世界遺産を3Dデータ化して無料公開!GoogleとCyArkの太っ腹プロジェクト

4月18日は世界遺産の日(World Heritage Day)。この日にGoogle Arts & Cultureと非営利団体CyArkが共同で世界遺産の3Dデータを無料で公開する「オープン・ヘリテージ」(Open Heritage)をローンチした。

失われゆく遺跡たち

自然災害や人の手により破壊されていく文化遺産を後世に残すべく立ち上がったこのプロジェクト。元々CyArkは最新技術を用いて世界の文化遺跡を3Dデータ化しオンラインで無料公開することを目的に2003年に設立されたNPOで、現在までに25以上の場所がスキャンされ、データ公開されている。そこにGoogle Arts & Cultureが提携し、公開したのがこの世界最大の遺跡データコレクションである「オープン・ヘリテージ」なのだ。

 

蘇るガバン遺跡

たとえばそこに見ることが出来るのは、2016年の大地震で何百もの遺跡が損傷を受けたミャンマーにある1000年以上前の仏教遺跡、バガン。今回のプロジェクトでは高解像度スキャンを用いて遺跡をデジタルで復元した姿や、それぞれの遺跡の3Dモデル、ウェブブラウザ上から詳しい解説付き(英語のみ)で遺跡の中を一人称視点で探索できるコンテンツなども公開されている。

なお公開されているのはガバンの遺跡だけではない。メキシコのチチェン・イッツァ、シリアのアゼム宮殿、ドイツのブランデンブルク門、ニュージーランドのワイタンギなど18カ国から27の遺跡が公開されている。

 

遺跡を記録する技術

遺跡をデータにするために使われる技術も様々だ。無人運転車などにも使われているリモートセンシング技術LiDARを始め、3次元の360度画像、写真測量法、立体照明スキャン、またドローンによる撮影などにより遺跡のデータが記録される。記録されたデータは3Dで立体化され、そこに可視光写真を合わせてリアルに3Dで再現されるのだ。

一般の人が立ち入ることのできないような重要な遺跡も、このような技術により遺跡に損害を与えることなしにデータ化し、誰もがバーチャルに楽しめるようになるというわけだ。人類の残してきた素晴らしい文化遺産の数々、こうして後世に永く伝えることができるのは喜ばしいものだ。