【もはや基礎教養】SDGs・ESG投資とは?~企業や経済との関係性も~
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この記事は2019年12月20日の記事を更新したものです。
この記事の結論
- SDGsとは「持続可能な開発目標 」であり、国連で定められたもの
- SDGsは企業にとって無視できないものになっている
- 企業は短期的な利益だけを追い求めていると、廃れていく
ニュースやTwitterで最近よくSDGsというワードを見かけませんか?
環境問題に関する何かでしょ?
とは思っていても、どのような項目があるのか具体的に知らない人も多いと思います。
今回はSDGsと、投資関連の記事でよく出てくるESGについてご説明していきます!
そもそも、SDGsとは?
17の目標(出典:外務省HP)
SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で日本語では「持続可能な開発目標」を意味します。
2015年に国際連合で 「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、国連加盟193か国が参加して2030年を年限とする17の目標と具体的な169のターゲットを定めました。
外務省はオフィシャルビデオをリリースしています
日本では外務省が中心となってキャンペーンを推進していて、様々な業界の民間企業も参加しています。あのPPAPで世界中で話題になっていたピコ太郎もプロモーションに携わっているんです!!
ピコ太郎さんを起用したキャンペーン動画もあります
へー!ピコ太郎も出てるんだ!
動画からも分かるようにSDGsには
- 貧困問題
- 安全問題
- 環境問題
など、あらゆる国際的な社会問題が網羅されています。
日本に住んでいる私達には実感しがたい問題かもしれませんが、協力して解決しなくてはならない問題ばかりですね。
全ての項目をご紹介したいのですが、今回の記事では「14.海の豊かさを守ろう」をピックアップしてご紹介致します!
ピックアップ「14.海の豊かさを守ろう」
この項目は「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」ための10のターゲットから成っています。
1番目のターゲットは、「2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。」というものです。
海洋汚染の原因は様々ですが、近年大きな問題として取り上げられているのが、ペットボトルなどに用いられているプラスチックです。
魚がマイクロプラスチックを餌と間違えて食べてしまうなど、海洋生態系、ひいては人体への悪影響も懸念する声が高まっているようです。
魚を食べる私たちにも影響があるってことね…
近年では、海洋生態系を保護するために国内外で様々な動きがみられています。
2019年5月11日に、日本が主導となって有害廃棄物の国境を越えた移動を規制する「バーゼル条約」の締約国会議で、「汚れた廃プラスチック」の輸出入を規制する条約の改正案が採択されました。
日本の廃プラスチック排出量は年間約900万トンです。
また、廃プラスチックが海に流出した最大の国は中国で、年間最大353万トン。
さらに管理が不十分なタイやマレーシアも上位20か国にランクインするなど、東南アジアは廃プラスチックを多く排出している地域であると言えます。
2017年には中国が廃プラスチックを輸入禁止にした上、この条約により発展途上国であっても、国内で出した廃プラスチックは自国内で処理しなければいけなくなったため、各国の廃プラスチック処理における設備投資の機運は高まりそうですね。
スタバにも影響が…!?
米コーヒーチェーン大手スターバックスはプラスチックの使い捨てストローの使用を2020年までに世界中の店舗で廃止することを発表しました。
韓国のスターバックスでは紙製のストローが既に導入されていて、日本でも2020年までにプラスチック製のストローは廃止される予定です。
使ってみての感想は「紙を口に入れているような感触がして飲むことに集中できない」や、「20分も経つとふにゃけてしまって使えない」など改善点は多々あるようですが、この取り組みが成功すれば海洋生態系保護がさらに促進されそうですね。
そういえば、アメリカではスーパーのレジ袋が全部有料だった!
てか、タピオカとかもストロー替わりそうだなぁ。
企業がSDGsに注目するのはなぜ?
社会問題を解決するために国全体で協力することは大切ですが、経済的にマイナスであればうまく進んでいかないでしょう。
社会問題を解決するには国だけでなく、民間企業の協力も必要不可欠となりますよね。
企業がSDGsに貢献する理由は様々です。
かの有名なハーバードビジネススクール教授のマイケル・ポーター氏は、社会課題に取り組み、社会が求める新たな価値を創出することで、経済的利益も創出されるCSV(Creating Shared Value)という考え方を提唱しています。
簡単に言うと、CSV経営では長期目線での利益追求を念頭に置き、社会問題という脅威を機会として捉えます。
確かに、10年後、20年後のことを考えないといけないよね。
上の図からも分かるように、事業を長期的に継続させていくためのリスク回避としてもSDGsの考え方は使われます。
たとえば、世界最大手の保険会社であるアクサのCEOは、「今後気温が4℃上昇したら損害保険ビジネスは崩壊する」と宣言していて、他方で世界の気象科学者は今後世界の気温は4.5℃上がってしまうと予測しています。
このように、企業が社会問題解決に取り組むことで、その問題の直接的な被害者が救われるだけではなく、企業やその投資家にとっても利益になるので、SDGsが注目されているのです。
ESG投資って何?
SDGsについて理解が深まったところで、最後にESG投資についても学んでみましょう。
ESG投資は
- Environment(環境)
- Social(社会)
- Governance(ガバナンス)
の頭文字をとったもので、「環境問題・社会問題を解決しようとしている企業で、ガバナンス(内部統制)がしっかりしている企業に投資する」という投資手法です。
環境や社会に配慮している企業に投資をするメリットはあるの?
例えば2018年11月にカリフォルニアで発生した山火事では、直前に送電設備が不具合を起こしていたアメリカの電力・ガス大手PG&Eの責任が問われ、同社は2019年1月に経営破綻してしまいました。
経営破綻ということは株の価値がなくなってしまうので、PG&Eの投資家は、かなり損をしてしまいましたね。
このように、環境や社会への配慮を欠いている企業には、大きなリスクも潜んでいるのです。
ガバナンスに関しては、日本でもよく報道されていますが、日産のゴーン元会長の騒動や、レオパレス21の騒動など、企業統治がしっかりと整備されていないがゆえに問題が起き、株価が暴落することがあります。
どれもこれも、企業が短期的な利益だけを追求し、ESGやSDGsを後回しにしてしまったので起こった問題です。
このようなリスクを避けるために、最近ESG投資が多く用いられるようになっているのです。
統計データから見ても、ESG投資は2016年から2018年までの2年間で、世界全体で34%増加し、約3,418兆円となっていて、日本でもおよそ2年間で4.6倍になっています。
海外に比べると、日本ではESG投資がまだまだ浸透していませんが、今後日本でも拡大していくと思われます。
実際に、2019年12月18日の日経新聞では、「機関投資家の「ESG考慮」、76%に上昇 投資顧問業協会調査」という見出しの記事も公開されています。
ESG銘柄には何がある?
最後に、ESG投資をしてみたいと思っても、どの銘柄に投資すればよいのかわからないという人のために、選定時に有用な4つの株価指数をご紹介します。
① FTSE Blossom Japan Index
② MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数
③ MSCI日本株女性活躍指数
④ S&P/JPX カーボンエフィシェント指数
これらの指数に組み入れられている銘柄は、ESGの取り組みが評価されているものです。
また、最近ではESG関連のETFも増えてきているので、それらのETFに投資するのもいいかもしれませんね!