先日6月29日を境にしてコロナウイルスの感染が拡大し、本日新感染者数288名を記録したヴィクトリア州。スクールホリデー中という事もあり各州も警戒、対応に追われています。まず現在までどのような経緯をたどっているか確認してみましょう。
ヴィクトリア州コロナウイルス感染拡大のタイムライン
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6月29日
1日の新感染者が75名を記録
ヴィクトリア州内で6月半ばからじわじわと増えていた感染者が、ついに50名を大幅に超える。
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6月30日
ヴィクトリア州政府より指定の郵便番号エリアでステージ3の規制復活の宣言
新感染者64名。指定郵便番号は計10か所。感染者の多いホットスポットが指定されたがこの時点では市街地の北または北西エリアに偏っている。
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7月1日
前日の宣言の適用により指定地でステージ3の規制を開始
新感染者73名。再び不必要な外出や、再オープンしたばかりの店舗の営業が規制対象となる。また対象エリアにて警察による監視が始まる。
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7月4日
規制地域に市街地からほど近い2つの郵便番号エリアを追加
新感染者108名。市街地からすぐ北に当たり、有名なクイーンビクトリアマーケットからも近いFlemington, Kensington, North Melbourneが規制の対象に加わる。
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7月7日
200近い新感染者が発生、ついに規制エリアをメルボルン中心街とMitchellエリアに拡大
新感染者191名。新感染者数の拡大に伴い、メルボルン中心街を含む、周辺32のサバーブがステージ3の規制対象となり、現在この規制はは8月19日(水)までとされている。
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7月8日
中心街を含む規制の開始、続く感染の拡大とNSWとの州境閉鎖
新感染者134名。メルボルン中心街とMitchellエリア以外に住む住人は、日用必需品の買い出し、通院や看病、リモートでできない場合の通勤通学以外の理由で2エリア内に入ることはできない。また、ニューサウスウェールズ州がヴィクトリア州との州境の閉鎖を開始。
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7月10日
新感染者288名を記録、QLD州の州境がヴィクトリア州以外に解放
新感染者288名。昼12時よりクイーンズランド州の州境がヴィクトリア州民、また過去14日間にヴィクトリア州へ訪れた人以外へ解放され、警察が州境の警備にあたる。ダニエル・アンドルーズ州首相がヴィクトリア州民にマスクの着用を呼びかける。オーストラリア政府スコット・モリソン首相が、国際線による入国者を現状の約半分に制限することを言及。
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7月13日
11、12年生3学期の通学開始
スクールホリデーを終え11、12年生のみ通学を開始。残りの就学準備クラスから10年生までは1週間開始を遅らせる。この間に学校は以降の3学期に必要なリモートクラスの準備を整える。
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7月20日
3学期の通学開始
就学準備クラスから10年生までの通学を開始。
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8月19日
メルボルン市街地のステージ3規制の期間終了
来週から再開される11、12年生の通学はどのように行われる?
ついにヴィクトリア州ダニエル・アンドルーズ首相が、州民にマスクの着用を呼びかける事態となりました。ただしこれはあくまでも注意喚起であり、同州のブレット・サットン主席医務官は、学校内でのマスク着用に関して正しい着用の維持が現実的ではないため希望する者のみとの発言をしています。
また同主席医務官は、いかなる軽度の症状であっても通学は禁止すること、全生徒の体温チェック、できる限りの範囲で1.5mの社会的距離を保つことで生徒の安全を確保することを掲げています。
ヴィクトリア州の感染拡大を受けた、政府や各州の対応
オーストラリア政府スコット・モリソン首相の発言
本日7月10日(金)に開かれたコロナウイルス対策委員会の中で、以下のような内容についての検討が言及されました。
・全国的なホテルでの自己隔離環境の見直し
・国際線による入国者の制限
・入国者の2週間自己隔離中の費用を自己負担とする
・コロナウイルス補助金の期間延長または新たな対象者への給付(7月23日に発表される経済指標に基づいて再構成が予定されています)
また、これまでと同様に社会的距離の徹底、ハグや握手などの接触を避けるようにと改めてモリソン首相が発言しています。
ヴィクトリア州
今回の第二次ロックダウンに対し、ヴィクトリア州のビジネスをサポートするための5億3千4百万ドルの補助金についての発表がありました。この中には以下のような補助が含まれます。
・経営難のビジネスへのサポート
・ビジネスオーナーのためのメンタルヘルスサポート
・メルボルンからの観光客では経営が困難な観光業へのサポート
・最も影響を受けている飲食業、バーなどのナイトタイムビジネスへ3千万ドルのサポート
・経済的に大きな影響を受けたビジネスに対し給与税の納付延期措置
クイーンズランド州
7月10日より全州に対し州境制限の開放をする予定でしたが、ヴィクトリア以外の州と変更しています。
タスマニア州
予定していた入州制限の取りやめを延期し、7月31日まで継続することを発表しました。その後の予定に関しては7月24日に見直しの機会を設けることが決まっています。すでに新感染者数0が55日続いており、州首相は国内で一番安全な州と発言しています。
西オーストラリア州
7月18日に予定していたフェーズ5の規制緩和を8月1日に延期することを発表しています。こちらのフェーズ5は、レストラン等の施設での2平方mルールを撤廃するものです。この発表により、7月19日に競技場50%ルールで開催することを予定していたAFLのイーグルス対ドッカーズのゲームは変更を余儀なくされます。
まとめ
6月後半には50以下に抑えられていた新感染者数が、2週間もしないうちに300に近い数になってしまったのは驚きですね。
すでにメルボルンからNSW州に渡った人で検査結果が陽性となっている人もおり、人の行き来が多かったNSW州でも警戒心が高まっています。今後2週間は自分や家族の体調によく注意し、これ以上の感染拡大に関わらないように気を付けたいですね。
ぜひとも社会的距離の維持、手洗いの励行をご家族と共に続けてこの危機を乗り切りましょう。