ウイグル問題、香港デモ…
米国による「情報戦」が活発に

 たとえば最近、「中国政府は、ウイグル人100万人を強制収容所に入れている」という話が、突然盛り上がってきた。

<国連、中国政府がウイグル人100万人拘束と批判
BBC NEWS JAPAN 18年09月11日
中国政府が新疆ウイグル自治区でウイグル人を約100万人、テロ取り締まりを「口実」に拘束していると、国連は懸念を強めている。
国連人種差別撤廃委員会は8月末、最大100万人のウイグル人住民が刑事手続きのないまま、「再教育」を目的とした強制収容所に入れられているという指摘を報告した>

 もちろん、これは残酷な事実である。しかし、中国政府によるウイグル族弾圧は、18年に始まったわけではない。もっと昔から行われていたことだ。だが、米中戦争が始まったので、突然クローズアップされたのだ。つまり、ウイグルにおける中国の悪事は、「情報戦」に使われているのである。

 さらに、中国政府が「香港デモの黒幕は米国」と考えていることをご存じだろうか?

<香港のデモは「米国の作品」、中国が指弾
CNN.co.jp 8/1(木) 19:15配信
香港(CNN) 中国の華春瑩報道局長は8月1日までに、「逃亡犯条例」改正案の撤回を求めるデモなどが過去2カ月間続く香港情勢に触れ、「誰もが知っているように、米国の作品である」との見解を示した>



<香港情勢に関連し、中国政府当局者による米国の介入への直接的な指弾では最も強い表現となっている。中国国内ではここ数カ月間、香港のデモの背後に西側勢力の工作があるとの臆測が流れていた。

香港の抗議デモの一部では過去に参加者が米国国旗を掲げる場面も見られた。

中国の国営メディアも、香港の混乱を米国の責任とする社説などが再三取り上げられている。

国営紙の環球時報は最近、香港の民主主義勢力の指導者と西側政府との間に前例のないレベルの接触があったとも報道。「逃亡犯条例改正案に抗議する勢力は米国の支援を受けていることは香港で公然の秘密」とも断じていた>(同前)