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韓国の衝撃…ここへきて韓国から「脱南」する脱北者たちが急増していた!

命の危険にさらされる…その過酷な現実
崔 碩栄 プロフィール

韓国で耐え忍ぶ「苦痛」

脱北者の数は増加し、彼らは韓国内に定着し多様な分野、職業に就くようになった。大学生、商業、公務員、労働者、芸能人、漫画家、記者といった一般的な職業に留まらず、今年の4月の総選挙では脱北者出身で初の国会議員2名が保守野党から誕生し大きな話題になった。

脱北者らは名実ともに韓国社会の一部を構成するようになったのだ。

だが、「脱北」という形で韓国に「不時着」した彼らすべてが、韓国社会に「ソフトランディング」したわけではない。韓国社会に適応できず、悩みとストレスを抱え、不満を抑えきれずにいる人々も少なからず存在している。

統一部傘下の公共機関である南北ハナ財団が作成した実態調査によると2019年現在において脱北者たちが挙げる最も大きな不満は家族と離れていること(27.6%)だ。これは不満というよりは悩みというべきもので北朝鮮にまだ家族が残っていたり、韓国に来ることができず第3国に足止めされている場合に、家族と会えないもどかしさ、あるいは悲しみが常に彼らを苦しめているという。

自由に行き来することはできない photo/gettyimages
 

2番目は競争が余りにも熾烈だ(19.0%)ということだ。共産主義社会とはいっても競争が全くないわけではないだろうが、資本主義国家で収入や地位をめぐって勃発する命がけの生存競争は、彼らにとって想像を絶するほどの激しく、辛いものだということだ。

「義務」として行われる労働が「欲望」のために行われる労働に勝てるはずがないのは今や常識といってもいい。これまで経験したことのないような高度な競争社会に適応することは脱北者たちにとって高い障壁となっている。