2009年3月22日(日)クインテット三部作~ガイア幻想紀 | |
総評:ガイア現実紀
いわゆる「クインテット三部作」は『ソウルブレイダー』『ガイア幻想紀』『天地創造』ですが、今回は第二作目の『ガイア幻想紀』について特集します。 このゲーム、題に「幻想」とついてますがそんなファンシーな内容ではありません。 少しでも多くの人にこのゲームを知って欲しいので、これから全編ネタバレで紹介します。
あらすじ 白鳥座から一定の周期で飛来する巨大な彗星の力は、生物を進化させてきた。
■あの世界遺産が冒険の舞台! ■キャラデザは少女マンガ家の萩尾望都先生 ■戦闘時の変身機能が便利 ■台詞が流れる音の高低や文字の色がキャラごとに違う
【物語の始まり】 教会の居残りを終え、いつも通り洞窟で仲間と遊ぶ主人公テム。 ちなみにメンバー構成↓ テム:超能力者。父は冒険先で遭難、母は死去。おじ、おばと暮らしている。 なんかこれだけでも一つのドラマができそうですが、物語はここから始まります。 夕方、テムが家に帰ると見知らぬ女の子と豚がいました。 何やらフラグが立つ カレンの父エドワード王は暴君で、テムの持つ水晶の指輪を手に入れるためテムを城に呼び出し、地下に監禁します。
イトリー族の村でテムは”世界に散らばる遺跡に隠されたミステリードールを集める”という使命を知り、まずインカ帝国の遺跡でミステリードールを入手します。 それから船でカレンとリリィ、そして三人の仲間達と合流しますが、海の魔物リバイヤサンが接近しモリスだけ真っ先に喰われ、船は難破してしまいました。 しかしテムはカレンと漂流して二人きりに。
カレンは最初の方こそ「海が綺麗、一日中見ても飽きないわ」等と余裕かましてますが、段々お嬢様根性をむき出しにしてきます。 「お魚さん可愛い~」と言ってるカレンの横で魚を獲って喰う主人公。 「こんな可愛いお魚さん、食べたら可哀相じゃない! しかし空腹も限界になり、ようやくカレンも魚を食べ始めます。 しおらしくなる王女 漂流して一週間、テムは「カレンが自分の中で特別な存在になった」と独白します。 そんなある日、二人が乗るイカダの周りをサメがグルグル回ります。 悟り始める王女 漂流して二週間、テムもカレンもボロボロの姿になっていました。 ギャグに目覚める王女 2ドット...今はもう通じないかもしれない。というか、いいのかこの発言。 彗星が空に輝く夜、さらに二人の仲が深まります。 彗星の絆 「この時間が続きますように」と願うかの如く寄り添うカレン。 その後テムは栄養失調で気絶、カレンが「私を一人にしないで」と泣き叫び画面は暗転。
なんだかんだでカレンの方が丈夫という事実が判明したところで二人は救助されました。 次に向かった先は花吹雪が舞うおとぎの街フリージア。 さらに街の裏通りを抜けるとそこはスラム街で、なんと奴隷の取引が行われていました。 奴隷オークション会場 ちなみに本作では”赤い宝石”という”小さなメダル”的なコレクトアイテムが存在するんですが、ここではそれを入手するため奴隷商人に逃げた奴隷の居場所を教えなければならないという鬱展開が待ってます。 そこでテムは多くの奴隷を解放し、奴隷にされたエリックを助け、助けた奴隷から”記憶が戻る歌”を教えてもらい、ロブの記憶を戻しました。
テムのいとこの科学者ニールおじさんと共にナスカの地上絵から空中庭園へ移動。 この辺りは実にファンタジーらしい展開なのですが、問題はその後の地底脱出編。 テム一行が地底を彷徨っていると、上でリバイヤサンの暴れる音がします。 「モリス可哀相...」と涙ぐむ一同(それまでモリスのこと忘れてたが) しかしニールおじさんは、モリスはある意味幸福だと諭します。 ところで、やっぱり「モールス」信号と「モリス」はかかっているのだろうか。
やっとのことで地上に出、今度は住民が全員鬱入っている「堕天使の町」を訪れます。 人間が進化した姿らしい 退廃的な町と対照的に、主人公一行が生き生きしているのが、この面の見どころです。 リリィがテムにべたべたするのを見てカレンは嫉妬し、狂言自殺をはかります。 何やら修羅場の予感です。
暗い展開が続きましたが、ようやく水上家屋の街ウォータミアで明るい話題が。 ロブが遭難していた父と感動の再会!と思いきやロブの父は心が遭難していました。 ロブは気を取り直し、宣言通りリリィの誕生会でリリィに告白します。 テムも万里の長城へ向かい、そこでリリィとロブを引き合わせると.... こうしてロブとリリィは、ロブの父の介護のために街に残ることになりました。 カップルが成立する一方、テムは砂漠を渡るため”ロシアングラス”に挑戦します。 男の遺書には「俺は不治の病だから死んだつもりで博打をしただけだ、気にするな」とありましたが、残された妻は「私はお金なんていらない、少しでも一緒にいられればそれでよかったのに...」とイカサマで勝利した主人公の心をえぐるようなことを言いました。
大都市エウロは、ニールおじさんの両親が経営する貿易会社で潤っていました。 悪魔は教会の裏で奴隷貿易をしている 悪魔を追い払った後、ニールおじさんは会社を継ぐために主人公達と別れます。 テム、カレン、エリック、そしてカレンのペットの豚ぺギーとアンコールワットへ...
三人と一匹は無人の村に泊まると、やってきた村人たちに縛り上げられてしまいます。 なんとここは『人食人種の村だった...』(アナウンス)。火であぶられそうになる三人。 すると豚のペギーがやってきて... 自ら火に飛び込みました。 ブッダのようにテムの母が登場。 ペギー、合流したばかりなのに...これじゃ焼かれるために登場したも同然です。 ひどい(笑) ペギーが犠牲になったことで三人は助かり、村人の心にも変化の兆しが見えました。 多分これ、ガイアをプレイした人の「トラウマになったシーン第1位」だと思います。 ここのダンジョンはアンコールワットですが、正直このイベントの方がキツかったです。 今の地球は間違った進化をしているので、正しい地球に戻すため彗星を退けろとのこと。 「これが正しい進化をした地球?灰色一色で気味が悪い!」と嫌がるテム。 90年代には珍しい、文明に肯定的な意見 ガイアはここが一番の山場だと思います。ペギー焼身自殺も含めて。
一行は最後のミステリードールがあるピラミッドに行くためダオに到着。 四人の少女が黙々と織物をしている フリージアの奴隷といい、おぼえる人多すぎ ピラミッドではカレンを追って来た王様の刺客と対決することになりますが、テムは笛を吹き防犯用の仕掛けを作動させて焼き殺します。ロシアングラスといい、何気に卑怯ですね。 どう見てもテムも燃えてる 最後のミステリードールを入手し、ついに最終決戦の地バベルの塔へ出発です。
カレンだけは「テムと共に最後まで冒険したい」と言って、ついてきました。 テムとカレンは人類が作り出した光と闇の戦士なので中に入っても平気らしいです。 ここでテムは塔内の急激な進化によって霊体になってしまった父と再会します。 最上階では魂となったモリス(結局死んでたのかよ)やぺギーにも再会しました。
正しい進化を始める地球を彗星からながめるテムとカレン。 場面は変わり、そこは夕日の沈む「1993年のバベルの塔」こと都庁。 エンドロール後、下校するテムとすれ違うカレンや仲間達の画でTHE END。
このゲームはご覧の通り、やたらと鬱なイベントがあるのが特徴です。 この形だからこそシナリオが記憶に残るし、紙芝居として見ても面白いです。 自分の中で「ガイア幻想紀」は何度プレイしても飽きないゲームです。 |