月以上あったし(ただし部活動や夏季講習で3分の2は潰れる)、教員食堂はあったし、福利厚生もしっかりしていた。

年収も40代後半で1000万越えするくらい高給だった。(追記: 自分は30代なのでそれよりは全然少ない)*2

労働時間は長いので、これをブラックとみるかどうかは人によるだろうが、搾取されているという感じを受ける人は少ないのではないだろうか。*3

そんないい条件で働けていたのに、どうして転職したのかということは今回は書かない。

とにかくそういう学校で働きながら、フィヨルドブートキャンプというプログラミングスクールで半年間勉強したあと、学校は退職。

しばらく転職活動をしていたが、都内の自社開発企業から内定をもらい、6月から働いている。

どういう会社にいるか

情報通信サービス系の自社開発企業。この業界のなかではそこそこ歴史もあって、経営も安定している。

サービスのほとんどはRuby on Railsで構築されていて、サーバはAWS、CI/CDにCircleCIなど、スタートアップで多いような構成だと思う。

ただ、年齢層はこの業界では比較的高め。

上司が自分より年齢が上なので、やりやすいといえばやりやすいのかもしれない。

給与は未経験にしては高めの額をもらえていると思う。

それでも前職と比べれば年収で200万以上はダウンした。

労働時間はきっかり8時間。

遅くまで残業するようなことはまずない。

福利厚生はしっかりしているし、コロナ禍によるリモートへの切り替えも早い。

まあどう考えてもホワイト企業だと思う。

入社から1ヶ月間何をしてきたか

いきなり開発の参加するということはなく、新入社員用のプロジェクトを進めている。

これは、簡単なタスク管理アプリをRailsで作る、というものだが、Railsでの開発を一から勉強するというものではなく、 主に実務でのチーム開発の作法を知り、会社でのやり方に慣れるためという位置付けのようだ。

プログラミングスクールを卒業したとはいえ、いきなり実務に飛び込むのは相当不安があったので、今のシステムはかなりありがたい。

レビューもたくさんしてもらえている。

プルリクを投げてレビューしてもらい、二人以上から承認されたらOKということになっているのだが、自分一人では気づけないような点が多く、とても勉強になる。

正直、いまはお金をもらいながら勉強させてもらっているようなもので、ありがたいとともに申し訳ない気持ちにもなる。

前職との違い

生活が安定している

毎日決まった時間に帰れるようになり、夕食を家族で食べられるようになった。

休日が部活で潰れるということがなくなった。

精神が安定している

生活が安定すると、当然ながら精神も安定してくる。

不測の事態で心が乱されるということがほぼなく、毎日平穏に過ごせている。

自分でコントロールできる範囲が大きい

プログラマーは成長するもしないも自分次第。

そして能力があれば評価されるので、努力次第で自分の価値を高めることができる。

これはつまり、自分の人生を自分でコントロールできる範囲が広いということ。

教員という仕事は、いくら自分の技術を高めても、それが即結果にはつながらないという難しさがあった。*4

人と喋らない

一日中ほとんど声を発さない日もある。

人によってはつらいだろうが、自分はまったく気にならない。むしろ楽。

チームワークが基本

前項と矛盾するようにみえるが、いろいろな機能が複雑に絡み合ったサービスを作るのに、個人が好き勝手にやっていたら連携などできるはずもない。

したがって、ソフトウェア開発はアジャイルとかスクラムなどのチーム開発のフレームワークに沿って開発するのが基本になる。

これらのフレームワークは人間的な柔軟性を重視するので、何かあればすぐにチャット上での議論が始まる。

単に「直接話すことが少ない」だけで、実はslackなどのチャットでの会話は非常に盛んだ。*5

リモートワークができる

6月からしばらくは出社していたが、状況が変わりまた今はリモートワークが中心になっている。

教員でリモートワークは、将来的にはさておき今のところ厳しいだろう。

勉強会がある

日々たゆまず勉強することが求められる職業なので、業務時間内に勉強会が毎週ある。

勉強しながらお金をもらえるのは素晴らしいし、勉強することに価値を感じている人たちと一緒に働けるのは楽しい。

前職とそれほど変わらないところ

コミュニケーション大事

教員には共感力などの感性的コミュニケーション能力が、プログラマーには説明力などのロジカルなコミュニケーション能力が必要とされているように感じる。

いずれにせよ、プログラマーだから人と話さなくてもいい、なんてことはまったくない。

会議がけっこうある

教員時代には「教員とはなんて会議が多い職業なんだ」と思っていたが、現職もわりと会議は多い。

タスクの洗い出しや割り当てを行うスプリント会議、他部署との会議、会社イベントの企画会議など、けっこう盛り沢山。

ただ、会議の進め方が構造化されていて、その目的と必要性が理解できるので嫌な感じはしない。

esaというツールを使って、みんなでワイワイ議事録を同時編集したりするのとか、普通に楽しい。

求められている能力

コミュニケーション力

チームの中で溶け込んでやっていける能力、というか態度・姿勢。

といっても普通に話せる能力があれば大丈夫だと思う。

説明力

自分の考えを他者に正確かつわかりやすく伝えられる能力。これが一番大事な気がする。

自走力

質問すればすぐに誰かが答えてくれるような環境ではあるが、当然ながら業務もあるわけで、一から手取り足取り教えてくれることを期待してはいけない。

すぐに「教えてくれ」ではなく、まずはいろいろ自分で問題解決のトライをしてみる、という態度が必要とされる。*6

求められていない力

圧倒的な技術力

そもそも未経験に技術面での期待などそれほどしていないように感じる。

未経験の場合、「俺の技術すげーだろアピール」をするよりも「今までの経歴からこういうポテンシャルがありますよ」というところをアピールした方が得策かもしれない。

年齢は関係するか

ほとんど関係ない

就職する前は年齢が大きな壁になるのではないかと思っていたが、入ってみると年齢をやたら気にするのは自分だけだった。

自分から話題にしない限り年齢のことなどあまり話題にもならない。

40代の人も普通にいるし、そもそも中途採用も多いのでそんなに特殊なことではない。

もちろん今の会社のことしか知らないので、どこまで一般化できるかはわからないが、「30代からの未経験プログラマ転職は難しい」なんていう意見には耳を貸す必要はない。

業務についていけているか

わからない

上にも書いたが、まだ今は研修段階のようなものなので、ついていけるかどうかはまだわからない。

会議に出ると、訳のわからないカタカナ英語が飛び交い、宇宙語のようで不安になる。

もちろんその都度メモを取り、あとから調べているので徐々にわかるようになってきた。

そういえば最近、基本情報技術者試験用の本を読んでいるのだが、会議で出てくる用語がけっこう出てくるので、この辺の基礎を抑えておくと楽になるかもしれない。

プログラマーはどんな人に向いてそうか

なってみて思ったのは、人を選ぶだろうなということ。

プログラマーを目指すような人ならたぶんわかっているとは思うが、基本的に一日中黙々とコードを書いているので、人と積極的に交流したい、というような人には向いていない。

逆に、けっこうコミュニケーション力が必要とされるので、人とまったく交流したくないという人にも向いていない。*7

あとは空気を吸うように勉強しないといけないので、勉強が嫌いという人にも向いていない。

文系でも大丈夫かどうかが気になる人がいるかもしれないが、いわゆる数学などの理系的知識は、少なくともweb系の場合はたぶんそれほど必要ない。

むしろ他者にわかりやすく説明できる能力が求められるので、文章力のような文系的能力の方が重要かもしれない。

正直、プログラマーになってみてどうか

最高。いまのところ楽しいことしかない。

自分が日々成長できていると実感できるし、成長することに価値があると思っている人たちと一緒に働けることがうれしい。

休日も自分のためにコードを書いている。

最近少しずつだが自分自身の問題をコードを書くことで解決できるようになってきた。

将来的には自分でサービスも作りたい。

イデアを出しているだけでワクワクしてくる。

自分の人生を自分でコントロールできるんだという実感が湧いてきて、それが幸福感につながっているのを感じる。

プログラマーになるまでには働きながら1年間勉強する必要があったが、こんなに楽しくて将来性もあって、幸福感を高めてくれる職業にその程度の努力でなれるなら大したコストではない。

未経験からプログラマーを目指して勉強中の人は、どうか周りの雑音に振り回されずにがんばってほしいと思う。*8

*1:ただ、実際には職員会議や組合会議、分掌会(生徒会とか進路とか)に生徒指導も入ったりして、10時間で終われればいいほうだった

*2:すべての私立校がこのレベルだというわけではない

*3:これで年収が低ければブラックに近づくとは思う。もちろん、労働時間の問題はこの学校に限ったものではなく、日本の学校一般に言えることである。

*4:教員時代は「クラスの雰囲気をいい感じにする」などの、変数が多すぎてコントロールするのが難しい仕事が苦手だった。逆に「成績を上げる」など、変数が比較的少なくコントロールしやすいところは得意だった。

*5:仕事に関するコミュニケーションの量自体は、教員時代よりもはるかに多い。教員は基本的に一匹狼だった。雑談はするが、授業に関する情報交換などはあまりなく、お互いの授業で何をやっているかはブラックボックスだった。もちろんすべての教員がそうというわけではないし、すべての学校がそうと言っているわけでもない。

*6:この辺はフィヨルドで鍛えられた。

*7:そもそもそういう人のための職業ってあるのか?

*8:そしてもし本気でプログラマーになりたいと思っているのなら、フィヨルドブートキャンプで学ぶことを強くおすすめします!!