飛沫感染する細菌やウイルスが流行しているときは、人の飛沫(せきやくしゃみをしたときのしぶきなど)を浴びない、人に飛沫を浴びさせないことが重要です。
なかには、「極小の細菌やウイルスは布地の編目を通り抜けてしまうから、マスクは無意味」という人もいます。たしかに、細菌やウイルスにとって、マスクの布地の網目は容易に通り抜けられるほどの大きさですので、細菌やウイルスそのものをマスクで防げるわけではありません。
しかし、それが問題になるのは、空気感染やエアロゾル感染の場合です。
新型コロナウイルスやインフルエンザのように「飛沫感染」するウイルスの場合は、細菌やウイルスが含まれている飛沫をブロックすれば、感染を防ぐことができます。その点で、マスクは効果的といえます。
では、人の飛沫を浴びてしまう、人に飛沫を浴びさせてしまう可能性があるのは、どんな状況でしょうか。
まず、「三密」の空間は、間違いなく当てはまります。「三密」でなくとも、人と会って話すときや、満員電車にも、飛沫感染のリスクがあると考えたほうがいいでしょう。こうした空間では、マスクが有効です。
しかし、1人で街中や公園を散歩するなど屋外にいるときや、屋内でも、約2メートル(飛沫が飛び散る範囲の目安)の「ソーシャル・ディスタンス」が保たれている状況では、マスクは必要ありません。
特に夏になり気温が上昇してくると、熱中症のリスクも高まります。周囲に人がいない時、1人でいるときはマスクは外してかまいません。特に子どもは地面からの熱を受けやすく熱中症の危険性が増しますので、注意してください。
ただし、途中で誰かに話しかけられるといったことがあるかもしれません。そのときはマスクをしたほうがよいでしょう。