韓国で脱北者たちが政治的受難に巻き込まれる事例は以前にもあった。
2013年親北左派の野党議員が脱北者に対し「大韓民国にきたら口を噤んで、静かにしてろ、裏切り者のガキども。お前、身辺に気をつけろ」という暴言を吐いた事件は象徴的だ。
当時は北朝鮮との関係が良くなかった李明博政権下であったにもかかわらず、親北勢力の少なくない韓国で脱北者たちは、このような扱いを受けていた。ましてや現在は当時よりもはるかに親北に傾いた政権だ。脱北者たちの心情はいかばかりか。現政権が北朝鮮に振り回され続ける限り、韓国内にいる彼らの不安が消えることはないだろう。
脱北者たちは韓国はもはや魅力的な避難地ではないと感じているかもしれない。
それを大げさだと思う人もいるだろうけど、「命」がかかっている彼らのその本能的な感覚は、高い政権支持率や政権万歳の報道に酔っている韓国人たちの感覚より、はるかにリアルな実情を反映しているのではないだろうか。