菅義偉「コロナ第2波、かなり準備はできている」

官房長官が語る地方、縦割り行政、経済、五輪

塩田:菅官房長官はインバウンドの拡大を推進してきましたが、訪日観光客の激減で根本の構造が崩れた感じがします。   

:コロナ感染が落ち着いてくれば、また戻ってくると思います。そこまでの間は国内旅行を活性化していきます。日本では旅行客の約8割が国内旅行なんです。ここをGo To キャンペーンなどで支援していく。来年は東京五輪がありますので、それを機にインバウンドも盛り上げたいですね。

今あるホテルなどの事業者の皆さんは観光業の大事なインフラなので、このコロナで倒れないように、幅広い対策を講じています。Go To キャンペーンで、宿泊や飲食を支援するために、1兆7000億円という、かつてない額の予算を投じています。8月には始まる予定です。

また、経済を強くする意味では、デジタル化、オンライン化も大事です。あまり知られていませんが、今回の第2次補正では、その大事なインフラを作るための予算を盛り込んでいます。まだまだ田舎では光ファイバーがないところが多い。今回の第2次補正では、離島を含めて、光ファイバーを全国津々浦々に敷設する予算500億円をつけました。もともと総務省の案は300億円ですが、私が指示して500億円まで増やしました。デジタル化によって、全国で社会が一挙に変わっていくでしょうね。

来年7月の東京五輪開催「できるでしょう」

塩田:コロナ危機で、国民の間には、オリンピックどころではないという空気も広がっています。中止論や再延期論も出ています。

:開催時期が近づくと、空気が変わりますよ。

塩田:予定どおり来年7月に東京五輪は開催できると思いますか。

:できるでしょう。各国の選手が来れないような状況をなくします。

塩田:政府としては、予定どおり五輪開催という前提で取り組んでいるのですね。

菅:もちろん。開催できると思っています。日本がコロナ対策をきちんとやって成功を収めるだけでなく、世界の人たちが出場できる環境を作らなければなりません。コロナ危機の最大の課題は、有効な治療薬と予防のワクチンの開発です。これがあれば、問題ないわけですから。G7やG20(20カ国・地域首脳会合)、WHO(世界保健機関)などが総力を挙げてワクチンと治療薬の開発に取り組んでいます。

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コロナ危機の自動車部品メーカーへの影響は、過剰な設備と人員を抱えていた日産系でとくに深刻。比較的堅調だったトヨタ、ホンダ系も無傷ではありません。世界レベルでの技術開発競争は激化の一途で、生き残りへの再編と淘汰が始まろうとしています。