往年の映画館の雰囲気を漂わせた手描き看板風の横断幕(京都市上京区・出町座)

往年の映画館の雰囲気を漂わせた手描き看板風の横断幕(京都市上京区・出町座)

 京都市上京区のミニシアター「出町座」が、上映作品を宣伝する手描き看板風の横断幕を掲げた。昭和の映画館を思わせるアナログ感あふれる仕上がりで、シアターが面する出町桝形商店街の買い物客たちの目を引いている。

 「日本侠客伝」(1964年)、「新幹線大爆破」(75年)など、60~70年代製作の東映3作品を上映するのにちなんだ企画。縦約60センチ、横約250センチで、出町座のスタッフたちが当時のポスターや宣伝資料、予告編などを基に図案と仕上げを手掛けた。
 「県警対組織暴力」(75年)では、菅原文太さんと松方弘樹さんの顔を左右に大きく配し、両スターのぎらぎらした存在感がひときわ目を引く。「戦慄(せんりつ) ダーティ文太の凄(すご)い迫力」(県警-)、「これぞ任侠(にんきょう)!これぞ東映」(日本侠客伝)など、観客の好奇心をあおる当時のキャッチコピーもあしらった。
 横断幕を掲げた後は、封切り当時を知る年代の通行人から上映時間などを尋ねられることも増えたという。田中誠一支配人は「看板は映画館としての雰囲気を高める装置なのだと再認識できた」としている。7月末にかけ、各作品の上映期間中に掲出する。