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韓国の衝撃…ここへきて韓国から「脱南」する脱北者たちが急増していた!

命の危険にさらされる…その過酷な現実
崔 碩栄 プロフィール

お前死ぬ準備をしとけ」と…

その後、彼らは他の脱北者同様、韓国内の施設で教育および適用期間を経て韓国社会に出た。一時、韓国社会を騒がせた彼らも、徐々に人々の記憶から忘れられていった。そんな彼らの存在に再び注目が集まったのは、慰安婦支援団体の不正疑惑の一つだった慰安婦のための休養施設に関する記事からだった。

柳京食堂の支配人だった許氏が2018年10月、ソウル市麻浦区にある慰安婦施設に招かれたのだが、その場で尹美香前代表、左翼系弁護士団体「民弁」の弁護士3名、朝鮮総連系の女性3名に「脱北は朴槿恵政権の国家情報院(以下、国情院)の企画によるものだった」と記者会見をするように懐柔されたと暴露したのだ。

 

許氏によると、彼がその計画に関心を示さずにいると、一か月後に再び慰安婦施設や山の中の山小屋に招待され、北朝鮮に帰るよう勧められ、それを断ると民弁の弁護士から「脱北は罪」だという衝撃的な言葉まで投げかけられたという。

やがて正体不明の人々が許氏の住む家までやってきて脅迫するような事態にまで発生した。許氏の通報で出動した警察が脅迫犯を捕まえてみると、犯人2人はいずれも女性で1人は中国出身の朝鮮族、もう一人は韓国系日本人だった。彼女らは許氏に対し「国情院の手先め、お前死ぬ準備をしとけ」といった暴言を吐いた。

許氏は住民番号や名前を2回も変えて生活していた。しかし、それでも居住地がバレたことに大きな精神的な衝撃を受けたに違いない。許氏は彼女らが自分の居住地を確認しに来た「暗殺先発隊」だと感じ、統一部や国情院に居住地の変更を要請したが、十分な処置はしてもらえず、命が保障されないことを感じた彼は結局2019年3月韓国を離れ海外に亡命した。

通常、脱北者が再び海外に亡命するのは難しいが、亡命先の政府は彼が韓国で迫害され、危険にさらされているという事実を認めたのだ。