他人事ではない。障害年金を少しでも多く貰う為にしておくべき事

 

次に診断書。

診断書は障害年金専用の診断書を用います。主治医に頼んで専用の診断書に書いてもらう。この診断書の内容で障害年金が支給されるかどうかはほぼ90%以上決まると思っていい。お医者さんに書いてもらうだけなら簡単だって思いそうですが、意外とそうではないです。

障害年金というのは何の病気だったら支給しますよっていうようなものではなく、主に日常生活でどのくらい支障があるのかというのが重要となる。もちろん内部疾患の検査数値とか視力聴力のように数値で障害年金の等級を決める事もありますが、そうじゃない場合は日常生活にどのくらい支障が出てるのかが重要となる。そういう日常生活を書いてもらう部分が診断書には多くある。特に数値では判断しにくい精神疾患などは。

お医者さんは病気を治す専門家だけど、患者さんの日常生活がどこまで困難な状況に陥ってるのかまではわからない事も多い。そこで、お医者さんと患者さんの認識の食い違いが診断書に反映されてしまう。

よく、患者さんは病院行く時に身なりをピシッとして、元気そうに見せたりという事もあり、お医者さんから見るとなんか「患者さんは調子良くなってそう」と勘違いしてしまう事がある。お医者さんに日ごろから困ってる事を伝えておく事はとても大切。言葉では無理なら、診断書書いてもらう時に文書で書いて渡すのもいいですね。一旦、請求してしまうと、結果を覆すのはとても骨を折る事になるので最初の請求に全身全霊をかける思いで請求しましょう。

なお、障害年金の等級と障害手帳の等級とは関係が無い。目安になる事はありますが、手帳が無いからって不利になる事は無い。

最後に障害年金額ですが、初診日が国民年金のみの加入だった人は障害基礎年金のみ。障害基礎年金は1級と2級がありますが、2級が定額の781,700円(月額65,141円)、1級は2級の1.25倍の金額977,125円(月額81,427円)となっています。

他に18歳年度末未満の子が居れば一人当たり年額224,900円が加算される(3人目以降75,000円)。

781,700円というのは65歳から貰う老齢基礎年金の満額と同じ額。あと、令和元年10月から始まった障害年金生活者支援給付金月額5,030円(1級は6,288円)も支給される。

初診日が厚生年金だった人は障害厚生年金が支給される。

障害厚生年金は1級~3級までの年金と、3級より低い等級の障害が残った場合に障害手当金(781,700円÷4×3≒586,300円。586,300円×2=1,172,600円)が支給される。

ちなみに障害手当金の人は自分は2回くらいしか見た事無いから、基本的に年金を考えとけばいいです^^;

障害厚生年金は今まで厚生年金に加入してきて、その人の過去の給与や賞与の額によって人それぞれ異なるので計算してみなければ金額はわかりません。なお、どんなに加入月数が少なくても300ヶ月間加入したものとして保障されるし、1級と2級は国民年金からの障害基礎年金も同時支給となる。

また、65歳未満の生計維持してる配偶者が居れば配偶者加給年金224,900円も障害厚生年金に加算されるし、18歳年度末未満の子が居れば子の加算金が障害基礎年金に加算されて支給される。障害基礎年金が支給されるから障害年金生活者支援給付金も支給される。よって障害厚生年金は手厚い。何か体調が悪くて会社を退職しようとしてる人は、退職前に病院に行って厚生年金期間中に初診日を作っておくほうがいい。

障害厚生年金3級は障害基礎年金は無いですが、どんなに年金額が少なくても年額586,300円(月額48,858円)が最低保障される。ちなみに3級には配偶者加給年金も子の加算金も無い。

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年金アドバイザーのhirokiと申します! 年金は国民全員にとってとても身近なものであるにもかかわらず、なかなかわかりづらくてなんだか難しそうなイメージではありますが、老齢年金・遺族年金・障害年金、その他年金に関する知っておくべき周辺知識をご紹介します。 最新情報も随時お届けしています。 ※まぐまぐ大賞2016「知識・ノウハウ部門」2位受賞、2017年まぐまぐ大賞メディア部門MAG2NEW賞12位受賞、2018年まぐまぐ大賞知識ノウハウ部門5位受賞。 まぐまぐ殿堂入りメルマガ。

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