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 長女(3)を自宅に置き去りにし、衰弱死させたとして、警視庁は7日、東京都大田区蒲田1丁目の飲食店店員梯(かけはし)沙希容疑者(24)を保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕し、発表した。捜査関係者によると、置き去りにした期間は1週間に及び、梯容疑者はその間、知人の男性宅に泊まり、一度も帰宅していなかったという。長女の死因は飢餓と高度脱水症状だったという。

 捜査1課によると、梯容疑者は6月上旬、2人暮らしの長女稀華(のあ)ちゃんを自宅に放置して衰弱させ、容体が悪化しても医師の診断を受けさせず、十分な食事も与えないまま死亡させた疑いがある。

 捜査関係者によると、同13日午後4時すぎ、「子どもが呼吸をしていない」と自ら119番通報。稀華ちゃんは搬送先の病院で死亡が確認された。司法解剖の結果、胃の中はほぼ空っぽだった。極端にやせた状態ではなく、目立った外傷はなかったという。

 任意の聴取に対し、梯容疑者は当初、「長女は体調を崩して食事をとれなくなった」と説明していた。その後の捜査で、稀華ちゃんを自宅に1人置き去りにし、男性宅で過ごしていたことがわかったという。事件後に入院したため、警視庁は7日の退院を待って逮捕した。日常的な虐待がなかったかなど事件の経緯について解明を進める。母子に関する虐待の通報や相談は確認されていないという。

 母子が暮らしていたマンション周辺で姿を見かけられるようになったのは2年ほど前。同じマンションに住む70代男性は「母親は愛嬌(あいきょう)があって親切で、女の子は活発だった。でも、2人で一緒にいるところを見たことはなく、女の子は今年に入ってから一度も見ていない」と話した。