ほぼ日刊イトイ新聞

2020-07-14

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・将棋の藤井聡太七段のニュースをよく見るのですが、
 いまだと渡辺明棋聖との「棋聖戦」のことが多いですね。
 史上最年少でタイトルを獲るのか、という話題。
 (それはそうと、いま上の3行を書くために、
 藤井七段の対戦スケジュールを調べたのですが、
 「棋聖戦」の他に、「王位戦」「順位戦」「竜王戦」
 などなども並行して行われているんですね。
 ぼくにはよくわからないことだけど、
 プロの将棋の世界って、ずいぶんタフな戦いなんだなぁ)

 いや、もともと藤井さんのことを思い出したのは、
 彼が将棋の世界で、先輩や師匠たちから、
 「わかぞう」扱いされてない感じがいいなぁと、
 若いからと、だれもなめてない気がするんですよね。
 それは、プロスポーツの世界でも思うことなんだけど、
 技術や実力と言われる部分で勝負する世界って、
 経験が浅かろうが、何歳であろうが
 先輩たちから見て対等のライバルなんですよね。
 これ、逆にですね、アマチュアのスポーツ部だとか、
 ごく一般的な企業の組織なんかだったら、
 もっと「わかぞう」扱いされていると思うんです。
 プロのほうが、「狭き門」を通ってきたという
 前提があるから、スタートから対等なんですよね。

 ぼくは、基本的に、若い人にも先輩にも、
 ほとんど平らに、からかったり教わったりしていますが、
 それでも、無意識でなめている部分はあると思います。
 まぁ、経験によってできることに差もあったりするしね。
 だけど、ほんとに、若い人、新しい人のほうが、
 ぼくよりも優れていることって、たくさんあるわけで。
 それについては、すなおに「すごいな」と思うのです。
 この「すごいな」を思えない人間になったときに、
 おそらく、ぼく自身の成長も止まるんでしょうね。
 よく言ってますが、ぼくは犬だって尊敬することあるし、
 いまだと、赤ん坊の笑顔だとか踊りだとかには、
 憧れさえも感じてます、ぜんぜん足元にも及ばないもの。

 いま、「ほぼ日」にもインターンが何人かいて、
 彼女ら、彼らがいることで、通気性がよくなってます。
 「ほぼ日」のなにかを、少しでも変えてくれそうですよ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
『愛の不時着』『梨泰院クラス』のあとは、読書にします。


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