2016 参院選
「投票へ」若者ら訴え
●郡山でイベント、母親らも参加
「参院選に行こう!」―県内に住む若者たちが4日、郡山市のJR郡山駅前で、投票を呼びかけるイベントを開いた。投票に行って政治に積極的に関わることを「イケてるカルチャー」に育てたいという。
グループは「平和と平等を守る民主主義アクション」(Democracy Action to Protect Peace and Equality=略称・DAPPE)。約20人のメンバーが交代でステージに上がり、ラップ音楽のリズムに乗せて「選挙に行こうよ!」「政治を変えよう!」と声を上げたり、県議らと政治に参加する意義を語り合ったりした。
イベントが開かれたのは前日、安倍晋三首相が自民党現職の岩城光英氏(66)への支持を訴えた広場。千人以上が集まった前日と比べ、聴衆は百人足らずと少なかったが、若者に交じって子育て中の母親らも参加。「このままで明るい未来はあるのか」など、思い思いの言葉を紡いで声を張り上げていた。
街頭行動とトークショーには、自民党以外の野党各党の代表や民進党現職の増子輝彦氏(68)が参加。増子氏が「安倍さんがダメだと思う人が結集しないと今の政治は変えられない」と訴えると、若者たちは「僕たちも増子さんと一緒に政治を考えていきたい」と応じた。
●「政治を変えるチャンスだよ」
福島弁の語尾の「だっぺ」にもかけた若者グループ「DAPPE」―その前身が結成されたのは昨年6月だ。今では安全保障法制に反対するデモへの参加やインターネット上の交流でつながった県内の50人ほどで構成。ほとんどが20代だ。
今回の参院選では若者に投票を呼びかけつつ、野党共闘支持の姿勢も鮮明にする。一方でメンバーの中には「安倍首相が国民のためになる政治をすると判断できるなら、自民党だって支持する」と言う人もいる。
安倍政権に「ノー」を突きつける理由は何か。「国民生活を見ていない。不信感を持たざるを得ない」と会社員の遠藤雄さん(31)。団体職員の佐藤大河さん(30)は「憲法の解釈など、自分たちの都合で何でも変えてしまう」と指摘する。
大橋沙織さん(24)は一人暮らし。消費税が8%になった時もきつかったが、さらに10%に引き上げられるのも福祉充実のためならやむを得ないとも思っていた。将来の社会保障に不安を感じるからだ。
だが、安倍首相は消費増税を2019年10月に再び先送り。「延期に反対している国民もいるはず。選挙の人気取りのためには何でもやるってこと?」
久保田亮さん(27)は今回の参院選にこんな期待をかける。「関心を持って自らの代表を選ぶことで、政治は変えられると実感できるきっかけにしたい」
今回初めて投票権を手にする18~19歳の若者に対し、大橋さんは「政治に関心を持つのは難しいかもしれない。でも、政治は生活に密接にかかわっていることを知って欲しい。楽しく生きられるように、政治を変えるチャンスなんだよって」と呼びかけている。(鈴木剛志)
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