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何故時の勇者は亡霊になってしまったか。

トワプリハート3つ縛りプレイをし始めたのですが、やっぱり古の勇者に会うと胸がキュン…としますね。
どうしてあんな姿になってまでこの世に留まり続けたのだろう。どうしてそんなにも深い未練を持ってしまったのだろう。
本当に「名を残せなかった無念」だけなの?そんなにも英雄になりたかったの?私は違うと思います。

なので、「どうして時オカリンクさんは亡霊になってしまったのか」をちょっと真面目に考察しようと思います。


そもそも時オカリンクさん(以下リンク)はどうして戦っていたのでしょう?世界のために戦おうと思った動機とはなんだったのでしょう?

スカウォリンクさんは作品のテーマのように、一貫して「大切な人の助けになりたい」という理由です。爆発しろ。
トワプリンクくんは「最初は村の子供たちやイリアを助けるためだったけど、それがやがてミドナやゼルダのため」に変化していきました。
風タクくんは妹さんのため。アリルを助けた後も世界を救おうとする正義感というか、責任感というか……流石はあの人の生まれ変わり。

ではリンクは?
少し考えた結果「デクの樹サマという大切な存在を殺したガノンドロフへの憎しみ」が1番最初の動機だったのではないのかなと、思いました。
デクの樹サマが大好きだったから、本当の親のように思っていたからこそ「外へ出たら死んでしまう」と言われていたのに、恐れず飛び出していったのではないでしょうか。
「お父さんのような存在の最後の願い」を叶えるために。そして少なからずともガノンドロフという存在を憎んでいたからだと、私は思います。

そしてゼルダに出会い、「世界のためにガノンドロフを倒しましょう」と言われた時に「世界を救う英雄」に憧れ、そして同時に嬉しかったのではないでしょうか。
森ではミドに「妖精ナシ」とからかわれていたリンク。きっと言葉では癒すことのできない劣等感に苛まれていたことでしょう。卑屈になったこともあったでしょう。
そんな自分でも出来ることがある。世界を救う等という、まるで「選ばれた英雄」のような使命を託される。

きっととても嬉しかったと思います。デクの樹サマだけではなく、色んな人が自分に大切なことを任せてくれるということが。
リンクは「周りに求められて戦っていた」部分もあったと思うんですね。だからこそ、なかったことになった時に色々とこじらせてしまったのかもしれないけれど。


「世界を救うヒーローになりたかった」という子供ながらの憧れを、幾度も死にそうになりながらも叶えたのに。それがあっけなく消えてしまった。
「周りが求めてくれたからこそ戦ったのに」という気持ちがあったから、少しも報われないという現実に憤りさえも覚えたでしょう。
だからきっと、ハイラルでは消えてしまった功績をタルミナで取り戻そうとした気持ちもあったと思います。それも結局は、無かったことになりましたがね……。


リンクはただ戦っていたわけではありません。ハイラルでも、タルミナでも。かけがえのない出会いが沢山ありました。
「キョーダイ」と呼んでくれたダルニア、好意を寄せてくれたルト姫、救いたいと願ったゼルダ、どんな時でも共にいてくれたナビィ。
タルミナで出会い「ありがとう」と言ってくれた人々、友達のスタルキッド、繰り返される過酷な3日間を一緒に過ごしたチャット。

これらはみんな、リンクにとってきっと掛け替えのない人々だったでしょう。命をかけて守りたいと願ったでしょう。
しかし……7年前の世界に戻されたことによって消えてしまったのは功績だけではありません。ハイラルで出会った人々との「絆や思い出」も消えて……
いいえ、初めから無かったのです。タルミナでもそう。初めの日に戻ってしまえば、みんなリンクのことなんて忘れて……いいえ、出会ったことさえもなかったことになるのです。


「キミの友だちは…どんな…ひと?そのひとは…キミのことを…友だちと思っているのかな…」
繰り返される狂気の3日間の中にいたリンクは、この言葉を聴いた時どう思ったでしょう。
どんなに頑張って誰かを助けたとしても、初めの日に戻ってしまえばみんな忘れてしまっている。そんな中で、幼いリンクはどんな思いに駆られたでしょう。
「ナビィがいなくなったのは使命を終えて僕の傍にいる必要が無くなったからで、僕のことを友達だと思ってなかったんじゃ」
そんな思い……疑心暗鬼を抱いてしまったこともあったのではないでしょうか?

「キミのしあわせって、どんな…こと?キミのしあわせは…ほかのひとも…しあわせなのかな…」
誰かを、世界を救えることが嬉しかった。誰かに認めて貰えることが、「ありがとう」と言って貰えることが幸せだった。
だけど結局、7年前の世界のハイラルでもタルミナでも誰もリンクのおかげで幸せになってなどいないので、リンクは自己満足するしかないのです。

「正しいことって…どんな…こと?正しいことすると…本当にみんなよろこぶのかな…?」
正しいと信じ、がむしゃらになって頑張ったことは全て消え去りました。
リンクがやったことなど誰も知らない。誰も喜ばない。そう気づいても尚、リンクは誰かの力になることをやめなかったでしょうか?


リンクはまだ子供でした。友達ができても。その人たちがみんな自分のことを忘れてしまったことに途方もない絶望を覚えたはずです。
時のオカリナを託されたリンクはハイラルにも帰ることができません。コキリ族ではないと知った時、森に帰ることも出来ないと知ったでしょう。
帰る場所も失い、友達も失い、「ありがとう」と言ってくれた人々みんないなくなってしまった。きっと、言葉で表すことのできない寂しさに苦しみ続けたはずです。

トワプリンクくんは子孫という設定なので、「人間」としての幸せはある程度築けたはずです。
だけど、そこに至るまでもとても苦しんだはずです。妻ができても子供ができても。どうやっても過去と、過去の友達と、探し続けていたナビィと決別できなかった。
一方通行だからこそ寂しくて寂しくて、もう1度だけでも過去の友達に会いたくてたまらなくて………。

誰もリンクの心の奥底の苦しみを、寂しさを癒すことができなかったからこそ、リンクはあんな姿になってしまった。
あんな姿になってでも、もう1度ハイラルに帰りたかったのかもしれませんね。


そして再び訪れたハイラルの危機。リンクは自分の子孫のトワプリンクくんに奥義を授けます。
最初は葛藤もあったはずです。トワプリンクくんに成り代わり、自分がハイラルを救えたら……そんな思いを抱いてしまったこともあったのではないでしょうか。
ですがトワプリンクくんが成長する姿を見守っていたはずです。彼の必死な姿を見て、子孫を心配すると同時に愛おしかったのではないかと思います。

最後の奥義を授けた時、とても頼もしく成長した彼の姿を見たリンクは

「勇者として生をうけながら後世にそれを伝えることの出来なかった我が無念も、ようやく晴らすことができた」
「怯まずに進め、我が子よ!」

トワプリンクくんを我が子と呼び、消えました。
彼の旅を、戦いを見守り続けたリンクはその過程でどんな感情の変化があったのでしょうか。どんな風に吹っ切れたのでしょうか?

今はまだ察することはできませんが、最後の「怯まず進め、我が子よ」という言葉には、リンクの愛が込められているのではないかなと思います。
そしてリンクから授けられた奥義で戦うトワプリンクくんの姿を見た時、今まで思いが一方通行だったリンクはようやく誰かと両思いになれたんじゃないかなと、
すごく無理やりかもしれませんけど、そんな感じがしました。
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