長らくの間休止しておりました記憶のかさブタ。
2ヶ月の原稿作業がようやく終了したのでやっとこさ更新です。
今回は前回好評だった特集パート2。
帯アニメ特集2
前回やった帯アニメ特集が好評だったのでまたやります。
今回は前回選にもれた分をフォローする意味もありまして。
といっても今回ドマイナーなのが目白押し。誰か解る人がいるのだろうか?
私もみたのは5つ中2つだけ。
冒険少年シャダー(1967年9月18日~1968年3月16日)
 全156話 日本テレビ系放映
製作 日本放送映画株式会社
 
世代人には結構有名な少年ヒーロー。
今40代の人、50代の人には結構馴染み深いアニメらしいですね。
私はなんかのきっかけで1、2回見た程度。大学の先輩にマニアがいて、
これ知ってるか?ってな感じで見せられたのがそうだと思うけど。
あらすじはこんな感じ。
| 富士山の洞窟に眠る伝説の少年勇者が ある日突然甦った。少年の名はシャダー。
 人間の数倍強い筋肉と運動能力、反射神経、
 さらに自らを数人に分身させて戦うという
 「超ブランチ能力」を備えた不思議な少年だった。
 シャダーは現代の科学者を味方につけ、
 愛犬ピンボケとともに、世界征服を目論む
 謎の怪人ゴースターと戦いを繰り広げる。
 
 | 
まあ、典型的な少年ヒーロー物ですね。
月曜~土曜の夕方18時35分~45分に放送されるという
極めて特殊な放送形式だったので、覚えてる人も多いのでは?
1週6話完結方式で、大体の曜日でパターンがわかる親切設計。
確か,こういうパターンだったっけ。
| 月曜日 | 事件発生 | 
| 火曜日 | シャダー登場 | 
| 水曜日 | シャダー第一の対決(劣勢) | 
| 木曜日 | 体制立て直し、作戦会議、事件の経過 | 
| 金曜日 | シャダー第二の対決(攻勢) | 
| 土曜日 | シャダー勝利 | 
だいたいこんな構成。故にエピソードが盛り上がるのは週末と
相場が決まっていて,シャダーも勝利するのは土曜日と決まってました。
だからカッコイイ、強いシャダーが見たい人は週末のみエアチェック
すればいいのね。逆に敵のゴースター(内海賢二のニヒルな声が良い。)
のファン(いるのか?外見はバットマンそっくり。)の人は月~水のみ
見れば良い…という事になりますが。このフォーマットで放送されていた
帯アニメは実は結構ありまして、1966~71の5年余りの期間は
日本テレビはずっと帯アニメを放送していたのです。
| 番組タイトル | 放映数 | 放送期間 | 
| とびだせ!バッチリ | 全132話 | 1966.11.14~1967.4.15(4.17~9.16に再放送) | 
| 冒険少年シャダー | 全156話 | 1967.9.18~1968.3.16(3.18~9.28に再放送) | 
| 夕焼け番長 | 全156話 | 1968.9.30~1969.3.29(3.31~9.27に再放送) | 
| 男一匹ガキ大将 | 全156話 | 1969.9.29~1970.3.28(3.30~9.26に再放送) | 
| 男どアホウ!甲子園 | 全156話 | 1970.9.28~1971.3.27(再放送不明) | 
調査によるとこういう感じ。
これらの帯アニメを作っていたのは
日本放送映画株式会社という所と東京テレビ動画という所。
実は東京テレビ動画というのは、日本放送映画株式会社が
解散した後に、
当時のスタッフが新たに立ち上げた会社なので、
基本的には同じ血脈を受け継いだ会社といえるでしょう。
製作期間・コストの問題故、一年まるまる新作は作れず、
半年本放送・半年再放送で一年繋いでいたようですね。
東京テレビ動画になってからは、プロデューサーの意向からか、
非常に男くさい、根性物一色になってるのが
時代を感じさせて興味深いものがあります。
もっとも、東京テレビ動画はこの後、
劇場用ポルノアニメに
手を出して大失敗し、解散してしまうのですが。
このあたりの帯アニメはまた次の機会にでも調査したいものです。
冒険少年シャダー  スタッフ
原作/岡本光輝
演出/シャダーグループ(片岡忠三ほか)
脚本/辻 真先ほか
作画/桑原信一・西城隆詞ほか
(スタッフは全てテロップでは「シャダーグループ」で統一)
オーデオ(音楽)/増田豊利
OP/冒険少年シャダー(作詞・寺山修司 作曲・増田豊利 歌・鈴木 忠 CAポップス)
キャスト
シャダー(北条美都留)
ロコ(白川澄子)
ゴースター(内海賢二)
ほか
 (2006.9.24追加)
(2006.9.24追加)そばかすプッチー(1969年3月31日~10月4日)
 全27回162話 フジテレビ系放映
製作 フジテレビ・エンタプライズ
 
世代人には懐かしいフジ帯アニメ黎明期作品
フジの帯アニメというと、タツノコ系か、あるいは海外アニメを想像する人が多そうですね。
でも、
そんな中でもフジ国産帯アニメの始祖はこちら。
ちなみにあらすじはこう。
| 目玉の大きなそばかすプッチーは、 なりは小さいが機転の効く冒険大好きな男の子。
 正義感が強くて、悪いことを見逃すことは出来ない。
 いつも悪だくみを企む悪の天才ワルジーは、
 なんとかプッチーを出しぬこうと策略を張り巡らす。
 プッチーは、ミルクを燃料に陸海空を自在に飛びまわる
 ミルクカップ型の乗り物・カップ号に乗り込み、
 のろま怪獣ネタローや、せっかちオウムのガン公とともに、
 得意技のヨーヨーを使ってワルジーを懲らしめていく。
 | 
「とびだせ!バッチリ」「ファイトだ!ピュー太」と同様の
コミカルアクション物のフォーマットを踏襲してはいますが、
帯アニメということもあって、内容は非常に単純明快なものにされています。
実質放映時間は二分に満たないこともあって、
ノリ的には海外のカートゥーン・アニメの影響が濃いです。
面白いのはミルクを燃料にして動くスーパーメカ・カップ号です。
提供が明治乳業(だったと思うのですが)の一社提供だったため
番組内でCMもやっていたのですね。この時間帯は海外アニメ
「マイティ・ハーキュリー」(1963)も流されていたのですが、
OPでハーキュリーがミルクの大瓶を一気飲みするシーンがあったり、
「探偵スカット」なんて、当時明治乳業が出していた
「明治スカット」という炭酸飲料の名前をそのまんま
主役の名前にしていたりと、なんともスポンサーの露骨さが目立つ
のですが、今となっては時代を感じさせる微笑ましい画面と言うべきか。
製作会社のフジテレビ・エンタプライズという会社は元々
テレビ動画という名の動画製作会社で、
「海底少年マリン」「怪盗プライド」「宇宙人ピピ」といった
作品を制作していた会社でもあります。同社の作品は
多分に輸出を念頭において製作されていた感が非常に強く、
キャラクターなど見ても日本向けというより、海外向けを狙って
作られた印象を受けます。が、それは成功したとは言いがたく、
テレビ動画は動画製作規模を縮小して、総合イベント企画会社の
フジテレビ・エンタプライズへと変身。
多くの動画スタッフが規模の縮小とともに
去っていき、残った僅かなスタッフで「プッチー」は作られていったそうです。
ちなみにプッチー終了後は
| ピンチとパンチ(1969.9.29~1970.3.28 全156話) | 
|   | 
| いたずら天使チッポちゃん(1970.3.30~12.31 全240話) | 
|   | 
共同テレビに吸収合併され、消滅します。
帯アニメという特質に加え、製作会社が消滅しているという事もあって
再放送、ソフト化の可能性は極めて低いのですが、
世代人には懐かしいこれらの作品を再見する機会が欲しいものです。
そばかすプッチー スタッフ
企画/フジテレビ・エンタプライズ
製作/児玉征太郎・砂川圭子
脚本/石黒 昇・安藤豊弘ほか
演出/池野文雄・青木 喬
作画/新世界映画社・若林忠雄・久保田彰三ほか
音楽/笠井幹夫
OP/プッチープッチープッチー(作詞・池野文雄 作曲・笠井幹夫 歌・ひばり児童合唱団)
キャスト
プッチー(千々松幸子)
ネタロー(諏訪孝二)
ガン公(大竹 宏)
ワルジー(八奈見乗児)
ナレーター(神山卓三)
ほか
チャージマン研!(1974年4月1日~6月28日)
(詳細は後術)
 全65話 TBS系放映
製作 ナック
 
タツノコテイスト溢れる少年ヒーロー。
一見すると「タツノコ?」というようなアメコミタッチのキャラですが、
製作はナック。まあ、キャラクターデザインの田中英二氏は
「新造人間キャシャーン」「タイムボカン」の下請けもやってましたから
絵がタツノコタッチでも何ら不思議じゃありません。
あらすじはこう。
| 時は21世紀後半。 日本の泉 研少年は、科学の粋を集めた特殊強化服を身につけて
 様々な超能力を身につけたチャージマンとなった。
 妹のキャロン・ロボットのバリカンと共に
 万能船スカイロッド号に乗り込み、
 宇宙からの侵略者や様々な事件に勇敢に立ち向かうのである。
 
 | 
この頃は改造人間やロボットが主流だったから。
イメージ的には特撮映画「光速エスパー」(1967・宣弘社)の未来版といった感じ。
シリーズ共通の敵役、としてジェラル星人という宇宙人が設定されてましたが、
これも「光速エスパー」のギロン星人っぽい。
放映時間はちょっと変わってて、月~金の午後5時30分~40分の10分間。
先の「シャダー」と違い、こちらは10分で1話完結タイプ。
故に単純明快な構成になっていたようですね。
大学の同じゼミの友人が当時みてたらしいのですが、
「裏で再放送のアニメがあったし、そっち見たいからすぐ見なくなった。」との事。
解るようなきがします。10分じゃ食い足り無いものね。
現在は一部のエピソードがDVD化されてるようですよ。
…なんか昨今はその貧弱な作りに加え
ムチャクチャなシナリオ&演出によって爆笑モノ扱いされてますけど
当時の製作状況の過酷さ考えたら、ちょっとね。なんか笑えないわ。
(追記)当時のプロデューサー・茂垣弘道によれば、1話あたり50万円という低予算で製作された作品らしく、
(当時、30分アニメの制作費が一本あたり450万~500万の時代)結果的に
動かない・バンクの山・SEもほとんど付かないという悲惨な仕上がりになってしまったとのこと。
演出もシナリオもかなりやっつけ仕事になっているのもそのせいらしいです。
今となってはそのトンデモぶりが動画サイトで大人気な訳ですが…
(放送日)
放送開始は1974年4月1日となっていますが、ナックの社内資料では1973年7月2日となっています。
雑誌展開が1974年4月からだったので1974年4月開始説が信用できるのですが、
プロデューサーの茂垣弘道氏は1973年7月からだったと言っており、情報が錯綜しています。
1973年7月の時点ではチャージマン研の枠には「マンガ大作戦」としか表記がなく、
チャージマンの文字は確認できません。茂垣弘道氏の意見が正しいならば、
当初チャージマン研は「マンガ大作戦」の枠内で1973年7月から放送され、その後あらためて1974年4月から
単独枠で放送再開した、のかもしれませんが、現時点では断定できるものがありません。
チャージマン研!  スタッフ
原作/田中英二
企画/西野清一
構成・脚本/和久田正明・安藤豊弘ほか
キャラクターデザイン/田中英二
作画/水村十司
音楽/宮内国郎
OP/チャージマン研!(作詞・ナック企画部 作曲・宮内国郎 歌・ひばり児童合唱団)
キャスト
研(沢田和子)
(藤田淑子)ほか
星の子ポロン(1974年4月1日~1975年4月4日)
 全260話 北海道文化放送 放映
(福井放送・山陰中央テレビ・東京12チャンネルでも放映。その他の地域は不明)
製作 時報映画社
 
超ドマイナー帯アニメ。見たことある人、手を挙げて。
いや、これは本当に忘却の彼方でした。私の記憶にも殆ど残っていない。
けど、言われてみれば見たような気が…さすがにそんなあやふやな
状況で記事を作るわけにも行かず、文献をひも解くと、これが大変。
当時の児童雑誌、TV雑誌に一切記述がない。
それもそのはず。このアニメ、元々北海道と
福井、山陰で放送されたのが最初。
東京での放送はそれから3年後。他の地域に至っては放送されたか否かも不明という
困った作品でございます。
タイトルから「星の子チョビン」と混同されてる人も多いようで。
あらすじはこんな感じ。
| ある日ある時。地球のとある森に 宇宙の果てから円盤に乗ってやってきた
 小さな宇宙人・ポロン。
 いろんな動物が楽しそうに暮している森を
 ポロンはすっかり気に入ってしまいました。
 森の動物達と友達になったポロンは、
 森でトラブルがおこると不思議な力で解決。
 壊れたものを直したり、なくしたものを見つけたり、
 今日もポロンは森のみんなのために力を貸すのでした。
 
 | 
ますますチョビンと混同しそうですね。
基本は森の動物がケンカしただのモノ壊しただので
トラブル発生。そこで四角い仁鶴がま~るくおさめます、じゃなく、
ま~るいポロンがま~るく問題解決、というパターン。
光線で壊れたモノを復元して治したり、とか。
ポロンは普段は空にいて、トラブルが起こると空から飛んでくるそうです。
(ウルトラマンみたく両手伸ばしポーズで。)
動画枚数も少なくバンクも多かったのですが、
帯アニメですし、ローカル放送ですもんね。
製作の時報映画社はニュース映画製作の会社だそうで、
その傍らでアニメ製作部門の「日本動画」を立ち上げ、
製作したのが本作品です。
基本的には「森のトラブルに対処するポロンの活躍」が本筋ですが、
以前聞いた、大阪で見ていた方の記憶はこういう牧歌的なものとは違ったそうです。
どういうモノかと言うと-
| 突然、円盤で町の上空にやってくるポロン。 ポロン「みんな、あぶないよ。あぶないよ!」
 実写映像・子供の通学風景。そこに車が!
 ポロン「あっ、あぶない!」
 子供、手を挙げて道路を渡る。車、一旦停車する。
 ポロン「あぶなかったねぇ~。」
 今度は自転車に乗った子供、曲がり角から車!
 ポロン「あっ、あぶない!」
 子供、自転車から降りて停止。車をやり過ごす。
 ポロン「あぶなかったねぇ~。」
 子供、道でボール遊び。ボールが車動に!
 ポロン「あっ、あぶない!」
 子供、左右確認してボールを取りにいく。
 ポロン「あぶなかったねぇ~。」
 みんなも車には気をつけようね。
 | 
これはその時のエピソードのようす。
故に、その時見た人は、野沢雅子(ポロン)が何かにつけて、
「あっ、あぶない!」と「あぶなかったねぇ~。」ばっかり言うもんで
ポロンの記憶、というと、「あっ、あぶない!」と「あぶなかったねぇ~。」
しか出てこなかったそうな。
これはDVDにはならないかな。無理かな?
(資料・情報提供  つくだやま氏)
星の子ポロン  スタッフ
企画/時報映画社
脚本/大貫哲義・村山節子
キャラクターデザイン/桑島東輝
原画/鈴木孝夫
動画/岩崎純央・町支哲義ほか
アニメ製作/日本動画
キャスト
星の子ポロン(野沢雅子)ほか
たばこ1本のストーリー・ハートカクテル(1986年10月4日~1988年3月26日)
 全77話 日本テレビ系放映
製作 メルヘン社
 
おしゃれな80年代アニメ
このアニメを見ると、何故か「POPEYE」「Hotdog press」と言った
ヤングカジュアル系雑誌を想像するのは私だけ?
80年代っていうのはポップでファンキーなモノがもてはやされた時代で、
漫画もイラストもポップ&カジュアルが要求されてましたっけ。
わたせせいぞう先生の絵はどこか50年代のアメリカンコミックを
彷彿とさせつつも、新しい感覚に溢れたオシャレな絵でした。
そんな氏が週刊コミックモーニングに連載していた同名漫画を
短編アニメシリーズにしたのがこちら。
毎回決まったキャラは登場せず、一話完結の二分半ほどのエピソード。
たばこ1本吸いおわる程度の長さのストーリー、という所から
この副題が付いた次第。提供はもちろん日本専売公社(現・JT)。
わたせ氏のビジュアルを最大限生かす為に、アニメといいつつも殆ど動きません。
口パクも一切無し。動くのは風景や背景、小物や服の裾、髪といったところ。
セリフよりもナレーション形式、モノローグ形式で語られる事が多く、
独特の雰囲気をかもし出していました。
放映時間は深夜0時50分ですから、本当に大人の時間ですね。
この作品は5分アニメですが週一放映なので帯アニメではないのですが、
特殊なカテゴリに属する作品なので、今回編入して紹介させていただきました。
たばこ1本のストーリー・ハートカクテル  スタッフ
企画/日本テレビ
原作/わたせせいぞう
演出・絵コンテ/森田浩光・わだしんぺい・小林 治・林 昭夫
原画/柳瀬譲二・鈴木欽一郎・高橋信也・森田浩光ほか
美術監督/阿部行夫・広瀬愛一郎・小出英男・青木 稔ほか
音楽/松岡直也
製作協力/ワーナーパイオニア
キャスト
彼(奥田民義)
彼女(島津冴子)ほか
今回のはハートカクテル以外見事にマイナーモノが揃いました。
見たのはハートとシャダーを少々。
ポロンは人から聞いた情報以外知りません。
チャージマンは今DVDが出てるので
金さえ払えば見れるようです。
帯アニメって本当資料も画像も無いのね。今回苦労したわ~。
特に「星の子ポロン」。誰かビデオでも撮ってないかしら。
次はなにしようかな。
次回は決定しだいお知らせします。
  
