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治したくない――ひがし町診療所の日々
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カスタマーレビュー
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3件中1 - 3件目のレビューを表示
2020年7月6日に日本でレビュー済み
事実と大きく異なる記載があります。
これがノンフィクションと言う人は、ここの現状をどこまで知った上で書かれているのでしょうか？表面だけを見た評価ではないでしょうか？
実際にこの地域で精神科医として勤務しておりました。ある患者さんの大切なエピソードでこの医師が全くかかわっていなかったにもかかわらず彼が主体として描かれています。私自身が担当していたケースです。正確には当初この医師が長年担当していましたが、問題が多く、数年間隔離され、向精神薬は多剤投与され、着衣も汚れたまま、歯もボロボロの状態で引き継ぐよう言われました。カルテもほぼ白紙でした。(当時、この医師は講演活動に忙しく、月に数回しか病棟に現れませんでした。)当時衝撃を受けました。そこから当たり前の地道なかかわりをはじめ、担当看護師たちと日々試行錯誤し数年かけてやっと外出できるようになったケースです。それが全てPSW、この医師によるエピソードと描写されています。当時この医師はその患者さんに無関心でかかわりは皆無でした。その医師が患者さんに対して大切な提案をすると描写されていますが、現実は違います。患者さんと外出中の会話の中で、患者さんからの何気ない、しかし大切な言葉からタイミングを計り、時間をかけていっしょに実現したことです。本当は医師発ではなく、患者さん発のエピソードなのです。私にとってもおそらく患者さんにとっても大切なできごとでした。この捏造には非常にショックを受けました。
(より詳細をはっきり記載したい気持ちもありますが、今は患者さんに会えず、同意を得られないため記載しません。参考までに｢別れの墓参｣のエピソードです。本当はこんなチープなストーリーではありません。もっといろんな意味で豊かで含蓄のあるできごとです。)
また病院関係者は理解のない存在として描写され、診療所の人たちは善き者と描写されていますがそんな単純な話では現実はないです。当時、退院に向けて病棟看護師も尽力されていました。なぜPSWとこの医師だけが行ったと描くのでしょう？
なぜこのような虚偽の記載をされるのでしょう？なぜそこまでこの医師と診療所を礼讃するのでしょう？
またそれぞれのエピソードは患者さんの許可を得られているのでしょうか？少なくとも虚偽のケースについては得られていないはずです。患者さんが本を読まないからバレないと思われているのでしょうか？
この医師についてあまりにも一方的で偏った内容になっています。現実には薬も標準以上に処方されていますが(全く勉強されないため古い処方です)、なぜか薬に頼らない治療と描写されています。
この作者の特徴として浦河の見たいもの信じたいものだけを描写される傾向が強いです。ある意図をもって歪曲されています。現実は見えてはいないです。前作も同じです。
無駄に読者の期待を煽るような内容です。
読む側が賢くなる必要があります。
特別な場所もなければ特別な医者もいないです。
そろそろ目を覚ましましょう。
参考までに私の立場を明記しておきます。私は20年ほど前に学生の頃、浦河精神医療にまず本で出会いました。非常に感銘を受けました。それから本当なのかと何度も通い、患者さんたちとふれあったり、様々な時間を重ねてどんどんその魅力を感じていきました。長期、短期の滞在合わせて計26回通いました。その後、精神科医になり、数年後に赴きました。精神科医として働くようになりはじめて浦河精神医療の全貌を知り、愕然としました。自分が何も見えていなかったことにはじめて気付かされました。精神保健福祉法違反が日常的な病棟、医師の患者さんに対する無関心、講演で話されることと語られない現実のギャップ、様々な暴力行為、、、まともな意見をこの医師に忠告した同僚医師は冷遇され続け去りました。そんな中もこの作者含め、多くの偉い人たちはたくさんの素晴らしい浦河精神医療についての作品を世に出され続けました。５年間を過ごし、病棟閉鎖とともに浦河を離れました。たくさん学び、葛藤し、たくさん悩み、そして鍛えられた時間でした。そこで過ごした時間、経験には感謝しています。
外から何度訪れたとしても、また本を読んだだけでは浦河精神医療の本当のことはわからないです。精神医療はいくらでも都合の悪いことは隠せる仕組みがあります。いいことばかりが語られ続けますが、それと同じくらい決して語られない葬られた闇があります。もうこれ以上幻想を広めたくないと願っています。
これがノンフィクションと言う人は、ここの現状をどこまで知った上で書かれているのでしょうか？表面だけを見た評価ではないでしょうか？
実際にこの地域で精神科医として勤務しておりました。ある患者さんの大切なエピソードでこの医師が全くかかわっていなかったにもかかわらず彼が主体として描かれています。私自身が担当していたケースです。正確には当初この医師が長年担当していましたが、問題が多く、数年間隔離され、向精神薬は多剤投与され、着衣も汚れたまま、歯もボロボロの状態で引き継ぐよう言われました。カルテもほぼ白紙でした。(当時、この医師は講演活動に忙しく、月に数回しか病棟に現れませんでした。)当時衝撃を受けました。そこから当たり前の地道なかかわりをはじめ、担当看護師たちと日々試行錯誤し数年かけてやっと外出できるようになったケースです。それが全てPSW、この医師によるエピソードと描写されています。当時この医師はその患者さんに無関心でかかわりは皆無でした。その医師が患者さんに対して大切な提案をすると描写されていますが、現実は違います。患者さんと外出中の会話の中で、患者さんからの何気ない、しかし大切な言葉からタイミングを計り、時間をかけていっしょに実現したことです。本当は医師発ではなく、患者さん発のエピソードなのです。私にとってもおそらく患者さんにとっても大切なできごとでした。この捏造には非常にショックを受けました。
(より詳細をはっきり記載したい気持ちもありますが、今は患者さんに会えず、同意を得られないため記載しません。参考までに｢別れの墓参｣のエピソードです。本当はこんなチープなストーリーではありません。もっといろんな意味で豊かで含蓄のあるできごとです。)
また病院関係者は理解のない存在として描写され、診療所の人たちは善き者と描写されていますがそんな単純な話では現実はないです。当時、退院に向けて病棟看護師も尽力されていました。なぜPSWとこの医師だけが行ったと描くのでしょう？
なぜこのような虚偽の記載をされるのでしょう？なぜそこまでこの医師と診療所を礼讃するのでしょう？
またそれぞれのエピソードは患者さんの許可を得られているのでしょうか？少なくとも虚偽のケースについては得られていないはずです。患者さんが本を読まないからバレないと思われているのでしょうか？
この医師についてあまりにも一方的で偏った内容になっています。現実には薬も標準以上に処方されていますが(全く勉強されないため古い処方です)、なぜか薬に頼らない治療と描写されています。
この作者の特徴として浦河の見たいもの信じたいものだけを描写される傾向が強いです。ある意図をもって歪曲されています。現実は見えてはいないです。前作も同じです。
無駄に読者の期待を煽るような内容です。
読む側が賢くなる必要があります。
特別な場所もなければ特別な医者もいないです。
そろそろ目を覚ましましょう。
参考までに私の立場を明記しておきます。私は20年ほど前に学生の頃、浦河精神医療にまず本で出会いました。非常に感銘を受けました。それから本当なのかと何度も通い、患者さんたちとふれあったり、様々な時間を重ねてどんどんその魅力を感じていきました。長期、短期の滞在合わせて計26回通いました。その後、精神科医になり、数年後に赴きました。精神科医として働くようになりはじめて浦河精神医療の全貌を知り、愕然としました。自分が何も見えていなかったことにはじめて気付かされました。精神保健福祉法違反が日常的な病棟、医師の患者さんに対する無関心、講演で話されることと語られない現実のギャップ、様々な暴力行為、、、まともな意見をこの医師に忠告した同僚医師は冷遇され続け去りました。そんな中もこの作者含め、多くの偉い人たちはたくさんの素晴らしい浦河精神医療についての作品を世に出され続けました。５年間を過ごし、病棟閉鎖とともに浦河を離れました。たくさん学び、葛藤し、たくさん悩み、そして鍛えられた時間でした。そこで過ごした時間、経験には感謝しています。
外から何度訪れたとしても、また本を読んだだけでは浦河精神医療の本当のことはわからないです。精神医療はいくらでも都合の悪いことは隠せる仕組みがあります。いいことばかりが語られ続けますが、それと同じくらい決して語られない葬られた闇があります。もうこれ以上幻想を広めたくないと願っています。
2020年5月22日に日本でレビュー済み
とても興味深い本でした。小さな町の小さな精神科診療所で繰り広げられる患者とスタッフとのやり取り。それが目には見えない何とも不思議な時間の積み重ねなのです。百年、二百年先を見て社会を変えていこうとする策略家の先生に、知らず知らず巻き込まれている人と地域の物語。精神病にかかわりのない方にも是非読んでもらいたい本です。読み終わったとき、スッと心が軽くなっていますよ。 (ノンコ)
2020年7月7日に日本でレビュー済み
タイトルの「治したくない」という言葉と、帯文に書かれていた「半分治しておくから、あとの半分は仲間に治してもらえ」という言葉に鳥肌が立ち、読んでみたいと思いました。
とても心に残るノンフィクションでした。実はひがし町診療所に見学に行ったことがあるのですが、待合室やデイケアにほんわかした雰囲気があって、とてもいいなと思ったことをよく覚えています。それが何だったのか、その雰囲気はどこから生まれてくるのか、その時はあまり気に留めていなかったのですが、この本を読んで、その時の感覚がまざまざとよみがえり、そして、それが何だったのかわかった気がしました。「大丈夫」というメッセージ、「安心」だったんだなと。
それがどこから来るのか、なぜ私の職場にはないのか考えてしまいます。ちょっと見学しただけじゃわからない診療所の本当の姿、力を伝えてくれる良書だと思います。この本を必要としている人たちに届いてほしい。
とても心に残るノンフィクションでした。実はひがし町診療所に見学に行ったことがあるのですが、待合室やデイケアにほんわかした雰囲気があって、とてもいいなと思ったことをよく覚えています。それが何だったのか、その雰囲気はどこから生まれてくるのか、その時はあまり気に留めていなかったのですが、この本を読んで、その時の感覚がまざまざとよみがえり、そして、それが何だったのかわかった気がしました。「大丈夫」というメッセージ、「安心」だったんだなと。
それがどこから来るのか、なぜ私の職場にはないのか考えてしまいます。ちょっと見学しただけじゃわからない診療所の本当の姿、力を伝えてくれる良書だと思います。この本を必要としている人たちに届いてほしい。
