【間違えやすい言葉】「内包」と「包含」と「外延」の違いについて

何気なく使っている言葉でも、本来の意味とは異なる日本語は多くあります。今回は、その中から、「内包」と「包含」と「外延」の意味の違いをみていきましょう。

更新日: 2016年06月08日

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KleinStateさん

内包の定義


内部にもつこと。 「危険性を-する」

〘論〙 ある概念において,その適用される事物(外延)が共通に有する性質。概念に含まれる意味・内容。例えば,「人間」の内包は人間を特徴づけるさまざまな性質。さらに「日本人」の内包は,これに「日本国籍をもつ」などが加わる。「日本人」は「人間」に対して内包を増すが,外延は減ずる。 ↔ 外延 〔西周(にしあまね)「致知啓蒙」(1874年)に英語 comprehension の訳語として載る。その後,論理学で intension や connotation の訳語として定着〕 → 概念

外延の定義

〘論〙 ある概念に対応する事物ないしその集合。例えば「動物」の外延は人間・犬・猿など。 〔西周(にしあまね)「致知啓蒙」(1874年)に英語 extension の訳語として載る〕 ↔ 内包 → 概念

包含の定義


つつみふくんでいること。 「この詩は深い悲しみを-している」 「神は無限の愛なるが故に,凡べての人格を-すると共に/善の研究 幾多郎」

〘哲〙 〔implication〕 ⇒ 含意(がんい)②

「内包」「包含」「外延」の違い

内包: 共通の ”性質” が含まれること。
外延: 共通の性質が、どの "要素" に含まれているか、その適用範囲。
包含: あるものが他のものを、一つの "要素" として含んでいる "関係性"。

内包 → 共通の性質
外延 → 同じ性質を持つ要素
包含 → 要素の関係性

具体例

内包
論理学で、概念が適用される事物に共通な性質の集合。例えば、学者という概念の内包は「学問の研究者」など。⇔外延。

デジタル大辞泉からの引用

外延
論理学で、概念が適用される事物の集合。例えば、惑星という概念の外延は水星・金星・地球・火星・木星・土星など。⇔内包。

デジタル大辞泉からの引用

また、Wikipediaでは「外延」の項で外延は事典的規定側面であり、内包は辞典的規定側面。という説明がある。

Wikipediaからの引用

「内包」「包含」「外延」を表す英語

「内包」
intension:in(内に)+ tension(延ばしたもの)
connotation: con(共に)+ notation(記したもの)

「外延」
extension:ex(外に)+ tension(延ばしたもの)
denotation:de(離れて)+ notation(記したもの)

「包含」
inclusion:in(中に)+ clusion(含まれたもの)

これらの言葉は元々、ヨーロッパで発達した論理学や哲学用語やその概念を日本語に訳したものなので、日本語として直感的ではありません。

英語にすると、スッキリとシンプルに理解できるかもしれません。

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