脱北者の立場も、彼らに対する韓国人の評価も、理解できないわけではない。より良い生活を求めて被害を強調する人たち、一方で税金でもって彼らを支援した人たちが感じるやるせなさ。同じような葛藤や意見対立は韓国だけでなく、いくつもの難民受け入れ国家において珍しくない光景だ。
だが、最近になってこれらとは全く異質なもう一つの「脱南の理由」が登場した。それは脱北者たちが韓国において感じる「命の危険」だ。
慰安婦支援団体として知られている挺対協の前代表尹美香氏が今年4月15日に行われた総選挙において比例代表として国会議員に当選した。ところが今、彼女が代表を務めていた時期に資金流用をしたという疑惑が浮かび上がり世間を騒がせている。
中には慰安婦たちの休養施設として購入、維持されていた不動産の売買が含まれているのだが、この休養施設に関する情報をメディアが追跡する中、驚くべき証言が飛び出し、報道された。
2016年4月、北朝鮮が外貨を稼ぐために中国の浙江省で経営していた柳京食堂から、支配人許某氏と女性従業員12名が集団脱北し韓国に亡命するという事件が発生した。当時、北朝鮮側は朴槿惠政権の国家情報院が北朝鮮住民を拉致したと反発し、韓国側は自由意志による亡命だと反論した。
北朝鮮は北朝鮮にいる彼らの家族を動員し「拉致された従業員たちを返してくれ」と国連人権委員会へ訴えたが、人権委員会は従業員たちが自由意志を表明できる状況にあると北朝鮮の異議申し立てを棄却した。