Kotaro Murouchi@KotaroTanabeおっさんへの応援歌 しがないおっさんとリアルJKの恋愛物語 (全てフィクションです) 「こんにちはぁ」 とある地方都市、そのまた場末のコンビニ駐車場 君が選んだ待ち合わせ場所だった。 「すみません遅くなって」 前髪を触りながら笑顔で僕を覗き込む君がかわいかった。 「えと、夕方四時に午後0:22 · 2020年1月28日·Twitter for iPhone5 リツイートと引用リツイート
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·1月28日返信先: @KotaroTanabeさんここに戻る感じでお願いします」 いきなり現実に引き戻された。 そう、この関係はいわゆる、え、ん。 援助交際だ。 30年間勤めた誰もが知る企業の早期退職勧告、と言えば聞こえはいいけれど、要はリストラされた、僕。 割り増し退職金をもらい、毎日ぼんやり海辺の道に車を走らせぼんやりコーヒー1
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·1月28日を飲んで、夕陽を見てぼんやりして、帰る日々、聞こえはいいが、言わば、ただ生きてるだけの日々を過ごしていた。 そんなある日、いつもの掲示板をこれまたぼんやり眺めていると、君がいた。 「長く続くババがいいな」 ババこれがババ活… 悪いことなんだろうな、という感じはした。が、30年以上1
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·1月28日ただ真面目に生きてきた50過ぎの「僕」には、失うものは何もなかった。パソコンの傍らには、古ぼけた写真立て。黄ばみ始めた写真には、微笑む3人の親子が写っている。 パソコンに視線を戻すと、もう指はクリックしていた。 慣れた手つきで君は場末のラブホテルの大きな鏡に向かって髪をとかしてた。1
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·1月28日よく来るの?ここは? 「えーとねー何万回聞かれた気がする」 あ、ごめん、ごめん、大学はどう? 「まあまあかなあ、友達多いし」 そか、これでも一応博士だから何かあったら教えてあげられるよ。 そこで、君は初めて僕の顔を見た。 「へーそんな人初めて、何でこんなこと?」 一応身体を合わせた1
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·1月28日気安さか、君は少し興味を持ったようだった。 家族がいたんだ、昔、ね。今は失うものは何もないから。 「あーね、離婚かぁ、寂しいの?」 寂しいのは突き抜けたなぁ、毎日朝起きて今日は何しよう、また今日も海辺かな、死ぬ勇気ないし、とかね。 「で、うちのパパか、ま、そろそろ出ようよ」1
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·1月28日そうだね カバンを持ち上げた君に、少し緊張して、言った 明日、また、会えるかな 一瞬静止してから 「今日と同じ時間ならいいよ」 振り返って笑った。 「毎度ありぃ、だし」 それから1週間毎日、会った 帰り際に、明日… 「うん、いいよ」 その間に、僕に1つの疑問が湧き上がった。 で、ある日1
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·1月28日ね? 「うん?」 1週間毎日会って、やって、の関係で、君は気軽に振り向いた。 本当に学校行ってるの? いつも明るく、50過ぎのおっさんをからかう顔がみるみる固まる。 「本当のこと言ったら、今日で最後かな」 居住まいを正して僕は言った ごめん、無理なことはわかってる、僕の年齢考えたら、でも1
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·1月28日寂しいからじゃなくて、お金が間にあるのが嫌なんだけど、真面目に好きなんだ、見てて分かると思うけど 「マジマジで言ってる?」 失うものは何もないから大真面目なんだよ しばらく君は下を向いた 「うち、今週期末テスト期間だったから…だから午後は急いで帰ってきて」 そうかテストかぁ…え1
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·1月28日期末!期末テスト? 高校生 「うん、言ったらもう会わない、言うと思って…」 …… え、三年だよね、18だよね… 「え、あ、うん、それは…」 ああ、よかった、犯罪者で人生終わるかと思った… でも、こんなおやじぃだからね、まあ関係ないよね、まぁね、とかなり気が動転してた おやじぃだけどいい?1
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·1月28日「あのね、うちね、何人もやってきたんだ。みんなね自分勝手。まあもらえるものもらうたらいいや、って感じだった、けどね」 けど? 「よくわかんない、けど、生まれて初めて男の人と明日も会ってもいいな、と思った、明日はこれ話そう、と思った、だから…」 50過ぎのおっさんが自称女子大生を1
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·1月28日抱きしめていた君はただきょとん、としていたけれど、僕は何十年ぶりかに、人前で泣いていた。 明日も、会える? 「うん、ちょっと時間遅くなるけどい?」 うんうん、お迎え行くよ、どこにする? 「うちの学校の近くまで来れる?」 教えてくれたら行くよ 「あーね、じゃあ」 地域ではかなり偏差値の高1
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·1月28日い高校の名前を君は口にした。 「200メートルくらい離れたところに、ホットモットのお弁当屋さんがあるから、そこの駐車場で。2時かな」 「り」 もうその頃にはリアルJK言葉をマスターしていた。 (続く…)1
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·2月5日毎日毎日「お迎え」に行った。 君は忘れ物をしたふりをして友達を振り切ったりしたり、と小技を駆使して車に乗り込んできた。 「今日は家帰る」 「今日は駅前のカフェで勉強する、カフェ代ちょうだい」 毎日毎日ただただにこにこしていた。 ある日突然消えた娘がいれば同じ年齢。娘の代わり…1
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·2月5日そう思う時もあった。 君に聞かれた。 「娘さんに会いたい?」 ああ、そりゃね。 うちも小さい時パパっ子だった。何でもパパ、パパで。 だから家の車のナンバーはうちの誕生日 ナンバー変えたくないからもう10年買い替えてない。 でもね、中学生からパパと口もきかない。本当は好きなんだけど態度は1
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·2月5日汚いからタオル一緒にしないでっ、って毎日叫んでる。 だからね、小さい頃のいい想い出だけでよかったかもしれないよ。 よかったかも… そんなこと考えてもみなかったから、慰めにしても元かのの言葉は沁み入っていった。 そうなのか…あの子にとってよかったかもしれない、のか…1
Kotaro Murouchi@KotaroTanabe·2月5日お久しぶりです。 もう何カ月も鳴ることもなかったLINEが鳴った。 1年ぶりくらい? 元かのからだった。 何その他人行儀? だってうちと違って偉い偉い人だから、さ …で?どうしたの? あーあのね… もうあの頃の君のLINE口調に戻ってた おやみー いつもの一言でLINEを終えた あの頃と何も変わらない