15世紀にコロンブスがアメリカ大陸を発見したことに端を発する「大航海時代」。列強が新航路を発見することに躍起に担っていた時代の少し前に、当時の世界に大きく影響を与える発明がなされていた。活版印刷だ。
宗教改革などに多大な影響を与えた活版印刷はその後数百年に渡って利用され続けて後継にその役目を譲ったが、今年の2月に発売された活版印刷機を作るムック本が飛ぶように売れ話題を集めるなど、現代になってその価値が見直されつつあるようだ。
活版印刷とは、その名の通り版(金属などによって作られたハンコのようなもの)にインキを塗り、それを紙に押し付ける印刷方法だ。動画内で紹介されているものは、インキ皿と呼ばれる箇所に点状にインクをつけ、それをローラーが皿全体と印刷する版にインクを塗り拡げる方式を採用したもの。あとは、紙を入れて印刷するだけ。印刷のずれは人間が判断して修正する。
そうやって作られた印刷物(招待状や名刺など)は活版印刷ならではの凸凹がつき、アナログならではの味わい深さのある一品に仕上がっている。画一的に仕上げられた製品があふれる中で、一つ一つ手作りされたかのようなその「手作り感」が人気を呼んでいるのかもしれない。