国会では15日、衆議院予算委員会の閉会中審査が行われ政府が観光支援などのために来週22日から始める予定の「Go Toキャンペーン」の是非を巡って論戦が交わされた。

野党が、新型コロナウイルス感染者の増加をふまえ、今やるべきではないなどと批判したのに対し、西村経済再生担当相は、感染状況について16日に専門家の意見も聞いたうえで、国土交通省で適切に判断すると説明した。

また、安倍首相の出席なしでの審議になったことを野党が批判したのに対し、委員長が野党も合意のうえであると言及したことから、紛糾する場面もあった。

国民民主党・馬淵元国交相「Go Toトラベルキャンペーンの(4月の)閣議決定では、(実施の時期は)明確に『国民の不安を払拭した後』、『コロナ感染症拡大が収束した後』であります。(今回の実施は)この決定を覆していることになりませんか」

西村大臣「国民の皆さんの不安を払拭しながら、配慮しながら進めるのは当然のことです。専門家のご意見をしっかりお聞きして、あす分科会も開いたうえで適切に判断してされていく」

馬淵議員「閣議決定を変更したということですか。そうではなくて(コロナ感染が)収束したと判断したということですか」

西村大臣「その閣議決定は生きています。従って大きな流行は収束させたと判断し緊急事態宣言を解除したところです。足元の感染状況はきめ細かく分析して、専門家の意見を聞いて適切に判断していくことになる」

馬淵議員「テレビをご覧の方々は、(政府が)こういう決定をしておいて、今非常に中途半端な状況におかれていることに不安を感じますよ。不安の払拭どころじゃないですよ、不安の増幅ですよ。なぜ今なのか、なぜ移動を促進させていいのかの二点です」

西村大臣「感染状況、それからご指摘のあった国民の感情、心情にもしっかりと寄り添いながら、国交省において検討され適切に判断されると考える」

馬淵議員「閣議決定で責任は総理です。安倍総理は対策の時には『前代未聞』、『世界トップクラス』等々のさまざまな修飾語を付けここまでやったと言われるが、その後の尻拭いは西村大臣に押しつけているのでは。なんでここに来ないんですか」

棚橋予算委員長「本日の委員会は参考人質疑で、国務大臣は西村大臣のみの出席と言うことで全会派一致している」

立憲民主党・本多議員「委員長は先ほど与野党合意できょうは西村大臣だけだと発言されたが、われわれはやむなく合意しているだけなんですよ。総理の考えもしっかり聞きたいことたくさんあるんですよ。その中で安倍総理が逃げ、与党は安倍総理を隠している」

棚橋委員長「理事会で全会一致で参考人質疑として合意し、西村大臣だけ出席となった」

本多議員「そんなことはわかったうえでやむを得ずといっているんですよ」(場内騒然)

本多議員「緊急事態宣言を出すようなことになったらGo Toキャンペーンは一時中止にするということでいいか」

西村大臣「当然、緊急事態宣言を発出したら、そういった状況ではなく、それぞれの皆さんに自粛をお願いしたり、休業をお願いしたりする状況になる。当然そういったこと(Go Toキャンペーン)はできないと思う」

本多議員「世界でコロナの最中に旅行推進キャンペーンを政府がお金を出してやっている国はどこかあるか」

西村大臣「お金を出しているかは承知していないが、観光を推進している国はあると承知している」

本多議員「お金を出しているかどうかが大事なんですよ。この波が起こったときにこんなことやるのは、本当に見直しを真剣に検討していただきたい」

16日は参議院の予算委員会で審議が行われ、引き続きGo Toキャンペーンの是非などが議題となる。