深田萌絵 池田信夫らが拡散した「謝長廷代表の発言」がハッキリ否定される

民進党代表・蓮舫氏の国籍に関わる話題について「謝長廷駐日台湾代表の発言」なる物が流布しておりますが、これに関して、なんらのソースも存在しておらず、信ぴょう性が大変低いにも関わらず、拡散しております。まとめ中、蓮舫議員と謝長廷代表以外敬称・役職を略す。

更新日: 2016年10月04日

4 お気に入り 32382 view
お気に入り追加

この記事は私がまとめました

LNMさん

流布している内容

謝長廷駐日台湾代表
「我が国の国民(蓮舫)が日本国の国会議員になるなんておかしい!!これは国際問題だ!蓮舫は正真正銘の台湾人なのに、それを国会議員にした経緯を説明せよ、そして、日台間の条約を変更するのであれば正式に通達するべきだ!」

「らしい」と非確定形で報じるものと「通達」と確定形で報じるもの、句点(。)を用いず「!」にするなどの違いはありますが、概ねこのままの「発言」が流布されています。
(検索でこの項目に直接飛んでくる方にお知らせしておきますが、これは「この発言の信ぴょう性が低い」という疑問を持ち、各所に問い合わせ、結果的に「そんな発言は存在しなかった」事について判明した件のまとめの一項目です。ぜひ他の項目と合わせて御覧ください)

「発言内容」そのものへの疑問

1:
 国交がない台湾と日本国の間に「条約」があり、それに沿った「通達」がされるという状況の不自然さ。
「『何条約』の『何条』の『何項』を根拠とするのか?」を問うのは頭の悪い小学生が「『何時』『何分』『何秒』『地球が何回、回った時ィ』」を問うのとは全く別のレベルの話であるというのは当然ではないでしょうか?

2:
 「『A国』の国籍を持つ者『甲』が『B国』の国内法規に従って国会議員となった場合。『A国』が『甲』が『A国の国籍』を持つことを理由に『B国』に対して何らかの干渉を試みるのは『自国政治家の選出ルールを定めたB国』に対しての内政干渉である」

Aが台湾。Bが日本。甲が蓮舫であることが理解できない人の為に、そう書いておきます。

逆に考えましょう。「『台湾で』『日本国籍と台湾籍を持った人が』『台湾における合法的な手続きにおいて』『国会議員になった』場合に、日本の外交筋から、そのことを批判する」という状況は「台湾における国会議員の選出という、全くの内政プロセスへの日本の介入」です。

それを「日本がされた場合」に喜ぶと言うのは、いささか、自国の独立性を軽視しすぎていないでしょうか?

更に実例を挙げればアルベルト・フジモリ氏がペルーの大統領であった時に、日本政府がペルー政府に対して、フジモリ氏が日本国籍を有する事を理由に、日本にフジモリ氏の退任を迫ることが出来たでしょうか?ハッキリ言えば「不可能」です。
(当時、フジモリ氏が二重国籍であることは広く知られていなかったので、これも仮定の話になりますが)

先に結論を書いておきますが、台北駐日経済文化代表処に問い合わせたところ、明確な否定のお返事をいただきました

【返信内容】メールを拝見しました。
ご指摘のインターネットでの謝長廷駐日代表の発言については、全く根拠のない虚偽の情報であると回答いたします。謝駐日代表が蓮舫議員について、コメントしたことは一切ないことも付け加えさせていただきます。

台北駐日経済文化代表処
【返信内容ここまで】

「謝駐日代表が蓮舫議員についてコメントしたしたことは一切ない」という認識です。
こうなると「発言とされている内容が事実かどうか」以前の問題でしょう。

主な拡散者 その1:深田萌絵

主な拡散者 その2:KSM WORLD なるサイト

KSM WORLDを真に受けてしまった人たち

元国会議員・渡部篤のRT時の画像。新しいツイートによって下に下にと押しやられるので、縦に長い画像になっております。

【KSM】台湾、謝長廷駐日台湾代表『蓮舫は正真正銘の台湾人。議員にした経緯を説明せよ』説明しなきゃ台湾籍離脱させない。 youtu.be/CtGA5qF3_3w @YouTube 謝長廷駐日台湾代表、超絶応援!! いいぞ!役にも立たない糞自民議員よりよっぽどいいぞ!

「愛国的」な雑誌「JAPANISM」(青林堂)連載の漫画「日之丸街宣女子」作者の富田安紀子。

その3:有名ツイッタラー 500円 @_500yen のツイート

情報の拡散経緯

時系列・拡散の樹形でまとめれば、この順番となります。

深田萌絵の捏造でないならば「何らかのソース」があるはず。

「深田萌絵公式ブログ」の2016年09月13日 17時24分の記事
(タイムスタンプは変更可能だが「KSMWORLD」がこのブログをソースとするため、上記3者間での順番は不動。9月13日22時42分よりは前。タイムスタンプが過去に遡ってまで自由に変えられる場合、17時24分より更に前の可能性も否定はできないが、内容的に蓮舫が台湾籍も有する事が発表された9月13日午前より遡る事はない。また、深田萌絵自身が17時25分にTwitterで記事の告知をしていることからして、大きくは異ならないと考えられる)

「深田萌絵公式ブログ」をソースとした
「KSM WORLD」の2016年9月13日22時42分の動画付き記事
││
│└→池田信夫・渡部篤・富田安紀子らのKSMをソースとした拡散者。

「深田萌絵公式ブログ」「KSM WORLD」もしくは「深田萌絵と共通の何らかの日本語の情報」をソースとした
「500円」の2016年9月14日 03時28分 のツイート

このように「深田萌絵が何をソースとしたのか」が不明であり、大変「信ぴょう性が低い」状況にあります。


つまり「見つからない深田萌絵以前のソース」を含めた情報の「流れ」をまとめるとこうなります。
•引用が明言されているので「『KSM WORLD』は『深田萌絵公式ブログ』がソース」
•「『深田萌絵』以前の共通ソースより『500円』『深田萌絵』が引用」はあり得る。
(ただし、その「共通ソース」は見つからない)
•「『深田萌絵』『500円』以前の共通ソース」がある場合でも、それが外国語(たとえば、台湾の報道です)で書かれた物をそれぞれが別個に翻訳した場合、ここまで言い回しが一致することは考え難い為「共通ソース」から書かれたのであれば、それは日本語の情報であると考えられる。
•記事作成時刻から「『深田萌絵公式ブログ』『KSM WORLD』が『500円』の情報源」はあり得る。

ここまで来たら、再度上に戻って「先に結論を書いておきますが」を御覧ください。

最後に。
ここからは私(このまとめの作成者LNM)の極めて個人的な感想です。

自身の政治的信条に都合よく他人の発言を捏造し「政敵」を攻撃して恥じない深田萌絵が(「らしい」などと言ってボカしている事が責任回避にはつながりませんし「深田萌絵以前のソース」があったとしても、それは「虚偽」であることが明白ですから)かつては「株ドル」などともてはやされていた(ん、ですよね?)事実。

その根拠不明な情報をただ朗読させただけの「動画」を投稿して「真実」とうそぶくデマブログKSM WORLD。

かつてこの国の国会議員の一員であった渡部篤が、この程度の与太話をあっさり信じるという、この国の国権の最高機関の質を疑わせるに足るレベルである事実。

また「二重国籍『問題』」において、その批判の急先鋒であったサイト「アゴラ」の設立者である池田信夫氏がこのような「根拠不明」であり「内容が内政干渉」であり「結果的には否定される」ような情報に嬉々として飛びつき「外交問題」などと主張している事実。

「愛国的」なツイートで大変に人気のある500円、そのフォロワーが、この発言内容を喜び「発言を真実と信じている」のならばその発言内容が「台湾からの日本への内政干渉」である事も同時に信じている事になるにも関わらず、内政干渉には一片の怒りも抱かず「自国の国会議員のせいで国際問題になった」となぜか大喜びでRTしつつ、なお「愛国」を名乗る事実。

同じく「愛国的」な商売の従業者である富田安紀子が、作品の下敷きとしている「真実」がどの程度の情報リテラシーの中で「真実」とされてきたのかが垣間見える、今回の事態。

そして「明白に虚偽であった」という事実が提示されても、彼らがこれからものうのうと「その程度の能力と認識のまま」で「商売」を続ける事実。

全てにおいて 絶望感しかありません。
こういった状況が「望ましくない」とお考えの方は、せめて、これらの連中が垂れ流すクソそのものの情報について「どこまで遡れるか」をGoogleで検索する程度の冷静さを身に着けていただきたいです。

1