「ソファ置いた」と母供述 3歳長女衰弱、閉じ込めか

社会・くらし
2020/7/9 22:48

3歳の長女を東京都大田区の自宅に放置し衰弱死させたとして、保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された母親の飲食店店員、梯(かけはし)沙希容疑者(24)が「娘が居間から出られないように外にソファを置いていた」と供述していることが9日、捜査関係者への取材で分かった。

梯容疑者は、台所にある包丁などに長女の稀華(のあ)ちゃんが触れないようにするためだったと説明。鹿児島県の交際相手に会いに行った8日間、稀華ちゃんが居間に閉じ込められていた可能性があり、警視庁捜査1課は日常の外出状況も調べる。

捜査関係者によると、自宅マンションは1DKの間取り。居間とダイニングキッチンの間にスライド式の間仕切りがあり、ソファは間仕切りをふさぐような形で居間の外に置かれていた。

梯容疑者は鹿児島滞在について「子育てが大変でリラックスしたかった。こんなに長く放置するつもりではなかった」とも供述。事件前にも稀華ちゃんを自宅に残してたびたびパチンコなどに出掛け、勤務先の居酒屋での仕事や友人との飲食で帰宅が深夜になることがあった。離婚後1人で子育てするうちに疲弊して夜遊びなどを繰り返すようになり、育児放棄が深刻化した可能性がある。

梯容疑者が訪れていたバーの店長は取材に「多いときで週1、2回は来て、いつも終電で帰っていた」と振り返った。

稀華ちゃんは1年以上前から保育園に通っていなかった。梯容疑者が外出を繰り返し1人で過ごす状況が恒常化していた可能性があり、捜査1課は十分な食事が取れていなかったとみている。

捜査1課は9日、梯容疑者を送検した。〔共同〕

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