空気清浄機の販売が急増している。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い注目が集まり、自宅や病院などの施設で導入の動きが広がったためだ。メーカー各社は実際にコロナ対策として効果があるかどうかの検証を開始。結果を踏まえ、さらなる販売強化を狙う。
家電量販店の100満ボルト福井本店(福井県福井市)では2月下旬ごろから空気清浄機が売れ始めた。担当者は「3~5月の販売台数は前年比約180%。3月半ばから4月にかけて企業のまとめ買いが目立ち、通常あまり出ない大型の商品も売れた。一般的には5万円前後の商品が多く売れ、ゴールデンウイーク前から取り寄せ待ちの状態が続いている」と話した。
家電量販店のエディオンなんば本店(大阪市)の空気清浄機が並ぶコーナーには「お取り寄せとなります」と紙が張られた商品が目立つ。販売員は「注文後、自宅に届くまで1カ月かかるものもある」と話す。
日本電機工業会によると、4月の空気清浄機の国内出荷台数は約16万4千台を記録。前年同月より6割増の高水準で、5月も4割増えた。国内首位のシャープは、独自の空気清浄技術「プラズマクラスター」を搭載した高価格帯の商品が好調で、特に家族層の人気が高い。4~6月の販売台数は前年の2倍近かった。
パナソニックは4月、次亜塩素酸を活用した空間除菌脱臭機「ジアイーノ」の新規受注を停止した。2月以降に注文が急増し、部材の手配が間に合わなくなった。増産態勢を整え、10月ごろに受注を再開する見通しだ。
こうした中、各社はコロナへの効果を検証する動きを加速させている。シャープは外部の研究機関と共同で、プラズマクラスターに関する試験を開始。パナソニックも独自のイオン技術についての検証を進めている。