
これは、スポーツ記者Jから聞いた内緒の話(事柄の性質上、球団名、人名は匿名とします)。
ある野球チームのエースPと、彼の無二の親友で女房役の名捕手Cは、打者ごとにサインを変えるので、味方のチームの野手でさえ球種が分からず、打球コースの予測もつかないことで有名です。ところがそのサインの中に常に不変のサインが一つあり、それは人さし指、中指、薬指の三本を下に向けたものでMを意味するというのが記者Jの説。CがサインMを出すのはPの集中力が落ちそうな時で、そのMでPはどんなに疲れていても急にニコニコ顔になり、目も覚める豪速球を放り込むそうです。記者JによるとサインMはザ・マッカラン以外に考えられないとのこと。でなければ肉体的・精神的にあれほど変わる筈がないというのです。ピンチの局面でマウンドのPが笑ってうなづいたら、Cからのサインは「今晩、Mをおごるぜ」のM。一杯への歓びめざして豪腕が放つ矢のような快速球。球種は、もちろんストレートだとか。
ザ・モルト:1/10 |