日本が取るべき方針は
実にシンプルである
ところで尖閣有事の際、イランとの関係は、何か役に立つのだろうか?
こう考えると、米国との関係は、イランよりもはるかに重要であることは、明らかだろう。しかし、「皆に好かれたい」日本政府は、結果的に同盟国を裏切る動きをし、日米同盟を傷つけている。
日本政府は、これからどうするべきなのだろうか?
まず第1に、世界情勢は現在、「米中覇権戦争」を軸に回っていることをはっきり自覚すべきだ。第2に、米国との関係をますます強固にし、米国の敵である中国やイランとは、距離を取るべきだ(わざと関係を悪化させる必要はないが)。
言ってみれば、簡単なことだ。しかし、激動の時代には、こんな簡単なことも難しいのである。
日本がナチスドイツの同盟国になったのは、第2次大戦が始まって1年がたった1940年9月27日だった。当時は調子がよかった「負け組」に参加することで、日本の敗北は決まった。
米中覇権戦争が始まって1年と2ヵ月が過ぎた。日本は、同盟国・米国と、その敵・中国を天秤にかけているようにみえる。日本は、ナチスドイツに付いて負けた過去の愚かさをはっきり自覚し、同じ間違いを繰り返さないようにするべきだ。