日米同盟の重要性を
理解していない日本政府
このように、米中対立の現状を見ると、
・関税引き上げ合戦
・ファーウェイ排除
・ウイグル問題を使った情報戦
・香港デモ
・台湾の防衛力強化
など、さまざまな戦いが行われている。まさに、米中は、「世界の覇権をかけた」戦いをしているのだ。
一方、日本は、どうだろうか?日本政府の動きを見ると、この戦いの切実さを理解しているとは思えない。たとえば日本は、米中戦争が公式に始まった18年、中国との関係を劇的に改善させた。つまり、米国が中国と戦い始めたまさにその時に、同盟国の敵に急接近している。
これは、米国から見れば、深刻な「裏切り行為」だろう。それで日米関係はギクシャクし、トランプも日米同盟の不平等さを頻繁に口にするようになってきた。
また米国は、6月にホルムズ海峡で日本のタンカーが攻撃されたケースなどを踏まえ、「タンカー防衛有志連合」結成を呼びかけた。日本は、友好国のイランに遠慮して、「自国のタンカーを防衛するため」に自衛隊を出すこともしようとしない。
つまり日本政府は、同盟国・米国と友好国・イランをほとんど同じレベルに見ていることになる。これはとても愚かなことだ。
尖閣有事の際、米国からのサポートがなければ、尖閣はほぼ確実に中国に奪われる。なんといっても、中国の軍事費は日本の5倍であり、向こうには日本を破壊しつくせるだけの核兵器がある。だから、米国との関係は、死活的に重要だ。