朝鮮日報

【コラム】文大統領特別補佐官の軽率な口

 文特補が、自らの発言で論争が拡大するたびに繰り広げる論理がある。韓国政府から月給は一文たりとももらっていないポストだから学者としての所信は自由に開陳できる、というものだ。だが米国は、特補という肩書を持っている文氏を「中心的な役割を果たす政府官僚(officer)」と認識している。20年間にわたって進歩陣営の外交路線を学問的に後押しし「文大統領の外交・安全保障の家庭教師」と呼ばれる文特補自身がこれを知らぬはずがない。

 文特補が「表現の自由」を享受している間に、米国政府内外では文在寅(ムン・ジェイン)政権の外交・安全保障路線に対する疑念が拡大している。文特補が3年前に語った「5・24措置(哨戒艦天安撃沈事件を受けた韓国独自の対北制裁)再整備」や「韓米合同演習中断」などは実際に現実になったからだ。米国の韓半島専門家グループは、「在韓米軍を5000人減らしても支障はない」という文特補の主張について、青瓦台(韓国大統領府)の世論探索用のものではないのかと不安な目で見守っている。

 メディアが文特補に質問をするのは、「教授・文正仁」よりも「大統領特補・文正仁」の考えが気になるからだ。振る舞いや言行もそれにふさわしく慎重であるべきだ。表現の自由を100パーセント享受したいのであれば、「教授・文正仁」に戻ればいい。そうでないなら、文特補は自分の肩書が持つ意味と重みをもう一度考えてみる必要がある。

キム・ウンジュン政治部記者

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【コラム】文大統領特別補佐官の軽率な口

right

関連ニュース
あわせて読みたい