無能政府が「Go To」強行…海外旅行はいつから現実的に?
今月22日から「Go To キャンペーン」が実施される。まずは国内観光需要の喚起を目指しているが、海外も順次、日本人を含む渡航自粛の一部解除を表明している。今はあまりおすすめはできないが、どんな国が誘致を始めているかは気になるところだ。
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先週10日、英国政府は水際対策として入国者に義務づけてきた2週間の自己隔離措置を解除した。今月からパブやレストランの営業が開始されたのが理由で、世界59の国や地域を対象に日本人も到着後、自由に行動できるようになった。
フランス政府も今月から欧州以外の日本を含む13カ国からの入国者の行動制限を解いた。現在、日本航空は羽田―パリ直行便を週2便で再開している。
特に、観光業が主要産業のリゾート地は夏休みを前に続々と旅行者の受け入れを表明している。新婚旅行先としても人気のモルディブも15日に、日本人を含む世界各国からの受け入れを再開する。
モルディブは、インドとスリランカの南西に位置しており、1190の島からなるインド洋の島国だ。驚くことに、旅行者が新型コロナウイルスの陰性証明書やPCR検査の結果を求められることさえないという。症状がなければ、検疫の必要もない。
「最初にリゾート島、住民が住んでいない島にあるホテルの営業を再開します。一方、マーケットなどが揃い、人口密度の高い首都マレ島は解除がまだ先になります。ただ、モルディブの旅は、ワンアイランドの滞在で十分楽しめます。特にリゾート島は水上コテージの滞在がスタンダード。ビーチ遊びやダイビング、シュノーケルなど屋外アクティビティーが中心ですから、旅行者同士の距離も保てます」(モルディブ政府観光局担当者)
条件は、モルディブ観光省が認定する宿泊施設への事前予約と、乗り継ぎ以外は、宿泊は1カ所にまとめることだ。
「とはいえ、日本人観光客のハードルは高いです。ベストシーズンは乾季の11月。この時期になれば、毎日晴れていますから、状況が改善したらモルディブを候補にしてほしいですね」(前出の政府観光局担当者)
大手旅行会社のツアー、10月以降はちらほら埋まる
日本人の年間旅行者数約150万人のハワイでも、8月1日に入国が緩和される。すでにレストランや天文台、人気ホテル「ハイアット・リージェンシー・ワイキキ・ビーチ・リゾート&スパ」やショッピングセンター「アラモアナセンター」などは営業中だ。
条件は、出発する前の72時間以内にPCR検査を行うこと。陰性であることの証明を提示すれば、14日間の自己隔離が免除される。
空港に到着後は、検温し、38度未満で症状がなければ書類に住所などを記入するだけで、それ以上の行動の制限はない。大手旅行各社のHP上にはハワイ旅行のツアーが組まれていて、10、11月以降は空席待ちもちらほらみられる。ほかにタイやグアムなども、「残席わずか」「オンライン受付終了」の文字が並んでいる。
阪急交通社は、8月31日出発まで海外ツアーを中止。JTBは、外務省の危険情報レベルを基に催行判断し、“レベル2以上の場合、原則催行中止”としている。
「8月末出発まですべての国や地域で催行中止にしております。現状、9月出発以降の海外旅行はすべての商品が申し込みできますが、やはりまだ申し込みが殺到しているという状況ではありません。今後の状況次第では催行中止の期間が延長となることもあります」(JTB広報担当者)
インドネシア・バリ島も、9月11日に海外からの観光客を受け入れる。
ちなみに、高級リゾートのカンクン(メキシコ)も渡航は可能。メキシコは日本からの入国制限や自主隔離も強制されていない。ただし、感染者数は多いので、米国経由は不可。メキシコシティーかトロント(カナダ)経由の飛行機なら移動は可能だ。
「自主待機解除の見通しはたっていない」
こうしてみると、順調に感染拡大が減っていけば、秋以降には一部の国や地域で海外旅行が現実的になるのだろうか――。
もっとも、外務省のHPでは多くの国や地域で「感染症危険情報レベル3(渡航中止勧告)」のまま(13日現在)。問題なく旅行ができるのは、レベル1に下がり、日本帰国後14日間の隔離が解除されることが条件だ。
「検疫でのPCR検査、14日間の自主待機の解除の見通しは、当面たっていません」(海外安全相談班担当者)
そもそも、1週間海外に行けたところで、2週間の自宅待機はキツい。現実的にも、普通のサラリーマンには難しいだろう。今は渡航先を探しながら、安心して出掛けられる日を楽しみに待ちたい。