第十二話:世界最強の暗殺者、レベル5と対峙する【三】
それから一か月が経過し、迎えた入学式。
彼女はロンドマルス大講堂の壇上に立ち、よどみなく新入生代表の挨拶を読み上げていく。
「――桜のはなびらが舞い、暖かな春の息吹を感じられる今日、私たちは伝統と栄誉ある私立ロンドマルス高校へ入学することができました。(どこ、どこにいるのよ。ルイン=オルフォード! この私にこんな恥辱と屈辱を与えたあなたを……絶対に許さないんだから……!)」
天使のように柔らかく、太陽のように温かで、まさに入学式にふさわしい晴れの笑顔を浮かべている彼女だが……。その頭の中は、ルインのことで埋め尽くされていた。
その後、入学式は
ルインが下校するタイミングを見計らって、決闘を申し込むつもり……だった。
しかし、
「――一年A組、ルイン=オルフォードくん。至急生徒会室まで来てください。繰り返します。一年A組――」
「もぅ、なんでこんなにタイミングが悪いのよ……!」
校内放送で彼が呼び出しを受けてしまったため、翌日へ延期することにしたのだ。
そして現在。
ルインを
「ふっ、ふふっ……ふふふふふっ! ついに……ついにこの日が来たわ……! ルイン=オルフォード、にっくきあなたへ復讐を果たすこの日が!」
「……ステラ=ノーブルバース、どうやら中々に愉快な性格をしているようだな」
彼女の二面性を垣間見たルインは、敬語を崩して普段通りの喋り方に戻す。
「ふふっ、褒めてくれて嬉しいわ。ルインにはいろいろと言いたいことがあるのだけれど、それはあなたをぎったんぎったんにしてからにしようかしらね。さっ、それじゃ早速だけど、決闘のルールを――」
ステラがさらに話を進めようとしたところで、ルインは待ったをかけた。
「その前に一つ、確認しておきたい。何やら随分と恨みを買っているようだが……正直言って、まったく心当たりがない。俺が君に何かしたか?」
「いいえ、あなたは別に何も悪くないわ。強いて言うのならば、これは……そう、『私怨』よ」
「私怨か」
ここまで面と向かってそう言われれば、もはや呑み込むほかない。
「それで決闘のルールなんだけれど、とりあえず……先に相手を戦闘不能にした方が勝ち。使用魔法に制限はなし。ただし、致死性の攻撃は禁止。――こんなところでどうかしら?」
「あぁ、それで構わない」
ルインがコクリと頷けば、ステラは「決まりね!」と無邪気な笑みを浮かべる。
「先に言っておくけど、私は『レベル5』の魔法士。油断していると痛い目を見るわよ?」
彼女はそう言って、自信満々に五本指を立てた。
レベル5の魔法士は、国内最上位クラス。
その認定基準はレベル5の魔法――『単独使用で、一個師団を崩壊させうる魔法』を行使可能なことであり、不幸にも戦場で対面した場合は、「武器を捨てて迷わず逃げろ」と言われるほどの大魔法士だ。
「レベル5か、それは凄いな。俺はレベル2だから、手加減をしてくれると助かるぞ」
ルインは全く心の籠っていない言葉を淡々と紡ぐ。
一度でも彼と
「ふふっ、まぁ善処してあげなくもないわねぇ」
「このコインが床に落ちた瞬間、決闘開始よ。ちなみに……私の魔法は恐ろしく速いわ。ちょっとでも気を抜けば、一瞬で病院送りになっちゃうから、精々気をつけてね?」
「ご忠告、痛み入るよ」
「さて、それじゃ――始めましょうか!」
彼女は右手を前に伸ばし、親指でピンとコインを弾く。
それは天井スレスレのところまで上昇した後、クルクルと回転しながら落下していき――カキンと床に落ちた。
「――食らいなさい! <
ステラがレベル3の具現化系魔法を展開しようとしたそのとき、
「あ、れ……?」
彼女の視界から、ルインの姿は消えていた。
その直後、
「――後ろだ。ちゃんと受け身は取ってくれよ?」
感情の籠っていない冷めた声が、背後からスッと響く。
「っ!? 甘い……ッ!」
ステラはレベル2の対物障壁を超高速展開し、ルインの蹴りをしっかりと防御してみせた。
だが、
「う、そ……!?」
対物障壁は粉々に砕かれ、強烈な一撃が右肩を抉る。
ルインの強力無比な蹴りを防ぐつもりならば、最低でもレベル3以上の対物障壁が必要だ。
「~~ッ」
ステラは痛みを噛み締めながら、なんとか受け身を取り――大きく距離を稼ぐ。
「ふむ、あの一瞬でレベル2の対物障壁を展開するとは……中々の魔法演算速度だ。『レベル5』は伊達じゃないな」
ルインはまさに
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