7月10日放送のインターネットテレビ番組「虎ノ門ニュース」(DHCテレビ)で、FIJおよびメディアパートナーの活動に関して、事実と異なる発言が複数ありました。
(1) 本件番組では、FIJのメディアパートナーであるインファクトのファクトチェック記事を取り上げています。これは、中部大学教授の武田邦彦氏が、新型コロナウイルス感染症に関して「PCR検査は新型コロナの検査にならない」と主張した動画投稿について検証したものです。これに関して、あたかもFIJまたはメディアパートナーの関係者が、武田氏が勤める大学等に、正体を明かさず抗議等を寄せたような発言がなされましたが、そのような事実は全くありません。
(2) また、FIJのメディアパートナーである琉球新報、中京テレビ、毎日新聞がスポンサーになり、FIJが既存メディアからお金をもらっているとの趣旨の発言もありましたが、そのような事実も全くありません。FIJはファクトチェックの活性化のため、メディアパートナーに対し、無償で情報提供等の協力を行っています。一部の企業からは年会費を拠出する会員等になっていただいていますが、大手メディアからは会費・寄付等の拠出をいただいておりません。
(3) さらに、FIJのメディアパートナーに大手メディアが参加していることをもって、大手メディアの報道をファクトチェックの対象から除外し、ネット上の情報だけを検証対象とし、特定の立場の言論に批判を加える手段としてファクトチェックを行っているとの発言もありましたが、これも全く事実と異なります。
FIJは、国際ファクトチェック・ネットワーク(IFCN)の非党派性・公正性の原則などに基づいてファクトチェック・ガイドラインを定め、これにのっとったファクトチェックをメディアパートナーに推奨しています。ガイドラインには、次のような規定があります。
本ガイドラインにおいて「ファクトチェック」は、特定の主義主張や党派・集団等に対する擁護や批判を目的とせず、公正な基準と証拠に基づいて、事実に関する真実性・正確性の検証に徹するものとします。
(ファクトチェック・ガイドライン「第2 目的・定義」の第2項)
また、ファクトチェックの対象は、ネット情報に限られず、ニュース記事や、政治家や有識者など社会的影響力をもった人物の言説も対象となることを、当サイトにおいて明記しています。
世の中に影響を与える言説や情報のうち、真偽が定かでないものや正確さに疑いがあるもの、事実かどうか検証されていないものが、ファクトチェックの対象となります。
ニュース記事、インターネット上の情報はもとより、政治家や有識者など社会的影響力をもった人物の言説も対象となります。
近年はネット上の情報が影響力を増していますが、ファクトチェックはネット上の情報に限られるわけではありません。
(「ファクトチェックの基本的な考え方」)
現に、FIJはメディアパートナーへの協力内容として、正確性に疑義のある言説(疑義言説)を収集し、メディアパートナーに情報提供していますが、収集されている疑義のある情報にはネット上のSNS投稿に限らず、メディアのニュース記事も含まれています。
これまでメディアパートナーによりファクトチェックが行われたものの多くはネット上の情報ですが、大手メディアの報道について検証した事例も少なからずあります(インファクトの例、ワセッグの例)。
つきましては、FIJおよびメディアパートナーのファクトチェック活動に関し、事実誤認の発言により、多くの視聴者に誤解を与えたことについて遺憾を表明するとともに、番組ホームページおよび番組内での訂正を申し入れます。
関連情報 「虎ノ門ニュース」で事実と異なる発言 訂正申入れ (インファクト 2020/7/10)
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